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向田邦子と猫の物語
#Japanesedrama

カテゴリ

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テレビ
トランスクリプション
00:00彼らの作品はこれほどまでに愛されなかったかもしれません
00:06猫と芸術家
00:09その絆を事実をもとに少し想像も交えて綴ります
00:15お前なしでは生きていけない
00:20マハシャイ マミオ殿
00:28変色 公色 内弁慶
00:32昇進 テレヤ 余ったれ
00:36新し物好き 体裁屋
00:40嘘つき 懲り性 怠け者
00:44霧がないからやめますが
00:46あなたは誠に男の中の男であります
00:50私はそこに惚れているのです
00:54向こうだ クニコ
00:56この熱烈なラブレターは僕に当てられたものだ
01:03クニコの恋の相手は人間の男ではない
01:08マハシャイ マミオ
01:10僕は体生まれのオスネコ
01:20僕はマミオの霊主の男を含むは?
01:28僕マミオは伯爵の称号を持つ決闘書付きなんだ
01:45僕は邦子のペンの音を聞きながら
01:5310年以上一緒に暮らした
01:55邦子は売れっ子の脚本家
02:04その上小説家としてもすごい賞を取ったんだ
02:09邦子は僕の自慢なんだ
02:25向田さんもそういう猫ってそう言っちゃ悪いけど猫的な非常に女性的な人ですね
02:34結構嫉妬深かったりしてねあれなんですよ
02:39その順調に行く恋はしてないだろうなっていうのをすごく感じたんですよ
02:47してないとあんな風に男子を描けない
02:50もう血も涙も何もかもそこに注ぎ込んで
02:56本当に戦いですね
02:59かっこよくて賢くて
03:04男勝りの強い人だったけど
03:08人知れず泣いていたことを僕は知っている
03:13秘密の恋
03:16大好きなお父さんの死
03:19つらい病気との戦い
03:23今日は
03:25邦子のもう一つの素顔の話をしよう
03:29向田家には僕より前に別の猫がいたんだ
03:48どうだ
03:58どっちがいい
04:00コンドミニアム
04:03
04:05カリカ
04:07女の仏様の名前だ
04:10メスだからカリカにしましょう
04:12カリカ
04:14今日からお前は向こうに行って
04:18向こうだカリカ
04:19向こうだけの一員だよ
04:21私はカリカ
04:25お父さんのつけてくれた名前
04:28私はお父さんのお気に入りなの
04:33私もお父さんが大好き
04:36お父さんは保険会社のサラリーマンなのよ
04:43長女の邦子さんはいつも忙しそうで
04:47私と一番遊んでくれたのは
04:50妹のカズ子さん
04:52猫はね頭がいいからうちの母は
04:55うちの猫は灯台でって言ってた
04:57灯台でなんですよ
05:00賢い猫だからうちの空気をすごくよく分かって
05:08父が帰ってくると父にパッと行くし
05:12父が出かけるときはパッと
05:15何だろう行ってらっしゃいってご挨拶してる猫だったんですよ
05:23冬が苦手な私
05:25邦子さんの手はあったか
05:28電話
05:33向こうだでございます
05:35少々お待ちくださいませ
05:38邦子さん
05:39はい
05:40テレビの人から
05:43はいお電話変わりました
05:45あ、伊藤さん
05:48ああ、あの接吻のシーンですね
05:50愛人とのシーンはこう
05:52情熱的に二人がかかり合って
05:57すみません、詳しい話はまた
06:00また明日
06:02今日もホテルに缶詰だから夕飯いらないわ
06:10お姉ちゃん、いい加減手袋買ったら?
06:12気に入ったのがないのよ
06:14手袋なんてどれでもいいでしょ
06:16好きなの見つけたらかよ
06:19あらま
06:20失礼しました、行ってまいります
06:21いってらっしゃい
06:23今、ここで妥協をして
06:33手頃な手袋で我慢をしたところで
06:36それは自分自身への安っぽい芸合の芝居にすぎません
06:43邦子のやつ、相変わらずだな
06:47邦子さんは気に入らないものは身につけないんですよ
06:51仕事だって雑誌だラジオだテレビだっていつまでも落ち着かない
06:58だから嫁に行き遅れるんだ
07:00邦子さんは学校を卒業したあと結婚をせず映画雑誌の仕事をしてた
07:15でもそれだけに満足できなかったのね
07:20この頃からラジオやテレビの脚本を書き始めていたの
07:24私は何をしたいのか
07:33私は何に向いているのか
07:36ただ漠然と
07:38今のままでは嫌だ
07:40何かしっくりしないと
07:43身にすぎる見果てぬ夢と
07:44つま先立ちしてもなお手の届かない現実に
07:49腹を立てていたのです
07:52確かに手袋は手袋だけのことではありませんでした
07:57久仁子さんはほとんど家にいなくてホテルで脚本を書いてたみたい
08:06ただいは
08:25こんな時間に帰って明日も終わるんだぞ
08:30分かりました
08:32おやすみなさい
08:36お姉ちゃん、まだ書いてるの?
08:50お父さん起きちゃうから
08:52あんま頑張りすぎると体壊しちゃうよ
08:55私4時間寝れば平気なの
08:58早く寝なさい
09:00はい
09:02おやすみ
09:06お父さんは厳しい人だった
09:20けど、久仁子さんのことを一番心配してたわ
09:25私は知ってる
09:26もうじきオリンピック
09:32街が大きく変わっていったころ
09:37些細なことから思いもよらないことが起こったのよ
09:41んー、さすが銀座のお店ね
09:52似合うわお父さん
09:54似合う似合う
09:55ほんとに
09:56えへへへ
09:58あ、黒枠用で写真撮りましょう
10:00黒枠だと?
10:04葬式用の写真撮るつもりか?
10:07何だお家に向かって
10:12ラジオだかテレビだか知らんが
10:14そんな仕事やめちまえ
10:16やめません
10:18だったらお前のような奴はこのうちから出て行け
10:25わかりました、出て行きます
10:28ああ、出て行け
10:31長いこと、お世話になりました
10:47なぜかしら
11:05クニコさんはお父さんのお気に入りのあたしを連れて家を出た
11:10家を出た
11:24クニコ、出て行きました
11:30カリカ、連れて行ったのか?
11:34はい
11:40ささいなことから父と言い争い
11:52出て行け、出て行きます
11:55ということになったのである
11:57正直言って、この一言を待っていた気持ちもあって
12:02いつもならあっさり謝るのだが
12:05私は後へ引かなかった
12:06駅からは離れてるんだけどお勤めじゃなけりゃここのBの2号室はおすすめですかね
12:16こっち行けるんだよね
12:20こっち、南側ですから
12:21拍手が起こりました
12:23聖火の入場であります
12:26オレンジの炎、白煙をなびかせて聖火が入場してまいりました
12:31栄光の最終奏者は昭和20年8月6日生まれ
12:36無限の未来と可能性を持った19歳の若者、坂井芳典くんです
12:41素栄養、オリンピックの聖なる日、フェアプレーの精神で素栄、世界の和光土
12:55松明を掲げた選手が、確かな足取りで聖火台を駆け上がってゆき、火が灯るのを見ていたら、わけのわからない涙があふれてきた
13:12オリンピックの感激なのか、30年間の暮らしと別れて家を出る感傷なのか、自分でもわからなかった
13:24実はね、その涙にはもう一つ、わけがあったの
13:35クニコさんには、ずっと前から付き合っている男の人がいたの
13:42都市センターがいっぱいで、ホテル日光に入っています
13:5228日は、夕方まで家で仕事をして、久しぶりで一緒にご飯を食べましょう
13:59クニコの誕生日ですもんね
14:01昨日は人中未満ありがとうございました
14:05つまらなくて、ぼつぼつオヒスが怒りかけていたところだったので、とても嬉しかった
14:16クニコさんが、10年以上も付き合っていた人のこと、教えてあげる
14:23見て、このたくさんのポートレート
14:27クニコさん、本当に綺麗でしょ?
14:34だってね、この写真は、その恋人が撮った写真だったから
14:41その人は、13歳も年上の記録映画のカメラマン
14:48別居中だけど、奥さんも子供もいる人
14:53許されない恋だったのよ
14:57じゃあ、結婚するとか、そういうときに、うちの姉はもう、両親にとって、それは賛成をされないっていうことは、もう100も承知ですね。
15:14だから、それまではあの人の中、私はそれは推定ですけど、言う人ではないですよ、うん、うん、歓迎されないと思ったら、しない、うん。
15:30家族に知られないように、彼の手紙はいつも仕事場のホテルに届いた。
15:39シチューを頂戴。なかなかうまい。つい食べすぎそうです。毎日電話はするつもり。風に重々気をつけること。
16:02では、仕事が一段落したら、おめかしもどうぞ。
16:11日曜昼前に、もしかしたらそちらへ寄って、ご飯の支度をしていこうかなと考えていますが、あんまりあてにしないでお待ちくださいまし。
16:24寒くなってきたようですから、体を大事にして。
16:30くにこ。
16:35天気が良くて暖かい日があったら、そちらへ出かけたいとも思うけれど、今週の予報ではどうも難しそう。
16:45では、思い直して仕事にかかられよう。見込まれた子羊よ。
16:54はい、くにこです。
16:59NHKの伊藤ですが。
17:01なんだ、伊藤さん。
17:03急ですが、今夜7時から打ち合わせできますか。
17:07ああ、今夜はちょっと。
17:10この仕事、君にとってはチャンスなんだけどな。
17:15わかりました。では、7時に伺います。はい。
17:21あ、すみません。電報お願いします。
17:40今夜行けぬ、く。
17:44忙しい合間を乗った二人の時間。
17:49それは、かけがえのないものだったのね。
17:55その彼が病気になって、右足が動かなくなった。
18:01カメラマンの彼は、病気を悲観してか、自分で命を絶ったの。
18:11その夜の邦子さんを、和子さんだけが見ていた。
18:16その時は、夜中だった。
18:20トイレに置こうかなと思った時に、
18:23いつもだと、何か本をめくる音とか、何もないなと思って、
18:29ちょっと隙間から見た。
18:31そしたら、姉が方針状態だった。
18:34こうして、くにこさんの恋は、突然終わってしまったの。
18:53くにこさんのとびきりの笑顔は、すっかり色あせてしまった。
19:08女同士だから、あたしにはわかる。
19:14これが、もう一つの涙のわけだったの。
19:24実家を出た、くにこさんとあたしは、このアパートで暮らし始めた。
19:32その、一か月後。
19:36お父さん。
19:54ちょっと待ってて。
19:57お父さん。
20:15どうぞ。
20:18最近忙しくって。
20:31随分、狭い部屋だな。
20:34書斎としては十分よ。原稿書いて寝るだけだから。
20:41そっか。
20:43おかげさまで、売れっ子でございます。
20:47その時、くにこさんは全く仕事をしていなかったわ。
21:03全部自分から断っていたもの。
21:07お父さんも気づいていたかもしれない。
21:12家族と離れて、仕事もやめて。
21:17くにこさんは、すべてに区切りをつけたかったんだと思う。
21:21くにこさんは、すべてに区切りをつけたんだと思う。
21:26くにこさんは、すべてに区切りをつけたんだと思う。
21:28くにこさんは、すべてに区切りをつけたんだと思う。
21:32かわいい。
21:35もしかし、火事が起きたら、私はお前を守ってやれないよ。
21:40だから、お前はお前で、しっかり生きるんだよ。
21:46もし火事が起きたら、私はお前を守ってやれないよ。
21:53だから、お前はお前で、しっかり生きるんだよ。
22:06その時の邦子さんは、何か覚悟を決めたようだった。
22:16国子さんと私、お互いに全力で行きましょう。
22:46過去を吹っ切って、国子さんは再出発した。
22:57この時描いたドラマが大ヒット。
23:01国子さんは、描いて、描いて、描き続けたの。
23:05はぁ、どう、お父さんの具合。
23:08はぁ、どう、お父さんの具合。
23:12はい、これ、鳥のささみと三つ葉。お父さん好物でしょ。
23:14はぁ、どう、お父さんの具合。
23:21はい、これ、鳥のささみと三つ葉。お父さん好物でしょ。
23:26なに、どうしたの。
23:30なに、どうしたの。
23:38えっ。
23:40心不全ですって。
23:50会社から帰ってきて、ウイスキー飲んでプロレス見て。
23:58具合が悪いって言うから、お医者さん呼んだのよ。
24:00そしたら、うん。
24:14おめえちゃん、なに?
24:18ん?
24:22やだ、わたし2枚はいちゃってる。
24:24ちょっと待って。
24:32あ、やっぱり2枚だ。
24:35なに、これ。
24:38あ、やだ、わたし2枚。
24:41あ、やだ、わたし2枚。
24:45あ、やだ、わたし2枚。
24:49あ、やだ、わたし2枚。
24:54父は何でも正式に、
24:57折り目正しくするのが好きだったから、
25:00自分の葬式の時も、
25:03女母子供に、わっと号泣して欲しかったことだろう。
25:07父は定めし、口惜しく、
25:11成仏できなかったに違いない。
25:13あ、長いばかりか。
25:29お前にもお土産買ってきたからね。
25:32お父さんの49日が過ぎた頃、
25:35邦子さんは、京都旅行に出かけた。
25:38ちょっと待ってね。
25:42どう思えるのかな。
25:45あ、このわた。
25:49ばっかだな。
25:52何やってんだ。
26:00このわたは、お父さんの好物だった。
26:04代わりか。
26:05ほら、
26:08このわただよ。
26:10って。
26:11お父さん好きだったので。
26:14父は亡くなったが、
26:20狩子は今も元気である。
26:23この猫も、
26:26父の塊の一つである。
26:27土地である
26:28久仁子さんのお父さんへの気持ちは
26:36こんな形になった
26:39賑やかな家族が出てくるこのドラマ
26:47誇りっぽくて頑固者のカンタロウったら
26:51お父さんにそっくり
26:53お父さんは相当太っている方だったらしいですね
26:59カンタロウ一家はお父さんをイメージして作られていたので
27:04それでだから太った人じゃないとダムだということになったんですよ
27:08私の場合は嫌だ
27:10あの人は嫌だと思ったんだね
27:12なんか横田さんが嫌ねあの人は
27:16なんか好きぶったらしくてとか言ってね
27:18言われちゃって
27:19それで久仁さんがなんかじゃあ100匹て頭を坊主にしてこいって言って
27:26でも小沢さんがそれをご覧になったらしくて
27:30なんかなんかの影からねカーテンの影から覗いてて
27:34ああこれがカンタロウよなんてことになっちゃって
27:37ドラマではお父さんが娘の結婚に反対してた
27:43でも最後には許してお祝いしてくれる
27:48これって久仁子さんの叶わなかった夢を書いたんじゃないかしら
27:54お父さんが亡くなった翌年
28:20久仁子さんはすごく広いマンションに引っ越したのよ
28:26どうぞ
28:32カズコさん贅沢だと思ってるでしょ
28:44私もそう思う
28:47でもねこれからはこの部屋に似合う仕事をしていくの
28:52久仁子さんの一生懸命さは仕事だけじゃなかったわ
29:09時間があれば世界中を旅して回った
29:13その旅先で新しい恋人に出会ったの
29:19アンコールワット見物の帰り
29:24熱帯の芝生の上を転げ回って遊ぶ銀色の猫を見て
29:28寒伝してしまったのである
29:31これで私も安心
29:35お父さんのいる天国に行けるわ
29:38マミオ
29:39久仁子さんをよろしくね
29:42さよならカリカ
29:47久仁子のことは僕に任せて
29:51ほらマミオ
29:54待ちなさいあんた
29:56ほらマミオ
29:59急にタイから連れてこられて
30:18本当は迷惑
30:20猫は小型の猛獣
30:29ミニサイズの猛獣がいるととても楽しい
30:33だからあまり服従してほしくない
30:38乱暴なのは困るけれど
30:41分別があって少し荒っぽい方が好き
30:45僕の好物は高級なトビウオ
30:58どんなに忙しくても
31:01久仁子は3時間もかけて
31:03美味しいご飯を作ってくれるんだ
31:11どう?美味しい?
31:12人間に服従もせず
31:17変色で
31:18甘ったれで
31:19気まぐれ
31:20はい
31:29はい
31:29もう一枚お願いします
31:37はい
31:38お願いします
31:38ほいマミオ
31:39タッチ見た
31:40いいです
31:41はいほら
31:44感触持ちで
31:47昇進で
31:50照れ屋
31:53はい
32:01向こう田でございます
32:02私アパートの中にはおりますが
32:04現在出られません
32:06ご用件のある方は
32:08ピーという音の後に
32:09伝言をどうぞ
32:11あーTBSの大川です
32:16シナリオを進んでいらっしゃいますでしょうか
32:19そろそろ上げていただかないと
32:21まずいんですが
32:22またお願いいたします
32:24こうして僕は
32:31生涯独身だったクニコの
32:33人生のパートナーになった
32:36僕の子供は
32:3950匹近くもいる
32:41太陽国の血統書付きの僕を
32:44自慢にしてたクニコは
32:45子供たちを
32:47仕事仲間に里子に出した
32:49そのうちの2匹を譲り受けたのが
32:53この人
32:54ああマミオはね
32:58色っぽいしね
33:00本当にあの
33:01向こう田さんの
33:02眠る酒漬かなんかに書いてありますよね
33:05あの
33:05公職だって
33:06あの
33:07その通りなの
33:09あれを
33:10マミオを超えるような
33:11男の人はいないと思う私
33:13艶もいいしね
33:15結構あれは不良でしょ
33:17それでこう
33:20歩く姿もね
33:21なんか
33:22ノロノロっていうのは
33:24ゆったりゆったりこう
33:25見せるような
33:26自分の体を
33:27全て見せるようにして
33:28歩くんですよね
33:29それがね
33:30なんかね
33:31とっても艶っぽい
33:32向こう田さんにとってはね
33:35マミオは
33:37恋人でしょ
33:38優しいですよ
33:40とろけそうですよ
33:42僕には
33:44特技があったんだ
33:46それであの
33:48神玉ゲームって
33:50こういうのもできるのよなんて
33:52こう原稿養子の
33:53作業ピーってやってね
33:54
33:54マミオ行くよって
33:56こうやってやるんですよ
33:57
33:57行くぞって言って
33:58これをピュッと投げると
33:59もうこう
34:00こう手のひらから
34:01髪がポーンと
34:02飛んだ時には
34:03マミオには
34:04どのぐらい距離が
34:05来るかっていうのは
34:06分かっちゃうんですよね
34:07すごい野生的ですよ
34:09だから
34:09それでもう
34:10来る前に
34:12飛び上がる
34:12
34:13ピューッと
34:14飛び上がって
34:14体がこうねじれるようにしてね
34:16スローモジューの
34:17
34:17カッとキャッチする
34:18これは綺麗
34:20うんうん
34:23そう見てくれた
34:24よかった
34:26お母さんや
34:28カズコさんの意見が
34:29一番参考になるのよ
34:30だってテレビは
34:32専門家が
34:33見るわけじゃないでしょ
34:34
34:37ありがとう
34:38うんうん
34:40
34:41そう
34:41それで
34:42ご飯のメニューには
34:44うーんと
34:44こだわるつもりなのよ
34:45うん
34:46そう
34:47そうなの
34:48クニコは
34:52ますます忙しくなった
34:54書くもの書くもの
34:57全部が大評判で
34:59売れっ子脚本家になったんだ
35:02だけど
35:05遅かったね
35:24ごめん仕事重なっちゃって
35:26お母さん
35:29今年もよろしくお願いします
35:31はい
35:32今年もみんな元気で
35:35いい年になりますように
35:38さあ
35:41お母さん構わないで
35:44私もう行かなきゃいけないから
35:46今来たばっかりじゃない
35:47新年早々
35:48締め切りに追われてんのよ
35:50じゃあね
35:50何か隠してるでしょ
36:10家族?
36:17お姉ちゃん、なんか隠してるでしょ
36:20なんで私を避けるの?
36:25今忙しいの
36:26だって、お姉ちゃんがお雑煮食べないなんておかしい
36:30あんた聞くけどね、隠し事のない人なんている?
36:33誰にだって一つや二つ言えないことぐらいあるでしょ
36:40病気、悪いな
36:43会いなさい
37:10オレンジ、やめたの
37:19後遺症で右手が効かないのよ
37:26メロンだったら皮むかなくて済むでしょ
37:29余命半年ですって、最悪の場合
37:39仕事やめて、治療に専念しないと
37:44仕事やめろってことは、私にとっては死ねってことよ
37:49これだけはきちんと聞いてください
37:58私の命です
38:00医者に何言われても
38:03聞いたことは
38:04私の命だから
38:06どんなことでも言うのは
38:08あなたがの責任
38:10あなたに託すのはそういうことですって言われました
38:13ただ母には言うな
38:15それとあなたは私の言われたことだけを守って
38:20やってください
38:21そのことだけですと
38:23クニコは遺言状を書いた
38:29マンションは安尾さんに送ります
38:34ただし、猫の世話をしてくれることが条件です
38:39生き物ですから、あまり寂しい思いをさせないで
38:42命を全うさせてやりたい
38:45どこで命を終わるのも運です
38:49体を無理したり
38:51仕事を休んだりして
38:54骨を拾いに来ることはありません
38:56クニコは一人で本を読み
39:07一人で調べて
39:10誰にも弱みを見せなかった
39:12クニコはこんなこともしていた
39:30発想を変えれば
39:45アイロン掛けもリハビリになる
39:47クニコは諦めなかった
39:571、2、3、5、6、7
40:08もう我はダメだと思う時もある
40:10やっていこうという時もある
40:15癌という字と死という字が
40:24その字だけ特別な活字に見えた
40:28ゆっくり書けば左手で書けないことはない
40:32こういう時にどんなものが書けるか
40:35自分を試してみたかった
40:54ご視聴ありがとうございました
41:24ご視聴ありがとうございました
41:54時間に追われるテレビの仕事ができなくなったクニコ
41:59ペンを左手に持ち替えて
42:02初めてエッセイを書いた
42:04ゆっくり
42:06丁寧に
42:08自分と家族のことを書いた
42:10これがやがて一冊の本になって
42:17すっごい評判になったんだ
42:21うん、美味しい
42:36やっぱり日本一のお漬物ね
42:38うまいこと言って
42:40母さん、何?
42:48私、癌だったの
42:49そうだろうと思ってたよ
42:57あなたの様子見てりゃ
43:02それくらい分かるわよ
43:04母さん
43:10美味しい
43:19美味しい
43:20はじめの一年
43:36がんと死の字が目に飛び込んだと書いたが
43:412年目に入ると
43:43生という字が心に染みた
43:47クニコはとうとう
43:55右手が使えるようになった
43:58そして勝負に出た
44:02私セックスが書きたいの
44:06セックスですか
44:13今のホームドラマは
44:16きれい事ばっかり並べて
44:18エソラ事に過ぎないと思う
44:20男女の本質的な部分が欠けてる
44:21いやでも茶の間で
44:27家族で見るテレビで
44:29それってどうなの
44:31何も大胆な性描写に挑戦しよう
44:33って言うんじゃないの
44:34例えばこの一杯の水
44:38これを男女で分け合って飲むっていうのも
44:41セックスでしょ
44:43なるほど
44:48向田流の描写だ
44:51男と女
44:53生と死
44:55その本質を表現したいのよ
44:59一年に一本でもいい
45:135年10年経っても忘れさせない
45:16寒気のするようなすごい台本を書く
45:20何なのよ話って
45:22何なのよ話って
45:36お父さん
45:45面倒見てる人いるのよ
45:48
45:50男が男の面倒見るわけないでしょ
45:53何か月謝か何か出してるのかと思ったのよ
45:57大学生か何かの
45:58のんきなお姉さん
45:59本当なの
46:01まさか
46:03他の人ならんと向かくうちのお父さんに
46:06そんな
46:07なんて罵るの
46:21一番上のお姉さんは
46:23クニコの作品には欠かせない
46:25この人
46:27アイフシューラーは私も一番好きな作品ですけど
46:32ミコーダさん
46:34あの前の頃いろいろと終わりになったでしょ
46:39だからずいぶん辛い時を過ごしていらしたわけね
46:47だけどあの方はとにかく元気だから
46:51そういう時にこそ仕事を
46:54よし女を変えてやろうって
46:56そういう気持ちになったんじゃないのかしら
47:00だからもう自分の持っているあらゆるものを全部込めて
47:06もう血も涙も何もかもそこに注ぎ込んで
47:11本当に戦いですね
47:14ご苦労様
47:19明日1時
47:25うちの主人
47:36こちらに伺ってるんじゃありません
47:39いいえ
47:40何かの間違いじゃないですか
47:43この下駄箱開けると主人の黒い靴が入ってるんじゃないの
47:47どうぞお確かめください
47:49黒い靴入っておりますけど
47:52亡くなった主人のと息子の履き古しですから
47:56拝見します
47:57あなたがご主人に亡くされたんだら
48:05私の気持ちはわかるでしょう
48:07女が連れ合いを持っていかれたらその辛さを
48:11でも
48:12生きてらっしゃるじゃありませんか
48:15何か何をあげるんです
48:24バカバナーの真似がよせよ
48:29水鉄砲
48:37トヨコバ
48:40トヨコバ
48:42俺もその順調に行く声はしてないだろうなって言うのをすごく感じたんですよ
48:58順調に行く恋はしてないだろうなっていうのをすごく感じたんですよ
49:02してないとあんなふうに男子を描けないっていうふうにすごく思ったときに
49:08きっと男子に対してその価格を売っているんじゃないかなっていうふうに思う
49:15そういう男性の弱さとか
49:19そのね、なんていう卑怯な部分とか
49:24そういうところを情けないところも含め
49:28かわいいところも含め
49:29そこで全部出してる
49:33あれはやっぱり男子の作家では描けない男子ですよね
49:39男の人がすごくかわいいのよね
49:44ダメな部分もいろんな部分があって
49:48そういうものも全部描いてるけども
49:54なんかね、かわいいのね、男の人がね
49:57だから向田さんってご家族はもちろんのこと
50:01人一倍
50:02愛情豊かな優しい人だったんじゃないかなと思うわね
50:11その後、今度は初めての小説を書いた
50:20そしたらこれがすごい賞をもらう
50:24絶好調の邦子だった
50:27先生、名古屋賞おめでとうございます
50:32太陽書籍宮本です
50:35例の連載録画、ぜひうちでよろしくお願いします
50:39テレビウィークリーの愛香と申します
50:435年前に癌を患った時
50:46もうこれから先、面白いことは起きないだろうなと思いました
50:51ところが、我が人生で一番面白いことが起こったのです
50:57新しい分野のスタートラインに立てるとは
51:00なんと心弾むことでしょうか
51:03賞を取った1年後の夏
51:17久仁子は旅行へ出かけようとしていた
51:20行き先は台湾
51:24でも、ちょっと変
51:26いつもは片付けなんかしないのに
51:301週間に1度は飛行機のお世話になっていながら
51:37まだ気を許してはいない
51:39散らかった部屋や
51:41引き出しの中を片付けてから乗ろうかと思うのだが
51:45いやいや、あまり綺麗にすると
51:48万一のことがあった時
51:49やっぱり虫が知らせたんだね
51:52などと言われそうで
51:54ここは縁起を担いでそのままにしておこうと
51:57わざと汚いままで旅行に出たりしている
52:00旅行の2日前
52:07久仁子の台の仲良しがマンションに来て
52:11びっくりしてた
52:12もうね、綺麗に片付いてたんだ
52:18そういうのもんですから私
52:21入っていくのに気楽に
52:23今日はどうしたのっていう言葉をかけて
52:27そうしたら不思議だったんですよね
52:31照れ隠しみたいに
52:36たまに私だって綺麗にするのよ
52:38久仁子はどうしてそんなことしたんだろう
52:47それが
53:09僕が見た久仁子の最後の姿だった
53:13ご視聴ありがとうございました
53:15ご視聴ありがとうございました
53:43台湾の遠東航空の旅客機が
53:48昨日空中爆発を起こして墜落し
53:50乗客と乗員110人全員が死亡しました
53:53旅客機には作家の向田邦子さんをはじめ
53:5818人の日本人が乗っていました
54:00旅客機は離陸直後
54:04操縦士の気圧が異常に下がり
54:06一旦引き返しました
54:07再び離陸した後
54:09爆発が起こりました
54:10常年の撮影 no
54:11互相は半ぐらいだった
54:15破音が泣くそうです
54:17しかしはガメモが変わらない
54:18でも全く変わらな
54:20国内装当この装置を
54:20さらに人格が温めて携わって
54:21Sue 高raf社の部屋
54:22高rafat 高raf社のものоз光
54:25省最ろんな豚人の家に
54:26喜んだし
54:28ここからは
54:31高raf社の国籍で
54:32行って結構
54:33creating
54:35163の家に
54:37全くそこから芸術の中から出てこなかった
54:50でも夜になるとタタタタタって出てくるようになった
54:5649日頃に
54:57それでもうぐるんぐるんぐるんぐるん
55:03家中を探すの泣きながら
55:06もうそれが毎日ぐるんぐるん
55:11壺にお花が行けてあったら玄関に行って
55:14空いてるところ全部回ってぐるぐるぐるぐる
55:19それが49日頃だったので本当に痛ましかった
55:36お前の主人はクニコではないんだ
55:49形だぞって言ってねぐるんぐるん巻いてね
55:53疲れた頃両手取ってねガーッとしてね
55:562人で座ってね話し合いしたの
56:00それで話をしてガバガバ噛まれた
56:04それね15分か20分だかったし全然記憶がないのね
56:09とても疲れたわよね
56:11相手も疲れてね
56:13ぐなっとなったからそれで手を離したの
56:17そしたらバランとね横になった猫が
56:20ああやったかなって思いましたね
56:24それからは私を主人と思ってくれました
56:30私は姉からした生き物の遺言というか
56:53姉からの物をもらえたと思って
56:57めちゃめちゃなめらかでました
56:59ありがとうって今でも涙が出ちゃうけど
57:04もう本当にこの大変だったけど
57:09猫を預かって本当に姉がくれた贈り物
57:14生きた贈り物っていうのはね
57:17本当に嬉しかった
57:19悲しいけどね
57:21今でもごめんなさいなめらかでちゃうんだけど
57:29マハシャイ マミオ殿
57:46偏食 後食 内弁慶
57:51昇進 テレヤ 甘ったれ
57:55新し物好き テイサイヤ
57:58嘘つき 懲り性 怠け者
58:02女房自慢 感触持ち
58:05自信過剰 健忘症 医者嫌い
58:10風呂嫌い 存在 気まぐれ
58:14おっちょこちょい
58:15きりがないからやめますが
58:19あなたはまことに男の中の男であります
58:23私はそこに惚れているのです
58:27向田邦子
58:30マミオ
58:36私はそこで救い起こえるのは
58:49私はそこに階段階段の柄
58:50買うとは
58:54これは何でもеконом Put psychiatりだ
58:57私もそこに光��で良いです
59:01いつでもおうと