00:08日本のクラフトウイスキーの草分け、アクトイチロー。
00:23クラフトメーカーベンチャーウイスキーを立ち上げ、2008年、日本では35年ぶりとなる単独上流所、秩父上流所を設立。
00:41自らの名を冠したイチローズモルトで、その名を世界にとどろかせた。2019年には秩父上流所の5倍の生産能力を持つ秩父第二上流所を設立。
00:52そして、あく年は次なる夢へと進みだす。それがグレーンウイスキー専用の上流所。
01:06ベンチャーウイスキーの代名詞ともいえるイチローズモルト&グレーン。
01:20厚生原酒であるグレーンウイスキーの自社製造は、高品質な原酒の安定確保に伴うリスクを軽減するため、非常に重要な決断だったという。
01:36私どもが目指している酒質、モルトウイスキーとブレンドしたときに、モルトのおいしさを引き出してくれる、和食でいえばだしのような、そんなグレーンウイスキーを作りたいという思いがありました。
02:05その理想をかなえるべく向かったのは北の大地北海道だったウイスキーそれは人類が偶然の連続から生み出した奇跡命の水ともいわれ今なお人々を魅了してやまない琥珀色の酒その香りありました。
02:12味わいの背景には語り尽くせない壮大なドラマが存在する。
02:17本日のメニューはこちらの2本。
02:29さああなたをすてきなウイスキーの世界へといざなうウイスキペディアへようこそ。
02:43北海道南部太平洋を望む場所に位置するとまこま石。
02:56海の玄関トマコマイ港と空の玄関新千歳空港を有し、北海道の経済発展の大きな役割を担う産業拠点都市。
03:13一方でラムサール条約に指定されているウトナイコや、溶岩ドームを持つ世界的にも珍しいタルマエさんがあり、豊かな自然に囲まれている。
03:32トマコマイ東部のトマトエリアは日本最大級の工業団地。この場所に2025年5月、グレーンウイスキー専用の蒸留所が誕生した。トマコマイ蒸留所。
04:02運営するのはベンチャーウイスキーの完全子会社ベンチャーグレーン。新たな蒸留所にトマコマイを選んだシーンを悪年に伺った。私どもウイスキーの専業メーカーということで、ウイスキーに関わることは何でもやってみたいというような思いを創業当初から持ってたんですね。
04:26例えばモルティングだったり、あとは樽工場を自分たちで樽作りもしてみたいということで立ち上げたりとか、いろんなことをやってきました。その中でやっぱりいつかはグレーンウイスキー、これを自分たちの手で作れたらいいなっていうような思いはぼんやりとはずっと持ってたんですね。
04:37ベンチャーウイスキーの代名詞ともいえるイチローズ・モルト&グレーン。日本の技術が光るブレンデッドウイスキーとして世界から注目を集めている。
04:47しかしその光勢原種であるグレーンウイスキーは99%を海外からの輸入に依存してきた。
05:02そんな中で起きたのが新型コロナやウクライナでの戦争。不安定な世界情勢を目の当たりにし、悪年はある危惧を抱く。
05:20コロナの時に物流が大きく混乱してしまった。それからウクライナの戦争が万が一ヨーロッパ戦争なんて拡大しちゃった時には、私どもの屋台物であるブレンデッドウイスキーが作れなくなってしまうかもしれない。
05:48そのためには国内調達する必要もあるだろうと。ただ、その時点でグレーンウイスキーを譲ってくださる会社っていうのがなかったということと、私どもが求める種質のウイスキーっていうのは、それなりの規模の大きさがないと作れない。であれば、供給していただけるところがないのであれば、自分たちで作るしかないなということで決断したっていう面がございます。
06:08アクト市が条件に掲げたのは、良質な水、交通アクセスの良さ、原材料調達経路、自然災害の少なさなどおよそ10項目。そのすべてを満たす最も理想的な場所がトマコマイだったという。
06:20例えばその良い水が大量に使える場所と。で、トマコマイっていうのは、沿岸部って工業地帯ですけども、一つ一歩奥に入ると、
06:29すごく自然の素晴らしい四骨湖という、非常に透明度に高いお水をしたためている湖があるですとか、
06:42北米からトウモロコシを運ぶバルク船がすでに就航していて、そこでトマコマイ港のサイロ、ここからトウモロコシを横持ちで使えたり、
07:07北海道っていうのは食物自給率が200%超えてて、北海道産のトウモロコシもいつかは使えるだろう。さまざまなそういう条件っていうのが、やっぱり合致していたっていうのは奇跡的だなというふうに思いました。グレンウスキ作り、白とウスキの神様が言ってんじゃないかというふうに思っちゃったっていうのが、一つのきっかけでしたね。
07:21トマコマイ東部、トマトウエリアに広大な土地を購入。トマコマイ上流所を立ち上げた。敷地の総面積は6
07:34.6ヘクタール。そのうち半分は原料棟や製造棟、事務棟、貯蔵棟が建設され、残りの半分は今後貯蔵棟などを増設する予定だという。
07:46工場町には北海道の道南生まれで秩父上流所であく年とともにウイスキー作りを行ってきた橋本氏が着任。
07:52北海道ならではの利点を効果としています。
08:02四骨が非常に豊富で、こういう美味しいウイスキーがとうとう日本の可能性というものを信じて仕事しています。
08:10こちらが原料棟。毎日20トンの原料が運び込まれる。
08:31原料は基本的にはデントコーン、とうもろこしですね。をメインで使用しまして、大体約1割ほど大麦麦芽を使用いたします。このピットに流し込んだ原料は隣の部屋の方でコンベアによってサイロに投入されていきます。
08:44原料棟には5つの大きなサイロがあり、4つがコーン用、1つがバクガ用となっている。1回の仕込みに関しましては、コーンが約5
08:45.5トン、バクガが0.5トン。これをですね、1日4回回すんです。4バッジ回すので、トータルの量としては24トンです。
09:071バッジ6トンの仕込みを1日4回。それを6日間、24時間稼働で行い、年間240万リットルの生産を目指している。
09:33秩父の生産量は年間31万リットルなので、その規模はおよそ8倍に相当する。こちら側から青と赤、この2種類のコンベアが見えると思うんですけれども、青がトウモロコシ用、赤が大麦バクガ用、このように独立したラインで上流との粉砕機質に入っていきます。
09:51こちらが粉砕室。コーン用の青のライン、バクガ用の赤のラインと、それぞれが独立して稼働。粉砕で使うハンマーミルも2系統用意されている。
10:00こちらがグレーンウイスキーにある設備で、乗車機、クッカーと呼ばれる設備になっています。
10:14簡単に言えば巨大な圧力が高温高圧で処理してあげることによって、やっと澱粉を次の糖化の工程で、糖化酵素がアタックできるような状態にすると。
10:24コーンなどの硬い穀物はそのままでは糖化できないため、クッカーで煮込んで柔らかくし、澱粉を分解させる必要がある。
10:40糖化槽に高温とバクガを混ぜ、63から63.5度の温度で、およそ1時間攪拌。そうしてできたものが発酵槽に送られる。
11:07発酵タンクが全部で15機、こちら1列。ここに並んでいる4機のタンクっていうのが、1日4回の先ほど申し上げた仕込みによって1日分で溜まる。発酵タンクになっています。発酵時間は72時間。発酵が終わったものは蒸留機に送り込まれる。
11:36グレーンウイスキーの製造に欠かせないのが、連続式蒸留機。トマコマイ蒸留所では、悪年の強い意向により、カフェシチルと呼ばれる二等式の旧式タイプを採用した。昔の美味しかったウイスキー作りを自分たちの手で再現したい。それに一番近づく方法っていうのは、
11:57当時の設備だったり手法でウイスキー作りを再現していく。それがやっぱり昔の美味しいウイスキーに近づく。一つの方法じゃないかなと思いまして、伝統的な連続蒸留機。これにこだわって、昔のカフェシチルっていうのは大体四角かったので、やはりそこはちょっとこだわりました。
12:14カフェシチルは1830年頃から使用されている伝統的な蒸留機。旧式のため操作が難しいが、原料由来の風味や成分が残りやすく、香味あふれるスピリッツが製造できるという。
12:44私どもが目指している主室、モルトウイスキーとブレンドした時に、モルトの美味しさを引き出してくれる、和食で言えば出汁のような、そんなグレンウイスキーを作りたいという思いがありました。やっぱりモルトが個性のお酒で、その一方でブレンドっていうのは、デイリーに飲み続けていただけるような、そんな主室、美味しいな、また飲みたいなと思っていただけるような、
13:09そんな味わいを目指していきたいと思っています。全長およそ13メートルのカフェシチルからは、1日で8000リットルが蒸留できるという。秩父蒸留所のおよそ8倍の生産規模を誇るトマコマイ蒸留所。貯蔵量も圧倒的なスケールだ。
13:29樽を保管する貯蔵棟は3棟。さらには、秩父との減収をやり取りしたり、樽を修理するためのカスクルームも備えている。こちらが第一貯蔵棟。
13:41メインで使う樽はバーボンバレル。とにかく生産量が多いため、少しでも多く保管できるパレタイズ式をとっている。
14:02ここが通路になるんですよ。で、もうこちら側、壁一面にすべて樽を並べます。カラダレなどで4段積み上げてますけれども、実際に液体が入ったら3段で積みます。
14:10第二貯蔵棟はさまざまな大きさの樽が貯蔵できる断値式を採用。
14:33一応このようにレールを並べて、この上に樽を乗せて、これを上に積み上げていきます。こちら確認してもらったら分かると思うんですけど、ちょっとより大きいサイズです。これシェリーダルです。大体容量600リッターから程度の容量なんですけれども、トマコ米で貯蔵する予定です。
14:47いろいろ試してみたいなというふうには思っています。もちろん、水ダラダルも秩父で作っておりますので、そちらも将来的には試してみたいと思っています。
15:13一番大きい第三貯蔵棟もパレタイズ式。3と合わせて6万樽以上が貯蔵できる環境になっている。やっぱり最低3年間は熟成させなければいけませんから、おそらく最低3年、おそらく中心的には5年ぐらいになるのかなという気もしますけれども、
15:332029年から2031年ぐらいまでの間にグレーン原種が使えるようになればいいなと思っています。秩父の小さなクラフト上流所でスタートした男の夢は、北海道でさらなる進化を遂げようとしている。
16:06イチローズモルトの海の親、アクトイチローが、グレーンウイスキーという新たな夢のために立ち上げたトマコマイ上流所。本格稼働を前にした2025年10月。サントリー名誉チーフブレンダー、
16:27コシミズ・セイイチ氏が視察に訪れた。ヒビキやヤマザキなどの開発ブレンドに携わり、ジャパニーズウイスキーを世界に広めた第一人者。コシミズ氏の目には、トマコマイ上流所はどう映ったのか。
16:34今日はこのトークまでお越しいただきましてありがとうございます。
16:53私にしてもブレンダーとして現役で仕事をしてたときにやっぱり作ろうとしているブレンデッドウイスキーの目標の味に対してやっぱりグレーンウイスキーもやっぱりいろんなキャラクターあったほうがいいなと。
16:56もちろんボディの違いですとかね。
17:05市場っていうのはシングルモルトウイスキーが非常に注目されているけど、マーケットの大部分は9割ぐらいはブレンデッドウイスキーが占めているわけで。
17:18もちろん最終のブレンデッドウイスキーの個性はモルトウイスキーが作るかもしれないですけど、飲み飽きないっていうか飲んでうまいと思わせるのはやっぱりグレーンウイスキーの存在って絶対大きいと思うんですよ。
17:47そんなこともこれから多分アクトさんやっていかれるんだと思いますけどね。そうですね。まずは安定稼働でしっかりとしたものが作れて、そこからタイプの違うものを作り分けていく。そんなところまでチャレンジできたら本当にいいだろうなと。そこをぜひ目指したいなと思っています。
17:57ジャパニーズウイスキーの評価がまた新しいブレンデッドウイスキーが登場することでさらに高まってくれたらなと本当に心から思いますね。
18:10ウイスキー冬の時代からその可能性を信じ、夢を実現してきた2人にとって、ジャパニーズウイスキーの来るべき未来とは。
18:16昨今ではものすごい勢いで新興醤油酒が増えていると。
18:25当然数が増えれば玉石混合になるのは仕方ないとしても、美味しいものを作ってみんなを喜ばせていきたいんだと。
18:36そんな思いでウイスキー作りに取り組んでいけば、日本全体が良くなっていくんじゃないかなと。
18:49日本の作られるウイスキーというかものづくりが世界から信頼され尊敬されるようなものでなきゃいけないと。それはやっぱり絶対品質であるはずだというふうに思います。
19:17今、いろんなところがいろんなチャレンジもされているし、それがうまく回転していってと。全体としてジャパニーズウイスキーの評価を高めてくれるということを心から願っています。確かにマクスさんも玉石混合って言われたけど、ウイスキーを単なるビジネスチャンスとして見ているような作り手だとどうなのかなと、その辺がという気がしてしょうがない。
19:40本当に自分はこういうウイスキーを作りたいんだという理想のものを目指して頑張る作り手ばっかりだったらいいなというのがやっぱりおいしいウイスキーそれに本当に憧れてこの作り手になっていいものを作っていこうっていう。
19:51なんかそういう思いがあれば、常にいろんなことに注意を払っておいしいものを作っていこうと、そういう風になれるんじゃないかなと。
19:58少なくとも私どもはそういう作りをしていきたいなと思っています。
20:14これまで強いこだわりと強い信念を持ってウイスキーを作り続けてきたアクトイチロウイスキーの神様は北の大地で静かに見守っていることだろう。
20:19美味しさだけでは表現できない魅惑の酒。
20:36次回もあなたはウイスキーの新たな世界を発見する。次回は本格稼働が始まったトマコマイ蒸留所に密着。作り手たちの熱い思いを聞く。
20:43次回は本格稼働に向けて発見を聞く。
20:49Transcription by CastingWords
Comments