00:00そこは大陸の東の果てにして 太陽の西の果て
00:15二つの果ての狭間に儚く浮かぶ 三日月のような大矢島
00:23その地母神は一柱の美の女神を 人の世に使わします
00:32少女の姿をした女神は さまざまな名を名乗りながら
00:41時を越えて 日本の美を育んだのでした
00:53時は琴玉信仰前世の平安時代
01:02ところは京の都 平安京
01:10時の帝一条帝は 清少納言の枕の草子を
01:16若くして失った最愛の妻
01:19帝氏の忘れがたみとして 大切にしておりました
01:24藤原道長は その帝の思いを
01:32我が娘 正氏になびかせるために
01:37紫式部に 源氏物語を書かせます
01:40やがて正氏は 後の天皇となる 道長の孫を生みました
01:50こうして 権力の源である天皇を取り込み
01:58天下人となった道長は
02:01餅好きの歌で 己の栄華を誇ったのでした
02:06しかし その道長の世に
02:14新たな危機が 近づいていたのです
02:18藤原道長様
02:29紫式部が 清少納言を伴って 参上いたしました
02:34おお 清少納言よ ようよう来てくれたか
02:38そなたに頼みたいことがある
02:41月を褒め称える物語を 書いてもらいたい
02:45ねえ 今私に物語を書けと聞こえたけど
02:50もちろん紙は提供するし 褒美も使わす
02:53さらにそなたの物語は 書き写されて
02:56宮中のみならず 全国の国史を通じて
03:00日の下中に広められる
03:02へえ 亡き主の仇である道長様が
03:07この清少納言に 物語を書けと
03:11ねえ ねえ
03:13自分の物語が 日の下中で読まれる
03:16書き手にとっては 夢のような話ですよ
03:19物語といえば 紫式部でしょ
03:22それにそんな夢のような話を なぜあなたがやらないの
03:27だって この紫式部には もう物語は書けないから
03:32なんか 清少納言さんが最も適任であるとの
03:36紫式部さんからの 推薦です
03:40ねえ あちらはどなた?
03:42見かけない風邸の方ですけど
03:44あちらは あの 光明なる音名じゃ
03:47安倍の生命様 らしいのですが
03:51違和感
03:52嘘でしょ え 安倍の生命って 実在するの?
03:57え 女なの?
03:58違和感あるけど
03:59何と言っても 狐の子だからなって
04:03道長様が
04:04恋しくば 尋ね来てみよ 泉なる
04:09篠田の森の 恨みクズの葉
04:12安倍の生命の母は クズの葉という名の
04:16狐だったという 物語ね
04:19えぇ 人魚を食べて 風呂不死になった 八尾びくになら
04:23まだ分かるけど
04:24分かる どっちかと言うと そっち
04:27さすがは 清少納言先輩
04:30世界は 物語で溢れている
04:34ああ 八尾びくに その手があったか
04:37ああ 私は漂白者
04:40過去より来たりて 未来を過ぎ
04:42苦音の教習を 追いゆく者
04:45うわぁ なんか 本物っぽい
04:48えぇ まあ 狐の子じゃね そういうものかもね
04:52だから 見かけがこうで 声がああなのね
04:55やっぱり 先輩も 受け入れたわね
04:58でも 漂白者って 物語の主人公っぽい
05:03後で お召しください
05:05ああ あふん
05:07これなる大陰陽寺 安倍の声明が 立案の作戦なのだ
05:12清少納言よ
05:14月を褒め称える物語を 書いてくれ
05:18ご視聴ありがとうございました
05:24ご視聴ありがとうございました
05:28ご視聴ありがとうございました