共謀罪、泊事件事態を起こしかねないと
2017/05/17 13:54
「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の審議をめぐり、法案に反対する野党4党は、17日、金田法務大臣の不信任決議案を提出しましたが、自民党などは近く、衆議院で採決を行う構えです。
先月、この共謀罪法案が、戦争中の治安維持法による言論弾圧である朝日町の泊事件のような事態を起こしかねないと危惧する声を紹介しました。
17日は、泊事件で逮捕された男性の家族に取材し、被害者の視点から課題を検証します。
平館さん「当初から国会答弁を見て治安維持法の再来と思ったものすごい厳しい監視社会、一般の人が対象にならないなんてウソ」
金沢大学名誉教授の平館道子さん(82)です。
父・利雄さんは、第2次世界大戦さなかの日本で最大の言論弾圧とされる「横浜事件」のきっかけとなった朝日町の「泊事件」で逮捕されました。
その証拠とされたのが、1枚の写真。
朝日町出身の国際政治学者、細川嘉六が1942年、雑誌の出版記念に編集者らと故郷の料理旅館を訪れて撮影したものです。
交流のあった利雄さんも招かれました。
しかし、当時の警察は、この写真を共産党再建の準備を企てた証拠として関係者60人あまりを逮捕し、横浜事件へと発展しました。
父の逮捕は、写真が撮影されてからおよそ1年後の1943年5月、当時、横浜に住んでいた平館さんは小学3年生でした。
平館さん「学校から帰ってきたら家の中が滅茶苦茶、紙が散乱していて、書斎にあった本がないそういう状態、ビックリして何が起こったのかと」
この時、平館さんの母は、こう諭したといいます。
平館さん「人殺しや盗みではない研究していたものが咎められた卑屈にならないように」
平館さんが小学校に上がる前に撮った父との写真。
「私の父は割合、楽天的でこれを見ても分かるようにくつろいでいる」
その父が釈放後は別人になっていたといいます。
平館さん「帰ってきたときには別人、近寄りがたい暗い感じ、私が見た傷(拷問による)はここ(左手)にあった死ぬまで消えなかったそれより心に受けた傷がひどかった治らなくて一生、
引きずっていたと思う表に出さないけど絶対にあってはならない」
今、衆議院で審議されているいわゆる共謀罪法案について平館さんは特別な思いでいます。
平館さん「治安維持法もどんどん改定された、とにかく個人に介入する監視社会、そういう社会は想像できないと思うがそうしているうちに事態が進んで気が付くと身動きがとれなくなる」
この共謀罪法案については、法律の専門家も共謀があったかどうかをどう捜査するかに問題があると指摘します。
富山大学経済学部、宮井清暢教授(憲法学)「計画したかどうかは人の思考・意図を探ることなので考えたかどうか問われるどう探るのか、結局、盗聴、盗撮、スパイ、そういう形で
監視活動して行動を監視することでその人の意図を推認する」
安倍首相「テロ対策は喫緊の課題である国民に不安や疑念を抱かれないよう捜査の適正確保に政府としてしっかり取り組んでいく」
安倍総理は、東京オリンピック開催に向けたテロ対策のためには、法案の成立が不可欠だとしています。
それに対し、宮井教授は・・・。
「テロ対策は単なる口実、実際の使われ方を考えるとこれは治安維持法」
また、憲法改正に向けた動きにも影響を与える恐れがあると話します。
宮井教授「改憲が目標として浮上したが、強い抵抗が出るすると反対運動の人を監視、取締りの対象とする恐れがある警察が監視するだけで抑圧効果があるそうすると市民が萎縮する」
「存在しているだけで効果がある法律である」
テロが世界で相次いでいる中、その脅威を持ち出すと共謀罪法案に納得するような雰囲気が少なからずあります。
ただ、法案の中身がどうなっているのか、それが何をもたらすのか、今一度、立ち止まって考えることが大切ではないかと思います。
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