民主党、消えた「スローガン」

  • 12 年前
民主党、消えた「スローガン」

 5日行われた民主党・輿石幹事長の定例会見と1週間前に行われた会見。同じ場所ですが、背景が変わっています。「国民の生活が第一。」という民主党のスローガンが消えています。このスローガンは小沢元代表が訴えていたもので、新党の名前になるとも取りざたされています。いわば党のスローガンを持ち去られた形です。民主党内にも反対勢力を抱え込んで苦難の国会運営が続きそうです。

 「小沢元代表グループの皆さんが党を離れるという残念な事態になりましたけど」(民主党 輿石 東 幹事長)

 5日、民主党に異変がありました。輿石幹事長の定例会見の背景に必ずあった「国民の生活が第一。」という党のスローガンが消えたのです。除名処分となった小沢元代表が立ち上げた新会派の「宣伝になりかねない」からだということです。

 しかし、小沢グループが去っても党内には火種が残っています。4日に国会内で開かれた勉強会。参加者はおよそ30人。消費税増税法案の採決で造反したものの、民主党内に留まった議員が中心です。このうち、鳩山元総理は党員資格停止6か月の処分が決まり、公認がないまま、次の衆議院選挙を戦う可能性が出てきています。

 「自信を持っていこうじゃありませんか。自分たちの行動は決して間違ってなかった」(民主党 鳩山由紀夫 元首相)

 今、民主党内では、このグループの動きに注目が集まっています。

 「我々(造反したが離党しない)が不信任案に賛成すれば、不信任案は必ず通ると、それだけの数がいると」(民主党 小沢鋭仁 元環境相、4日)

 衆議院では、民主党からあと12人離れると、単独過半数は維持できなくなります。また、参議院では、あと7人が離れると、民主党は第一会派から転落します。鳩山氏らの動き次第では国会の運営が危うくなるのです。それを意識したのか、輿石幹事長は5日の会見で・・・

 「公認にならないことは、ありえないと思います。(党員資格停止は)いつでも解除できる」(民主党 輿石 東 幹事長)

 鳩山氏や「離党予備軍」といわれる議員らに配慮したものとみられます。

 6日から再開する国会、民主党・執行部の難しい舵取りは続きます。(05日17:26)