東電女性社員殺害再審 検察が無罪主張し結審

  • 12 年前
マイナリさん 再審裁判の無罪確定待ち望む(NHKニュース)
10月29日 5時5分

平成9年に東京電力の女性社員が殺害された事件で、再審=やり直しの裁判が行われることになったネパール人男性の兄がNHKのインタビューに応じ、男性が無罪の確定を待ち望んでいる様子を語りました。

平成9年に東京電力の39歳の女性社員が殺害された事件で、東京高等裁判所は無期懲役が確定していたネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリさん(46)の再審を認める決定を出し、29日やり直しの裁判が行われることになっています。
これを前に、マイナリさんの兄のインドラさんがネパールでNHKのインタビューに応じました。
この中でインドラさんは、ことし6月18年ぶりに帰国したマイナリさんの様子について、「数週間はネパールになじむことができなかったが、今はすっかり溶け込んでいる」と述べました。
インドラさんによりますと、マイナリさんは日本にいる間に亡くなった父親のジャヤさんを弔う儀式を行ったほか、ヒンズー教の祭りに合わせて開かれた親戚が集まる食事会に参加し、「これからは母に精一杯の孝行をしたい」と話していたということです。
検察がマイナリさんの無罪を求める意見書を裁判所に提出していることから、裁判では無罪が確定する見通しです。
インドラさんは「弟は検察官が無罪へと主張を変えたことを喜んでいた」と述べ、マイナリさんが無罪の確定を待ち望んでいる様子を語りました。

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東電女性社員殺害再審 検察が無罪主張し結審(TV朝日)

 東電女性社員殺害事件で再審(やり直しの裁判)が、東京高裁で開かれました。無期懲役が確定していたゴビンダ・マイナリさんについて、検察側が無罪を主張し、すべての審理を終えました。

 検察は、無罪主張の理由について「証拠が変わったため」としました。そして、新たなDNA鑑定結果を挙げ、「第三者が犯人の可能性を否定できない」と説明しました。一方、弁護側は「もっと早く無実を明らかにできた」と検察を批判しました。帰国しているマイナリさんは出廷しませんでしたが、検察からマイナリさんへの謝罪はありませんでした。しかし、DNA鑑定が行われた証拠物が早い段階で開示されていれば、有罪判決が変わっていたという指摘もあります。再審請求審の元裁判長も、検察側の対応を批判しています。
 門野博元東京高裁裁判長:「このような(被告に有利な)証拠を明らかにしなかったことには、非常に不信感を感じた」
 マイナリさんは「大切な時間を失った。判決で裁判の誤りを認めて欲しい」とのコメントを発表しました。判決は来月7日に言い渡され、無罪は確実です。検察側は検証を行わない方針ですが、捜査や証拠開示のあり方が厳しく問われます。

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