会社内に不正があると、内部通報の窓口に伝えたために不当な異動をさせられたとオリンパスの社員が訴えた裁判で、会社側の責任を認めて異動の取り消しと賠償を命じた判決が、最高裁判所で確定しました。
大手精密機器メーカー、オリンパスの社員、濱田正晴さん(51)は、会社内に不正があると社内の通報窓口である「コンプライアンス室」に伝えた結果、意に沿わない部署への異動を命じられたと、会社側を訴えていました。
1審は訴えを退けましたが、2審は「内部通報に上司が反感を抱き、通報者の保護を定めた社内規定に反して不当に配置転換させた」と会社側の責任を認め、異動の取り消しと220万円の賠償を命じました。
会社側は上告しましたが、最高裁判所第1小法廷の白木勇裁判長は、29日までに退ける決定をして、濱田さんの勝訴が確定しました。
内部通報を巡っては6年前に「公益通報者保護法」が施行され、通報した人を解雇したり降格したりするなど、不利益に取り扱うことは禁じられています。
内部通報者を保護する制度を設ける企業も増えていますが、判決が確定したことで、企業側は制度の厳格な運用を求められることになりそうです。
訴えを起こしたオリンパスの社員の濱田正晴さんは、29日夜、会見を開き、「大変ありがたい。長い間闘ってきてよかったと感じている」と述べました。
濱田さんは内部通報をして以来、3回異動させられ、達成できないような課題を与えられたり、新入社員向けのテキストでの学習をさせられたりしてきました。
2審の判決はこうした扱いを「不合理で浜田さんに屈辱感と精神的な負担を与えた」と指摘しています。
濱田さんは会見で、「何年かかっても頑張るという信念のもとに自分を奮い立たせて、毎日、会社に行ってきた。会社は今回の件について社員に事実を説明してほしい」と話しました。
オリンパスは、「会社の主張が受け入れられず残念です。今後の対応については今回の決定を厳粛に受け止めて検討します」というコメントを出しました。 (6月29日 20時37分)
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