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  • 2 か月前
2011.10.15

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テレビ
トランスクリプション
00:09今回の先輩はこの人
00:23小説家の西村健太さんです
00:31朝からお疲れ気味のようですが
00:36実は芥川賞を受賞したすごい人なのです
00:42注目を集めたのはその型破りな作風です
00:47華やかなことは書けないです
00:50自分のみっともないこととか屈辱的なこととか
00:54考えただけでも腹立つようなことじゃないと
00:57やっぱり書いても意味がないと思いますし
01:02そんな西村さんの授業とは
01:06自分の欠点や悩みをさらけ出す
01:09詩小説を書くこと
01:22隠しておきたい
01:23目を背向けたいダメな自分
01:26それを小説の題材にするなんて
01:32とんでもない難題に挑むことになりました
01:52東京都江戸川区にある
01:55二之江第二小学校
02:00西村さんは33年ぶりに母校にやってきました
02:11緊張気味の西村さん
02:13普段は全く子どもと接する機会がないんだそうです
02:23どうも皆さん初めましてこんにちは
02:25こんにちは
02:27僕は西村健太と申します
02:29小指を書きます
02:31よいしょ
02:41さて授業開始です
02:46ちょっと僕の悩みを皆さんに一つ聞いてもらいたいんですが
02:52いきなり悩み相談ですか
02:55大体この体験で分かると思うんですが
02:57僕は非常にお酒が好きで
03:00実は昨日もお酒を飲みすぎてしまいまして
03:05お酒を飲んだ後で寝てしまうと
03:07次の日起きられなくなってしまうので
03:11酒を見てジュースにするわ
03:12ジュースにするわ
03:13そうそうその手もある
03:15あるんだけどジュースには酔っ払わないでしょ
03:17結局意思が弱いからやめられないところがあるんですよ
03:23子どもたちに向かって
03:24ダメな自分を包み隠さず語り始めた西村さん
03:31これこそ小説家西村健太のスタイルなのです
03:38自らのカッコ悪いところも
03:40醜い部分もセキララに綴っていく
03:48自分の内面をさらけ出す
03:50詩小説です
03:54芥川賞を受賞した
03:55久役列車
03:59主人公のカンタは
04:01西村さん自身がモデルです
04:06気が短くて軽はずみ
04:09友人も恋人もなく日々
04:11焼け酒を煽る情けない自分を描ききりました
04:20そんな詩小説を子どもたちにも書いてもらおうと
04:23西村さんは考えています
04:26そこで
04:29先生というのは皆さん偉いと思いますか
04:31偉いと思う人手を挙げてください
04:35自分が尊敬できる方というイメージ
04:46学校の先生でもやっぱりダメなところがあると思うんですよ
04:49それを今日はみんなで聞いて
04:53研究というのか勉強してみたいなという
04:56先生の話ちょっと聞いてみようよ
05:06先生は偉くて尊敬できる人
05:09小学校ではそれが常識なんですが
05:15せーの
05:16先生はダメなところを教えてください
05:23ダメなところですか
05:29いっぱいあるんだけど
05:30いっぱい
05:31もういっぱいあるんだけど
05:35先生たまに自然に寝ちゃうん
05:38会議中に
05:40早速会議中に知らんまいったな
05:44校長先生は言わないといけないけど
05:46先生言わないといてあげるよ
05:50この揚げ物が大好きなの
05:52でもこの体でしょ
05:54だから最近はそういうね
05:55油物を控えなさいって
05:56お医者さんから言われてるわけよ
05:58でもやっぱし食べちゃう
06:03掃除とかああいうのがね
06:04ほんとね
06:06いや
06:06やりたくないって感じかな
06:08でも内装だから
06:12他の学園で言わない
06:15皆さんお疲れ様でした
06:17最初に聞きたいのは
06:19皆さんが聞いて
06:21それに対してちょっと感想を
06:23全然思っても見なかったことが
06:26こう言ってくれたので
06:28よかったり
06:30先生でも本当にダメなところがあるんだな
06:33ってことが分かりました
06:34ああ
06:35そうか
06:37そうそう
06:38先生みたいに立派な大人でも
06:40ダメなところがあるんです
06:42それを実感したところで
06:44次なる課題は?
06:47今度はみんなの番ということで
06:49みんなのダメなところを
06:50これはもうみんなもちょっと勇気を持って
06:53もうなんていうのかな
06:54さらけ出すつもりで
06:56まあ小説家になったつもりで
06:58もう自分のダメなところ
06:59いくつでもいいです
07:01何十個あってもいいので
07:03もうとにかく書けるだけ
07:05書いてみてください
07:08今度は自分のこと
07:17分かってはいるけど
07:18なかなか言葉にできません
07:25西村さんが徹底して
07:27自分をさらけ出すことにこだわる理由
07:29それは
07:30ある詩小説と出会って
07:32救われた経験があるからだといいます
07:40中学を卒業後
07:42家を飛び出した西村さん
07:44決まった仕事に就かず
07:46家賃を滞納しては
07:47アパートを追い出され
07:49時には暴力沙汰を起こすなど
07:52すさんだ毎日を送っていました
07:58そんな時に出会ったのが
08:00大正時代の作家
08:02藤沢製造の詩小説でした
08:12描かれていたのは
08:13地堕落で
08:15救いようのない男
08:19西村さんはそこに
08:20人間の真実があると感じました
08:29そして
08:30自らもペンを取ったのです
08:35ダメじゃないことを描こうと思っても
08:38やっぱり描けないんですよ
08:40僕の場合はそういう
08:42なるべくならそういう
08:45頭の中で考えたような
08:46ストーリーとか
08:48都合よく主人公を動かしているような
08:50空想の産物よりは
08:52やはり作者の本心本音
08:55生活スタイルがそのまま投影されている
08:57小説の世界というのに魅力を感じます
09:01読むことでも書くことでも救われる
09:05詩小説にはそんな力があるといいます
09:10自分がダメだということを
09:13先に先手を打っていれば
09:18いろいろと楽になる部分というのはありますからね
09:22あんまりそこを隠して
09:26湯渡りしようとしても
09:28どこかで必ずボロが出るし
09:30それだったらば初めから
09:32そういうのを隠さずに
09:34オープンにしていくことによって
09:37広がる可能性というのもありますからね
09:39人生の選択肢の中でも
09:43伝えたいのは
09:44自分をさらけ出すことの大切さ
09:48明らかに
09:59諦めるのが早いとこ
10:01そうなんだ
10:05スタミナがない
10:09いいな
10:09すごいわ
10:12はい、みんなありがとうございました
10:14いっぱい書いてくれて
10:17なんでこんなことを皆さんに
10:19みんなだってこんなことを書きたくないし
10:21先生にも聞きたくないと思うんですけども
10:24なんでこういうことを書かせたかというと
10:27皆さんにも
10:30小説というのをちょっと一回書いてみてもらいたいなと思いま
10:33して
10:35まずその題材として
10:37自分のダメなところというのを
10:38今ちょっと書き出してもらったんです
10:41つまりその今こう書き出してもらったことの中で
10:44どれか一つでもいいです
10:46どれか一つ自分の
10:48これなら小説の題材になるなということを
10:51ちょっと書いてもらいたいんですよね
11:00次回は小説ということで
11:03どの題材を選ぶか
11:04考えてきてください
11:10できるかすごい心配
11:13自分のダメなことを言うから
11:19周りに知られちゃうと
11:21言われそう
11:24なんか
11:25みんなになんて
11:27苦手なところとかが知られちゃうから
11:30ずっとやだなと
11:36これ発表するんですか?
11:40発表…
11:52今日はいよいよ
11:53みんなが詩小説を書く日です
11:58子供たちは思い思いの場所に散らばって
12:01原稿用紙に向かい始めました
12:16あさりさんです
12:21すいませんちょっと質問したいんですが
12:23どうぞどうぞ
12:24自分のダメなところを書くときって
12:30どんな感じで書いてるんですか?
12:34ちょっと難しい
12:34やっぱりテレとかね
12:37そういうのも出ると思うけども
12:40小説だと思って書けば
12:42全然…
12:46実は元にしながらも
12:48あくまでも小説作り話だと思って書けば
12:51全然そういう抵抗が…
12:53僕はないんだけどね
12:54ちょっと見ていい?
12:56はい
13:02あさりさんのテーマは友達付き合いのこと
13:11でもストーリーときには何だろう
13:14非常にテンポもいいし
13:18ちょっとこの辺だけ直してて
13:20さっきのそしたらとかね
13:22はい
13:24あさりさんはアリサと名前を変え
13:27一人になるのが怖いと書き始めました
13:35ここからどこまで自分の内面に向き合えるのでしょうか
13:50カホさんも悩んでいました
13:55なんで自分のダメなところをたくさん書けるんですか?
13:58なるべく自分をみっともない存在として
14:02書き出すことによって
14:05共感も生まれるしね
14:07それによって救われたような気分になる読者の人もいるし
14:11そういうヒントはありますか?
14:16うーん…
14:18まあ…
14:19恥ずかしがらないことしかないけどね
14:22でもほら…
14:25孤独な毎日送っていたって書いてるんだから
14:27もう…なんだろう…
14:30孤独になってもいいじゃない?
14:32という気持ちで…
14:34やれば…
14:38以前、カホさんは教室で孤独を感じたことがありました
14:56その時の苦しい心情を綴る言葉を
15:00懸命に探していました
15:12初めて小説を書く
15:20初めて自分の内面をありのままに書く
15:36一体、どんな作品が生まれるのでしょうか?
15:531ヶ月後、いよいよ最後の授業です
16:00おぉ!おぉ!
16:03ねぇ!
16:04あ、かっこいいじゃん
16:05あ、ちゃんとなってるね
16:08よしよし
16:10よし
16:14西村さん、なんとみんなの原稿を文庫本にしていました
16:24タイトルは、青木愚者の記録
16:30その愚者というのは、愚かなものという字を書くんですけども
16:35ただ、その言葉通りの愚か者という意味ではなく
16:39自分と真剣に向き合う、そういう愚直な姿勢のことを
16:44愚者と例えた話であります
16:47じゃあ、これを皆さん、一人ずつ前に来て朗読してください
17:00新しい自分
17:03有沙は一人になるのが怖い
17:05だって一人だとつまらないし、ガールズトークもできない
17:08からだ
17:09でもよくアサリンは一人になる
17:10有沙は一人になる
17:12仲が良かった友達に裏切られるのだ
17:15いつもこれで一人ぼっちになる
17:17有沙はなぜいつも一人になるのだろうと考えた
17:21でも思い返しても思い返しても友達には嫌なことはしてない
17:25と思う
17:26A子ちゃんに有沙のことどう思っている?ってメールで聞いてくれ
17:30と頼んだ
17:31その5分後はメールが返ってきた
17:33嫌いと返ってきたのだ
17:35そのメールを見て有沙はとてもショックを受けた
17:38前までは仲が良かったのに、なんでいつもこうなるんだ
17:42有沙は大粒の涙がこぶれ落ちた
17:45そんな有沙はこの問題があってから自分のダメなことに気づ
17:49いた
17:491つ目は友達と仲良くなってしまうとすぐに悪口
17:53を言ってしまうところ
17:542つ目は自分からいつもヒカキのヒロインになってしま
17:58うことだ
17:58はい、ありがとう
18:03あさりさん、どうだった?
18:06恥ずかしかったけど、自分の作文を読めて良かったです
18:12次、カホちゃんお願いします
18:22孤独な毎日
18:25カナは学校で独りぼっちだった
18:27彼女は小学6年生のごく普通の女の子である
18:31だが性格は頑固で気が強く怒りっぽく
18:34人の良いところじゃなく、悪いところを探す癖があるので
18:37みんなから嫌われ、カナは孤独な毎日を送っていた
18:41しかし、前は人気者で友達もたくさんいた
18:44なぜこんな風に嫌われてしまったか
18:46それはこんな出来事があったからだった
18:49カナは授業中に絵を描くのは日常で
18:52クラスの子の絵を描くのが好きだった
18:55でも、いたずら好きの子だったので
18:57絵の隣にその子の嫌いのところを描いたり
18:59絵にヒゲを描いたりして楽しんでいた
19:02次の日、クラスのある子が怒った顔でこっちに近づいて
19:05きた
19:05私は、なんでそんな顔しているの?と聞いてみると
19:08このノートどういうこと?と悪口を書いたノートを突き出してきた
19:12カナは、絵が上手いということをクラスのみんなは知っていた
19:15ので
19:15隠そうとしても無駄だった
19:17カナは言葉をなくした
19:19すると、ごめんなさいじゃ済まないからねと言われ
19:21それ以外、クラス中にそのことが広まってしまった
19:24カナはそのことを気にしてはいない
19:26どんなに悪口を呼びても、どんなにいたずらをしされて
19:29も
19:29前向きに生きていこうということをカナは思った
19:33ありがとう
19:41それぞれが自分と向き合った西村さんの授業
19:48今までは別に自分のこととか
19:51逆に人のことを気にしちゃうんですけど
19:55これを書いて、自分のことも考えようかなと思いました
20:02いつも面白かったし、楽しかったです
20:10なんか満足感の
20:11友達に自分のダメなところを人の前で発表できて
20:20自分のことが少し分かってくれたかなと
20:24なんか、友達関係の子とかを話している子で
20:29自分のことかもって当てはまる子がいたから
20:32なんかもっと優しくしようかなとか
20:35友達思いになろうと
20:37だからもっと友達に優しくなれる
20:43本当にありがとうございます
20:45最後に皆さんに
20:47送る言葉じゃないですけども
20:49僕はもうちょっと後書きというのを書いてきましたので
20:53これをちょっと読ませていただきたいと思います
20:56ここに6年1組の皆さんの作品集が出来上がりました
21:01各編、一様に水準が高く
21:04編者たる僕は実のところ大いに驚いております
21:08今回皆さんは自分のダメな部分を
21:11臆すことなく堂々と申告しました
21:15人間、ダメなところなんていくつあってもいい
21:18今すぐ直そうと思う必要もありません
21:21むしろそれを覆い隠しながらの人生は厄介なもの
21:24です
21:26僕はずっと隠しで生きてきました
21:31今は小説中でそれらのこともさらけ出していますが
21:34もっと早くにかような過去を振り切っていればよかったと
21:38後悔しています
21:40しかし僕などと違って
21:41皆さんはこれからあらゆる可能性を発揮できる人たちです
21:45ダメな部分も抱えた生身の性を堂々と突き進んで
21:49いってください
21:51いろいろと教えられました
21:53本当にありがとうございます
22:23ありがとうございます
22:24ご視聴ありがとうございました

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