弥生時代のすずり 糸島で発見
2016年03月01日 18時48分
糸島市にある遺跡から弥生時代後期のものとみられる「すずり」の一部が見つかり、市の教育委員会などは「魏志倭人伝」に記述がある当時の中国と日本の交流や日本における
文字文化のはじまりを示す可能性のある貴重な資料だとしています。
すずりが見つかったのは、糸島市にある「三雲・井原遺跡」です。
糸島市教育委員会などによりますと、すずりは長さ6センチ、幅4.3センチ、厚さ6ミリで専門家によって中国・漢の時代に多く普及していた「長方形板石硯」の一部と鑑定されました。
弥生時代後期、1世紀から2世紀ごろのものとみられ、中国が当時、朝鮮半島においていた「楽浪郡」から伝わった可能性もあるということです。
中国と日本の交流を記した3世紀の書物「魏志倭人伝」には楽浪郡からの使者が今の糸島市周辺にあったとされる「伊都国」に滞在し中国と文書のやり取りを行っていたという
記述が残されています。
市の教育委員会では発見されたすずりは、楽浪郡の使者による文書の交流や日本における文字文化のはじまりを示す可能性のある貴重な資料だとしています。
古代のすずりは、平成10年に島根県松江市の「田和山遺跡」から、弥生時代中期のものとみられるすずりのかけらが見つかっていますが、今回の出土はこれに次いで2例目です。
鑑定にあたった九州大学の西谷正名誉教授は「『すずり』の発見は外交の拠点としての伊都国を示す材料でもある。この遺跡で文字そのものはまだ出ていないが、土器や小さな
破片に字が書かれているかもしれないので詳しく調査していきたい」と話しています。