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相棒 season24 解説放送版 2025年12月17日放送 Ep11009 第9話【解説放送版】「カフカの手紙」
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00:00美香ちゃん
00:04昨日プーちゃんに新しいお友達ができたのよ
00:10夕暮れの公園
00:11それでね
00:12今日そのお友達のお家にお泊まりに来たんだけど
00:17びっくりなの
00:19その子のお父さんはなんとこの国の王子様で
00:24お家は大きなお城なの
00:27子供たちに手紙を読んでいる男性
00:30プーちゃんはレースのカーテンで覆われた
00:34ふかふかのベッドの上で
00:37この手紙を書いてるのよ
00:42男性はあくびの真似をする
00:46ごめんね
00:47眠くなっちゃったから
00:49この話の続きはまた明日
00:54美香ちゃん 勝手にいなくなってごめんね
00:59でも
01:00あたしはこの冒険の旅に出てよかった
01:05いつか必ず会える日が来る
01:09その時はまた仲良くしてね
01:13じゃおやすみ
01:15プーちゃんより
01:19白髪尻の書籠の男性は手紙をたたんで封筒にしまい
01:23美香ちゃんと呼びかけた女の子に渡す
01:28カフカさん ありがとうございました
01:30いいえ
01:31美香ちゃん また明日
01:33うん バイバイ カフカさん
01:35バイバイ
01:36いいな ずいこか
01:37カフカさん バイバイ
01:39はい バイバイ
01:40今日も楽しかった?
01:41はい
01:43公園の池を赤く染めて日が沈んでいく
01:48暗くなった公園のベンチに
01:50カフカさんと呼ばれていた男性がじっと座っている
01:57突然咳き込むカフカさん
01:59誰かがやってくる
02:13暗い中目を凝らしてその人を見るカフカさん
02:18早朝の道新聞配達のバイクから降りた配達員が道に落ちている1万円札を見つけて拾う見ると満札が何枚も散らばっている喜んで拾い集める新聞配達員落ちている冊を拾い集める新聞配達員落ちている札を拾いながら道を
02:48その脇に柱に寄りかかって意識がないカフカさんがいる驚いて腰を抜かし突風に巻き上げられる1万円札を呆然と見つめる配達員警察が到着し現場検証が行われる捜査一課の3人がカフカさんの遺体に合唱し鑑識の益子に話しかける
03:18持ってたんだって 使い古しの満札で
03:22締めて3052万 うわっ
03:26紙袋に入れてたようだ 紙袋3000万を?
03:30発見所の話や突風で一斉にパーッと舞ったらしいぞ
03:34それはなかなか爽快だったでしょうね
03:36そんだけの金を紙袋で運んでいたということは?
03:40間違いなく犯罪絡みの金ですね
03:42強盗か?組織の金を奪って逃げたか?
03:46仲間あれで殺されたってどこですかね?
03:50そういうとこだろうな
03:52そもそも殺人でもなさそうですが
03:55ぴやがったよ
03:57は?
03:58離体のどこにも外傷がありませんしね
04:02え?
04:03お前のその両の目は不思議なのか?
04:05くせなこの亀
04:07検出してみないとはっきりしたことは言えないが事件性はない
04:11病死だ
04:12おそらくはここかここ
04:14頭と胸を指さす
04:16平たく言えばこの仏さんは生き倒れだな
04:19生き倒れ
04:20もう早く言ってよ
04:22言おうと思ってんのにお前らは勝手に叫ばしたんだろうが
04:26仲間割れて殺されたって読みだっけ?
04:30撤収
04:31え?今来たばっかりですけど
04:33うるせい
04:34天下の創世家がこんなことに関わってる場合か
04:37うそ
04:38はい
04:39じゃ、あとは暇なお二人に託します
04:41行いましょう
04:42はい
04:43撤収します
04:44どうぞ
04:45受けたまわりました
04:46何か身元がわかるものは
04:49財布はあったが中身は現金のみ
04:52携帯も持ってなかった
04:54ポケットにあったのがこれとこれ
04:57えっと
04:59自宅の鍵ですかね
05:01どこにでもある鍵だな
05:03ああ
05:04ああ、こっちのティッシュもそこら辺で配ってるやつだ
05:07身元の特定には繋がりそうもないな
05:10いや、どこのトマトなんすかね
05:14紙袋に3000万入れて持ち歩く人って
05:17ああ、でも犯罪絡めの金ってせんは
05:20穴がち間違ってないかもしれないですよ
05:22非常に興味深い人物ですねえ
05:29杉下右京水谷豊亀山薫寺脇康文相棒シーズン24
05:48警視庁特命係
05:52はい、暇か?
05:53マグカップを持って角田が入ってくる
05:55行きだ俺の身元捜査やってるんだって
05:583000万持って道端で死んでたらしいな
06:01ええ、そりゃお前、絶対まっとうな金じゃねえよ
06:06ちょっと面白くなりそうじゃねえの?
06:08福岡さん、解剖の結果出ました
06:11やっぱり直接の死因は急性心筋梗塞でした
06:15ただ、がんがあちこちで進行してって
06:18末期の状態だったみたいです
06:20おや、そうでしたか
06:22ちなみに、あの年回りの男性の
06:24行方不明者届は出てませんでした
06:27そちら、なんかわかりました?
06:29ここ数年間の現金強盗事件を調べてみましたが
06:32該当するものは見当たりません
06:34また、紙幣番号も調べてもらったのですが
06:37未解決事件と関連するものはありませんでした
06:40犯罪組織の金だとすれば
06:42連中、表沙汰にはできねえからな
06:44特流絡みって線もあるんじゃねえか?
06:47念のため、判歴がないか
06:48遺体の指紋の証文もお願いしてありますが
06:51どうでしょうね
06:52ああ、紙幣番号を調べる中で
06:55一つ、興味深い事実がわかりました
06:58お、なすか?
07:003052万の内訳ですが
07:05およそ3割が、昭和59年から発行されている
07:10D1万円券
07:12約6割が、平成16年から発行された
07:16E1万円券です
07:18あれ、福沢役司の札手に2種類あるんですっけ?
07:21偽造防止の最新技術が導入されたんだよ
07:23あ、そうですそうです
07:25残りが渋沢A1のF1万円券と
07:28聖徳太子のC1万円券
07:31一度銀行に預けりゃ、帰ってくるのは新しい札
07:35今時、聖徳太子や古い方の福沢役司はまず見かけねえもんな
07:39ってことはつまり?
07:4130年余りにわたって手元にため込んでいた金ということになりますね
07:46手元にため込んでた?
07:4830年以上?
07:49やっぱり表に出せない金なんだよ
07:53ますます面白そうじゃねえのは
07:56で、残りの手掛かりは?
07:59ありません?
08:01あ、そう?
08:03地道に聞き込みするしかないっすね
08:09講演、似顔絵を持って聞き込みする
08:12ありがとうねえ
08:14いや、なかなかっすね
08:17殺しなら聞き込みにも動員かけてくれますけど
08:20まあ、何かと忙しいようですからね
08:23行き倒れじゃ、長場も立ちませんしね
08:26いつもならこの時間には来てるのに
08:28どうしちゃったんだろう
08:30あ、体調悪そうな時あったんだよね
08:33え、本当に?
08:34うん
08:35咳が止まらなくなったり
08:36え、心配
08:37ちょっと、よろしいですか?
08:40警察の者ですが
08:42この方に見覚えありませんかね?
08:45あ、カフカさんよね、これ
08:48うん、うん
08:50カフカさん?
08:51本人がそう呼んでくれって
08:53本当の名前は…
08:56女性は首を横に振る
08:58昨日もいつもの時間にいらっしゃらなかったんで
09:00心配してたんです
09:02カフカさん、どうかしたんですか?
09:04あの、お亡くなりに
09:06え?
09:07あのね、事件とかじゃないんですけども
09:09急性心筋梗塞で
09:13あの、詳しくお話伺ってもいいですか?
09:16はい
09:18じゃああの、ここでいいっすか?
09:20はい
09:21カフカさんが座っていたベンチ2週間ほど前にうちの娘がこの公園でぬいぐるみをなくしちゃってカフカさんも一緒になって探してくれたんです
09:36海藻、植え込みをかき分けて探していたカフカさん
09:41すみませんもう大丈夫ですからいや暇を持て余してるんで気にしないでくださいミカちゃん必ず見つけてあげるからねうんうんさてとでも結局見つからなくてカフカさん娘がしょげ返っているのを見てかわいそうに思ってくれたみたいで次の日から毎日娘宛にそのぬいぐるみを見つけてくれたんですよ。
09:59はい
10:00はい
10:01カフカさん娘がしょげ返っているのを見てかわいそうに思ってくれたみたいで次の日から毎日娘宛にそのぬいぐるみからの手紙を書いてくれたんですぬいぐるみからの手紙ええぷーちゃんからのぷーちゃんあ娘が付けた名前なんですそのぬいぐるみのああはい
10:21娘の元を離れて世界中に冒険の旅に出てるって設定でしたカフカさんが話してくれる物語がとっても面白くて娘もぷーちゃんをなくしたことなんて忘れてすっかり夢中になってうちの子も近所の子たちも毎日楽しみにしてました
10:41なるほどカフカの手紙そのままですねえなんですかそれなんとかお嬢さんを励まそうと
10:50あの文豪の逸話を真似したのでしょうねえ私たちも全然知らなかったんですけどそんなことをおっしゃっていました
10:59優しい方だったんですねカフカさんはあのすいませんちょっとごめんなさいね
11:05あの全然話が見えないんですけどもまずはそのカフカって
11:10かの20世紀の文豪フランツカフカのことですよ
11:15聞いたことあるようなないような
11:18変身という小説が一番有名ですかね
11:21変身あの高校の時読みました朝目が覚めたら芋虫になってたっていう
11:27ええ人生の不条理を描いた文学史に残る傑作ですね
11:32ええええああ
11:34フランツカフカは1924年結核で40歳の若さでこの世を去るのですが
11:42その前の年恋人のドーラと一緒に散歩している時公園で泣いている少女と出会ったんです
11:51どうしたんだいとカフカが聞くと少女は人形をなくしたのと答えます
11:59カフカはその少女のことを気の毒に思い
12:033週間にわたって人形からの手紙を書き続け少女に読み聞かせたんです
12:11偉大な作家が一人の少女の心を癒すためだけに
12:16来る日も来る日も人形からの手紙を書いたというエピソードです
12:23はあそんな話が
12:24おそらくお亡くなりになった方は文学に造形のある方だったのでしょうね
12:30ああすみませんがそのお手紙拝見できますか
12:37はい
12:39ミカの自宅
12:41ソファーで手紙を読んでいるウキョウとカオル
12:44ダイニングでミカが泣いている
12:46ミカ
12:47カフカさんはね急なお仕事で遠くに行かなくちゃいけなくなったの
12:53プーちゃんからのお手紙はカフカさんの元に届くから読んであげられないのよ
12:59お手紙はカフカさんが書いてたんでしょ
13:03カフカさんもいなくなっちゃったの
13:06お客さんがいるからお部屋に行こうか
13:11すいません
13:15ミカちゃんはカフカさんが大好きなんですね
13:22カフカさんが子供が好きだったなと思います
13:25そういうのは子供たち敏感なんで
13:28なるほど
13:29どうぞ
13:31ミカちゃんも他の子供たちも本当のおじいちゃんみたいに慕ってたんですよ
13:39だから本当にお気の毒で
13:42そのカフカさんという人は以前からよくあの公演に
13:46いやー先月ぐらいからかなよく見かけるようになったのは
13:51じゃあ最近こうしていらしたんでしょうか
13:55さあそういう話しなかったので
13:57近所に住んでたんですかね
14:00だと思うんですけど
14:02なんかこう仕事してたとか
14:04他のママ友にも聞いてみますけど
14:07プライベートな話は誰も聞いてないんじゃないかな
14:11なんかこう身元につながるようななんか頻度ないですかね
14:16ない
14:18あそうですか
14:19それにしても可愛らしい便箋ですね
14:23ああそれきっと公演のカフェで買ったんですよ
14:27公演のカフェで
14:29カフェの店内
14:32あこんにちは
14:33あごめんなさい営業してなくて
14:36いやいやいや我々の警察なんですけど
14:39何か
14:42あこの男性に見覚えられませんかね
14:45こちらで封筒と便箋を買ってるはずなんですが
14:49ええ
14:52一度いらっしゃいました
14:542週間ほど前だと思います
14:57ああそうですか
14:59いや実はこの方
15:00お亡くなりになりまして
15:02あの事件とかじゃないんですけども
15:05身元が分かんなくて
15:06お住まいとかお仕事のことを
15:08なんか聞いてませんかね
15:10いいえ
15:11会話らしい会話しなかったんで
15:13ああそうですか
15:14今日はもう終わりですか
15:17このお店
15:22閉めることにしたんです
15:25おやおや
15:26そうですか
15:29それは残念ですね
15:31こんなに
15:33素敵なお店なのに
15:35そうですか
15:37あっ
15:39失敬
15:41立ち入った話をしてしまいました
15:43ごめんなさい
15:45お役に立てなくて
15:47こちらこそ
15:48お取り込み中すいません
15:49では失礼します
15:53カフェの外
15:55店を出たところから
16:02カフカさんが座っていたベンチが見える
16:05うんカフカさんか犯罪絡みの金というのは見当違いだったんですかねただの錬金暮らしの優しいおじいちゃんだったのか失礼を?
16:19鑑識からの電話に出る右京
16:22杉下です
16:23しも大当たりだったぞ
16:27大当たり?
16:29あのおとげさん
16:30大原隆一だ
16:32聞き覚えあるだろ
16:34大原?
16:36あの
16:36大原隆一ですか?
16:39バブルの亡霊が35年経って今頃姿を現したってわけだ
16:45バブルの亡霊
16:48夜警視庁特命係
16:50大原隆一はバブル期に指定集団を引き株価捜査で莫大な利益を得ました
16:57バブル紳士なんて呼ばれた悪どい大金持ちが何人かいたが中でも大物の一人だ
17:033000万ぐらい隠し持ってて当然だな
17:061987年に所得税法違反で一度逮捕歴がありますね
17:12そこをとっかかりに捜査の網を広げようとしたが
17:16尻尾を捕まえきれなくて執行猶予付きの判決で終わったんだ
17:20じゃあ判暦データの指紋もその時の?
17:22ええその後も数年間はバブルを崩壊していたようですよしかしバブルが崩壊して株価が暴落すると彼を取り巻く状況も一変しました数百億に及ぶ借金を背負うことになりある日忽然と姿を消したこの暴力団っていうのが銀流害で大幹部っていうのが星川誠大原は星川の何億って個人資産を預かって運用してた?
17:52それが全部パー
17:54星川が激怒して暗殺部隊を作ったって当時噂になったんだよ
17:59捜査はしなかったんですか?
18:01死体も上がっていないのにできるわけねえだろ
18:03そりゃまあそっか
18:04それにしても大原隆一が生きてたってのは驚きだね
18:08入口のところに捜査一課の3人がいる
18:11しかしそのカフカさんだっけ?
18:15それと大原ってのはちょっともう結びつかねえんだよな
18:18昼間聞いた話だと優しいおじいちゃんって感じでしたからね
18:23さっきから何やってんの君たちは
18:24いやいやいや
18:25どうも
18:27あの仏さんの正体が分かったって小耳に挟んだんだよ
18:30有名人だったんですって?
18:32さては今になって手柄の匂いに吸い寄せられたか
18:35人聞きの悪いこと言わないでくださいよ
18:37まあ3000万が犯罪絡みの金っていう可能性もありますから
18:42一応ね
18:43匿名係がちゃんと仕事してんのか
18:46確認しに来たんだよ
18:47さっさと撤収したくせに何言ってんだルミ
18:49警部長
18:52何でしょう
18:54多少の協力はやぶさかではありません
18:58これはこれはご丁寧に
19:00どうもありがとう
19:01では失敬
19:03失敬
19:05失敬
19:06課長
19:08ご承話願います
19:09暇か
19:11うーん何となく覚えてるわこの大原龍一って名前
19:20バーブルかそんな時代ありましたね
19:25その頃はもう赤坂の芸者さんでした
19:28えぇ駆け出しですけどね
19:30やっぱりこうあのいい思いとかしたんすか
19:33うーん
19:36フッフフフフ 생각
19:37うん
19:39内緒です
19:41あららら
19:42ハハハ
19:43ああでも身元が分かったのに
19:45まだ捜査を続けなきゃいけないんですか
19:48事件じゃないんでしょ
19:49大原龍一は30年以上の間どこで何をしていたのか先月からなぜ突然あの公園に現れ始めたのか3000万をもってどこへ向かおうとしていたのかまだ謎はたくさんありますからね
20:07右京さんがこうなったら誰にも止められませんのであっこの大原の記事を書いた村沢さんって人デート時代の大先輩だわ中途退社してフリーライターになったんだよね宮子さん彼に話を伺えますかあっはいそうか生きてたんなら
20:37会ってみたかったなぁ喫茶店村沢先輩は大原にかなり食い込んでましたよね
20:46何度も取材したよ
20:49なんか妙に馬があってねぇ プライベートの話もいろいろ聞かせてくれたよ
20:56やっぱりバブルはすごかったんですかその金使いとかさまじかったなぁ
21:03月に何十億も稼いでその金を湯水のように使った 座っただけで何十万もする高級クラブを
21:13一晩で何件もはしごして 何百万もする時計や指輪を女の子たちに次々プレゼントして
21:22でもそれがバブルの崩壊で一転した 天国と地獄とは
21:29まさにあのことだ 金になるものは全て売っても何十億って借金が残った
21:38中でも銀流会の取り立ては可烈だったらしくてね 自己破産すら許されなかったみたいで
21:47最後に会った時は別人みたいだった 村沢から金を受け取った大原
21:53電車人にもことかく始末でねぇ あの戸籍によると家族がいたんですが
22:02奥さんと3つか4つになる女の子 奥さんがノリコさん娘さんが美雪ちゃん
22:08離婚したようですけど 2人に迷惑かけたくなかったんでしょうね
22:14最後に会った時別れたって言ってました 奥さんは大原が失踪した翌年亡くなってますが
22:22自殺です
22:24自殺
22:26おい なんじゃねぇかよ
22:30大原が失踪すると 銀流会は奥さんに刃を向けました
22:35追いかけるぞ
22:38幼い子供を連れて逃げても逃げても 追いかけられて
22:42奥さんは耐えきれなくなって
22:45とうとう
22:47幼い娘が寝ている間に 首をつった大原の妻
22:52お子さんはその後
22:54分かりません
22:56大原さんは文学に造形が 深かったんじゃありませんか
23:01ああそうでした
23:03若い頃は 児童文学の作家になりたかったって話聞いたことがあります
23:09児童文学ですか
23:11もともとはピュアな文学青年だったようです
23:15作家になる夢に敗れてその反動で金の亡者になり下がったって笑ってました
23:23それにしても35年か長いですね 大原はどんな思いで過ごしてきたのか
23:35あっ ちょっと失礼
23:39カオルのスマホに着信
23:40はい 亀山です
23:42ああ 木沼どうも
23:44はい
23:46えっ
23:47おじさんたちに さっきのお話 教えてあげて
23:51ミカの家
23:52ミカちゃん おじさんたちね もう全然乾くないからね
23:59ほら 糸結んで 糸結んで 引っ張るよ
24:02おにゃ おにゃ おにゃ おにゃ
24:04変な顔をして笑わせるカオル
24:06カフカさんのこと 教えてくれるかな
24:09あのね
24:10うん
24:11カフカさんもね 大きなビルの工事現場で働いてるんだ
24:16お仕事行かなくていいの?
24:19働いてるのは夜中なんだ
24:21ヘルメットをかぶって赤い棒を持ってる人を見たことない?
24:25ある
24:26そう カフカさんはみんなが危なくないように
24:30いつもあの赤い棒を振ってるんだよ
24:36警備員ってことですよね?
24:38そのようですね いやだけど
24:40大きなビルの工事現場なんて 数えきれないことはありますからね
24:44どっから手をつけたらいいのか
24:46絞り込めると思いますよ
24:48え?
24:49遺留品のティッシュ
24:51駅の名前が書いてあった
24:55お話してくれて助かりました どうもありがとう
24:58カフカさんにまた会える?
25:01うーんと それはね
25:04ミカ おじさんたちを困らせたらダメでしょ
25:08ミカちゃん きっと会えると思いますよ
25:13ビルの工事現場 警備員に似顔絵を見せる
25:21内山さんだよ
25:23内山さん?
25:25警備会社 捜査一課の3人と合流する 武京とカオル
25:30お待たせしました こちらですか?
25:33えっ もう話は通してあります
25:36さすが仕事が早い
25:37まあ 我々の力をもってすれば この程度のことは朝飯前ですよ
25:42こちらでは内山博史と名乗っていたということでしたね
25:45ええ どうもありがとう お願いします
25:48あとは我々が 天下の捜査機関の皆さん
25:51ご苦労じゃないですか
25:53終わり?俺たち
25:55内山さんの勤務態度は至って真面目で
26:00最も頼りになるベテランでした
26:03仕事をサボるなんて一度もなかったのに
26:07連絡はつかないし 社員寮にもいないし
26:11心配していたところでした
26:13社員寮にお住まいだったんですね
26:16ええ
26:18内山さんがここで働くようになった経緯は 分かりかねるので
26:23父はもう引退してるんですが
26:27あとは私が話す
26:29お前は下がってなさい
26:32分かりました
26:36大原は私の幼なじみでした
26:48子供の頃から頭が良くてね作文なんか本当にうまくて若い頃は作家になりたかったと伺いましたそんなこと言ってましたねあの大原さんがここで働くようになったのは莫大な借金を抱えてから仕事上の付き合いがあった人間全員に見捨てられたらしくて
27:12階層
27:14頼む
27:16あいつらに見つかったら俺は殺される
27:19土下座して頼んだ大原
27:21おいしかったよりの人間がいないぞ
27:25当時はまだこの会社も小さかった
27:30かくまうの合いが遊ばせておく余裕なんかありませんでした
27:35だから内山ひろしという仮の名前でここで働いてもらうことに
27:42ご家族の方は
27:44奥さんの実家に避難させていたうちはこっそり連絡を取り合っていたようです
27:50しかしそこにヤクザが現れるようになって奥さんは子供を連れて逃げた
27:58その辺りから連絡が取れなくなったようで
28:02当時は携帯もない時代ですもんね
28:05二人のことが心配でたまらなかったようでしたが
28:09表だって動くわけにもいきませんからね
28:13休みも取らず
28:17朝から晩まで必死に働くことで
28:20あいつはどうにか正気を保っていた
28:23大原の奥さんが自殺したことはご存知ですか?
28:29ええ、存じ上がっています
28:32風の噂で大原がその事実を知ったのは
28:37奥さんが亡くなってから5年経った頃です
28:41あの時はひどく取り乱して見ていられなかった
28:45大原は工事現場で雨に打たれながら号泣した
28:50それから大原は娘のみゆきちゃんの行方を探し始めました
28:55探偵を使ってね
28:58でも全く見つからなくて
29:0110年ほど経ってとうとう諦めたようでした
29:06それが半年前
29:08また探し始めたんです
29:10半年前?
29:12悟ったのでしょうかね
29:15ご自分の指揮を
29:18大原さんは末期眼だったようです
29:22やっぱり
29:24ああ、それで娘さんの行方は分かったんですか?
29:28ええ
29:30ただ
29:36よかったじゃないか
29:38どの面下げてあえばいい?
29:4235年も放りっぱなしで今更父親なんて名乗れるか?
29:49謝ればいいだろう
29:51血のつながった親子なんだ
29:54ずっと探してたんじゃねえか
29:59会いたいんだろう
30:01会いたくてたまらないんだろう
30:04大丈夫か?
30:05せき込んで血を吐いた大原
30:11娘さんがどこにいるかお聞きになったんですか?
30:17教えてくれませんでした
30:20右京さん、あの公園に現れるようになったのは?
30:25ええ
30:27大原さんの部屋を拝見できますか?
30:30内山博史のネームプレートがある部屋
30:36さあどうぞあいつの日常はここと職場の往復だけ贅沢一つすることもなし酒もたばこもやめて仙人みたいにひっそりと生きていました
30:50殺風景な和室
30:52給料はちゃんと払ってたんですよね?
30:54もちろん安月給ですけど
30:56じゃあお金たまったでしょうね?
30:58だと思いますが偽名じゃ銀行の口座も開けませんからね
31:02どうしていたのか?
31:04はぁ
31:063052万は犯罪絡みなんかじゃなくて
31:1035年間コツコツ働いてためた金だったか
31:14亀山くん
31:16はい
31:18畳が1枚ずれている
31:21失礼します
31:23その畳を上げてみる
31:27ここが金庫代わりだったのでしょうかね
31:31黄板の封筒がある
31:35どん
31:37右京が中の書類を取り出してみると
31:40調査報告書と書いてある
31:50
31:51公園のカフェ
31:52店主の女性が片付けをしている
32:00展示していた一冊の絵本を手に取る女性
32:03タイトルは
32:05ぷかぷか気球と私の世界一周旅行
32:10先日はどうも
32:13中北美雪さんですね
32:17ええ
32:184歳までは大原美雪さんですよね
32:26あの男性は大原龍一さん
32:30あなたのお父さんでした
32:34驚かないんですか
32:38そうじゃないかって思ってました
32:42だったらどうしてこの間話してくれなかったんです
32:44私と母を捨てた人です
32:49大原さんのことを覚えてたんですか
32:52いいえ
32:55でも周りから散々聞かされました
32:59どれだけ人に迷惑をかけたか
33:02母が死んだのもその人のせいです
33:07ヤクザに殺されたって聞いてましたけど
33:10とにかく私の中ではとっくに死んだ人なんです
33:18大原さんは
33:20あなた方を捨てたわけじゃなかったようですよ
33:24お母さんがあなたを連れて逃げているうちに連絡が取れなくなったそうです
33:29その後も探偵を使ってずっと行方を探して
33:3235年経ってようやく見つけ出したんですよ
33:38あなたを
33:40回想、調査報告書を持って
33:44ミユキのカフェを訪れた大原
33:47外からガラス張りのカフェの中を覗き込み
33:50ミユキの姿を探した
33:56どうぞ
33:58ごゆっくりどうぞ
33:59ありがとうございます
34:02働くミユキの姿を見ていた大原
34:05それから毎日
34:07あのベンチに座ってあなたを見守っていた
34:11すぐそばにいるのになかなか一歩が踏み出せなかったけど
34:16ヴィンセント封筒を買うためという理由を見つけて
34:20回想
34:22いらっしゃいませ
34:24ミユキのカフェに入った大原
34:25あ、どうぞ
34:26思い切ってこの店に足を踏み入れたとき
34:30おそらく相当緊張してたでしょうね
34:32立ち入ったことを伺いますが
34:37どうしてこのお店を閉めることに
34:38夫がギャンブルにはまって
34:41どこでもない連中からお金を借りたまま行方をくらましたんです
34:44私が肩代わりするしかなくて
34:48必死な思いでお金ためて
34:50ようやくつかんだ自分の城も手放すしか
34:56階層を
35:16回想
35:17ミユキが幼い頃
35:18借金取りに暴力を振るわれていた母
35:21泣きながらうなずくミユキ
35:29回想
35:31夜の公園で咳き込んだ大原
35:35人の気配にカフェの方を見ると男が二人やってきた
35:44その風貌は一見して柄の悪い男たちと分かる
35:49人の気配にカフェの方を見ると男が二人やってきた
36:00その風貌は一見して柄の悪い男たちと分かる
36:08大原がカフェに様子を見に行くと
36:11美雪が彼らに金を渡していた
36:14恨むんなら馬鹿な旦那の方ですから
36:21逃げても無駄ですよ
36:23どこまでも追いかけますから
36:27じゃあ来月また
36:34美雪は気丈に振る舞っていたが
36:36男たちが去ると絶望の表情を浮かべうずくまった
36:41大原さんはその話を聞いていた
36:44それで一旦自分の部屋に戻って
36:50大原は寮の部屋で万年床の布団をよけ
36:55その下の畳を上げた
37:01そこには一万円札がびっしり敷き詰められていた
37:07聖徳太子の古い札から最新の渋沢栄一まで並べておかれていた札を
37:13かき集めて紙袋に入れた大原
37:17その袋を抱えて公園に急いだ
37:21あなたの窮状を救うためにお金を届けようとしてその途中
37:27心臓の発作に襲われた大原
37:32あっ!
37:34あっ!
37:35紙袋を取り落とし柱に寄りかかって地面に腰を落としたその姿勢のまま生きたえた大原紙袋からこぼれた札束が風で舞い上がった
37:52どうせ汚い金なんでしょう
37:54いえ
37:5535年間真面目に働いて貯めたお金です
38:02あなた方の親子関係が証明されれば遺産として相続できます
38:07今のあなたにとって必要な
38:09そんなお金いりません
38:10そんなお金いりません
38:11メクさん
38:14今ご遺体は鎌田東署に保管されてます
38:18このままだと役者の方で無縁ぼとけとしてほぐらいの
38:22無縁ぼとけとしてほぐらいの
38:24勝手にしてください
38:25でも
38:26今更許せるはずがないじゃないですか
38:33子供の頃
38:36楽しい思いしたことなんか一度もなかった
38:40一度も
38:44ずっと許せなかった
38:47私たちを捨てた父親を
38:57一つだけよろしいですか
39:01あなたは大原さんのことを覚えていないとおっしゃいました
39:07しかし大原さんがこのお店に来たとき
39:12父親じゃないかと思ったとおっしゃいました
39:15どうしてそう思われたのでしょう
39:19声です
39:24
39:25回想 レターセットをレジに持ってきた大原
39:32あの
39:35これください
39:36父親と一緒に暮らしてた頃の記憶はほとんどありません
39:45でも一つだけ覚えてることが
39:54寝る前にいつも
39:59物語を聞かせてくれたんです
40:05物語を聞かせてくれたんです
40:08物語を
40:10大人になった私が
40:17世界中を冒険する物語でした
40:23回想
40:26胸がドキドキして
40:28美雪は思わず
40:30気球の淵に身を乗り出します
40:33わあ
40:35本当に世界って広いんだね
40:38それが
40:40楽しみでしか出なかった
40:43顔も覚えてないのにあの声だけはずっとずっと私の中に残ってて
41:00このお店の名前はドイツ語で物語という意味です
41:13あなたはご自分の大切な城を物語と名付けました
41:19どれほど憎んでいても大原さんに聞かされた物語があなたの支えになっていた
41:30そう思えるのですかね
41:34もう帰ってください
41:43父は35年前に死んだんです
41:50にらみつけるように右京を見る美雪
41:54日が変わって警視庁特命係
41:58はい、亀山です
42:02ああ、はいはい、どうもどうも
42:05ああ、そうですか
42:08ああ、そっちはね
42:10分かりました、わざわざご連絡ありがとうございました
42:14右京さん、鎌田医学所に美雪さん来たそうです
42:18遺骨を引き取りたいって
42:20そうですか、それはよかった
42:22ただ遺産相続については放棄するとまああの人らしいのかなでもまあこれで大原龍一も浮かばれますかねええところでさっきから何書いてんですか読むのは君のほうがいいですかねほう?
42:46ミカちゃんへ
42:49ミカちゃん、また明日って約束したのに突然いなくなってごめんね
42:56カフカさんは神様にお呼ばれして今天国にいます
43:01ここは静かでいいところです毎日楽しく過ごしていますだからカフカさんのことは心配しないでくださいミカちゃんも大きくなったら冒険の旅に出るんですよねその道中きちっとどこかでプーちゃんと再会できますその日を楽しみに元気に過ごしてください
43:30ミカちゃん
43:33ミカちゃん
43:35もしどうしてもカフカさんに会いたくなったら目を閉じてください そうすれば
43:43また会えますよ 君のおかげでカフカさんは忘れていた大切な時間を思い出すことができました
43:55本当にありがとう
43:58カフカさんより
44:00杉下右京、水谷豊、亀山薫、寺脇康文、大原、保須田康人、みゆき、宮本真希、音楽、池義博、脚本、滝本智行、監督、安陽寺匠
44:18はい、どうぞ
44:20ありがとう
44:21制作、テレビ朝日、東映
44:24このドラマはフィクションです
44:27最初の殺人は201号室で起きるんです
44:33それは推理小説になぞらえた犯行
44:36そして
44:38返すわ、返すわ
44:39止まらない惨劇
44:41またしても小説と同じ
44:43何から何まで再現しようとしてます
44:45脅迫状に殺害予告
44:47まるでミステリー小説の中に紛れ込んでしまったかのようですね
44:51これは犯人からの挑戦状
44:54なるほど
44:56IDE 必ず
44:58あいぼう
45:00ドラマ tin
45:01いぼう
45:02GD
45:05あいぼう
45:07あいぼう
45:11あいぼう
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