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  • 2 days ago

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00:00画家 絹谷浩二さん
00:30フレスコ画の技法を用いた独自の画風で知られます鮮やかな色彩で富士山や太陽などをエネルギッシュに描きました長野オリンピックの公式ポスターの原画も手がけています
00:53色っていうのはこうなんていうんですかねこう人をこう奮い立たせてくれるっていうか元気づけてくれるっていうか何かその太陽から花やなんかが光を浴びてこう色彩を持つようにですね
01:11色彩があふれるっていうことはですねすごくこう体が元気であるっていうかなんかそんな様子があると思うんですね
01:21絹谷さんは昭和18年奈良県生まれ聖火は文化人が集うことで知られる寮邸でした絹谷さんが幼い頃両親が離婚姉夫婦に育てられます
01:43母や父がもう家から出て行っちゃいましてその家の中にこう取り残されたといいますかその絵が描けるところがあればどこでもいいと
01:532階の上の方からこう個人の塔を見て描いておりまして
01:59これは絹谷さんが小学校6年生の時にお描きになった南大門の絵なんですね
02:07雨上がりのにおいとかですねそれからじーっとその被写体を見てますねもう美しいとはどんなものかっていうものがねずっとこう心の中にこうインプットされていく
02:19東京芸術大学で油絵を学んだ絹谷さん
02:25やがてヨーロッパの壁画に用いられる技法フレスコ画に興味を持ちます
02:33フレスコ画は砂と石灰を混ぜた漆喰を薄く壁に塗りその漆喰が乾くまでの短い間に顔料を染み込ませて描きます
02:45はるか昔洞窟に描かれた壁画のように時代を越えて伝わることに魅力を感じたのです
02:54本当にその古代の人間の初心に連なるその心を感じながら
03:01新しいものそういったものを想像していかなきゃいけないなという思いが私をフレスコ画に進ませたその原因なんですね
03:12本場で技術を習得したいと28歳の時イタリア・ベネチアの美術学校へ留学
03:21ルネサンス時代の壁画を模写するなどして学んでいきました
03:27まだ我が国では知られてなかったフレスコが壁に描く絵あるいは壁に対峙する壁という概念そういうものをこの街は教えてくれました
03:42ベネチアの強烈な太陽や鮮やかな色彩
03:49絹谷さんが描く絵は変化していきます
03:54学生時代はねほとんど色がなかったんですよほとんど無彩色の
04:00その後イタリアへ行きましたからね
04:04なんかもっと色が使えるぞっていう目の中に色彩を入れてやりたいっていうかね
04:11それが目の後ろ側にある柔らかな感性にすごく栄養を与えるんだなっていう感じしましたですね
04:21留学して2年転機が訪れます
04:28ふるさと奈良で高松塚古墳から極彩色の壁画いわゆる飛鳥美人が発見されたのです
04:39調査に協力するため帰国した絹谷さんは
04:43およそ1300年前に描かれた壁画の美しさに目を奪われました
04:49壁画の肌がきれいでそれで大変精緻で
04:54当時の人々の様子がもう彷彿されるようなコスチュームの
05:00もう心が震えるっていうか
05:02しかもそれが故郷の道筋
05:05古い時間の彼方にですね
05:08僕と同じように壁画を描いている人がいた
05:12感激しましたね
05:15昭和49年
05:19若手洋画家の登竜門として知られていた
05:22安井賞を受賞
05:24それまでの最年少31歳でした
05:29その後、全国各地でフレスコ画の技法を使った壁画を手掛けていきます
05:39東京芸術劇場では天井にも
05:47東京の太陽って言いますか、なんか太陽に生かされているっていうか
05:54このエネルギーにですね、励まされたって言いますか
05:58負けないで仕事をしましたっていう感じですね
06:02その時にね、僕の心の悲しいとか苦しいとか楽しいとか
06:10そういうのもね、一緒に絵に描いていくんですよ
06:12それで石に絵が染まってですね
06:14ずっとその何千年もタイムマシンのように試行していくと
06:20さらに作品を制作する傍ら
06:26東京や大阪の芸術大学などで学生たちを指導
06:31若手の画家を支援しようと
06:36絵を描くということは
06:43うまい下手じゃないよと
06:45やはり心をどれだけ
06:51心の働きを強く持って
06:56それを鏡のように絵に映し出せるかということなんですよと
07:00だから鍛えなきゃいけないのは
07:01そのテクニック以上に
07:04人間の佇まいといいますか
07:07心といいますか
07:08そういうものを想像していかなきゃいけない
07:13フレスコ画にとどまらず
07:17さまざまな技法を研究し
07:19追求した絹谷さん
07:21その作品には
07:25生まれ育った奈良の文化が
07:28色濃く影響しています
07:2968歳から挑んだのは
07:35原存する日本最古の歴史書
07:38古事記の世界です
07:40古事記というと
07:45日本的なものとか
07:49というふうに思われがちなんですけど
07:51それを超える
07:53もっと人間として
07:55普遍的なもの
07:56共通のもの
07:59生物として
08:02人間だけじゃなくて
08:04そういう世界なんですね
08:07これからは
08:09この世界を大事にしなきゃいけない
08:11右腕が激痛で動かせなくなりながらも20点もの作品を作り上げました
08:19これは荒々しい自然と戦う中でも
08:27前を見据える英雄
08:29ヤマトタケルの姿です
08:31水は怖い
08:34火は怖い
08:35風は私たちの理由を壊したりも
08:38そういうものを私たちの未来のために変えて
08:42エネルギーの源として
08:45ヤマトタケルが立ち向かったような
08:47巨人な心を持って
08:49これから進んでいきたい
08:52と思う私の気持ちを映し取ったと
08:55令和3年に文化勲章を受賞した
09:02絹谷浩二さん
09:04人間の精神の奥深い世界を
09:08豊かな色彩で描き続けた
09:1082年の生涯でした
09:13人間の命も形のあるものも
09:18壊れていくんだなと
09:20形のない
09:22例えば愛だとかイメージだとか
09:24あるいは真珠とかですね
09:26絵に描いてある内容とか
09:30そういうものは壊れないんだと
09:33ですから切なる思いとか
09:36いろんな思いの竹を
09:39自分の中で成長させていきながら
09:43それを思えば
09:45それが絵になっていく
09:47さての宇宙に
09:49自分の中で成長させていきながら
09:50それを思う
09:51それを思う
09:52それを思う
09:53それを思う
09:54それが最終的に
09:55さての人たちの
09:56思い出になっていく
09:58それが最終的に
09:59それは
10:01私は
10:03それを思う
10:04それが最終的に
10:05それが最終的に
10:06それは
10:07私を思う
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