00:01I'm not a guy.
00:03I'm a guy.
00:04You don't have a guy.
00:05It's not an idea.
00:06I can't be a guy.
00:10You're not a guy.
00:10You're not a guy.
00:11You're not a guy.
00:15I'm not a guy.
00:17I'm not a guy.
00:22I want a story.
00:23I want a story.
00:24I want to tell you.
00:25I want a friend.
00:55I'll see you next time.
00:57I miss you. I hate you. I love you. I miss you.
01:05I miss you. I hate you. I love you. I miss you.
01:07I miss you. I hate you. I love you. I miss you.あなたが大嫌いごまかさないでと言ったら
01:21とぼけたように笑ってよあの日の続きをしようよ
01:38私が出す謎かけに答えられたら君の探しているマルゴーを私が提供しよう。
01:41こいつ一体何をたくらんでやがる?
01:43どうした?
01:44謎かけって?
01:49まずは飲み比べてくれ。
01:50うーん
01:59喉が渇く。
02:02救いようのない虚しい渇き。
02:09誰か水を。これを誘っているのか?
02:15死を連想させるこの匂いは一体。
02:22火継ぎこれは?
02:29どうだねしずくくんそのワインは?
02:34あっ女王の死だ。
02:37かつては王国に君臨する女王だったんだろう。
02:41しかし今を荒れはちた暴国のミイラだ。
02:43なるほど。
02:46おい、これは本当にビッグヴィンテージなのか?
02:50もう一つ78年を飲んでみたまえ。
02:58まさしく女王のワインだ。
03:01熟成して花開いた優雅さにあふれている。
03:03まさにエレガンス。
03:09私が君に問いたいのはその二つの違いが何かだよ。
03:10えっ?
03:13答えてみたまえ君の結論を。
03:16知識ではなく感性でね。
03:19女王の魅力を引き立てていたものは何だ?
03:23どうした?
03:27答える気がないならこれで終わりにしよう。
03:28私も暇ではないのでね。
03:30人だ。
03:39天と地に恵まれたにもかかわらず、力のないワインを生み出した原因があるとすれば、天地人の残る一つ。
03:42神、すなわち人による影響しかない。
03:50美と知性にあふれる女王も、崇める人がいなければ、女王足りえない。
03:5570年のマルゴーは、人の知恵と力に欠けたワインだ。
03:57その通り。
04:05その頃のマルゴーは、経営者が必要な設備投資もろくにしないまま、明星にかまけたワイン作りを続けていたんだ。
04:10結果、一級シャトーとは言えない失敗策を多く生み出してしまった。
04:11それがこの一本なのか。
04:15そう。70年のマルゴーだ。
04:20でも、78年は、02年のマルゴーと似たニュアンスがあったぞ。
04:2977年にシャトーの経営者が変わり、たった1年で見事に復活させたのが、この78年のマルゴーだ。
04:301年?
04:40もっとも、その後のマルゴーの栄光は、天才的なセンスを持つ醸造責任者、ポール・ポンタリエ氏の力によるところが大きいが。
04:41なるほど。
04:45天の恵みと豊かな大地を生かす人の力か。
04:50では、約束どおり、君の望むマルゴーの盆作を提供するとしよう。
04:52えっ?マジでくれるの?
04:57この遠峰一世、誓いに背くような卑怯なことはしない。
05:01ただし、その前にもう一つ聞きたいことがある。
05:05君はこの2本を前にして、まず何を思った?
05:11何も。ただ飲みたいと思った。
05:12何?
05:41俺はワインを前にするといつもそうだ砂漠を歩いている旅人みたいに乾いて乾いてしょうがない気持ちになるセラーからワインを出してくる彼には感謝しなくてはいけないな私の弱点をわざわざ教えに来てくれたのだからなるほどマルゴー75年確かに説得力に欠けるなええマルゴーに
05:47マルゴーにしては物足りない。だけどビッグヴィンテージだからかそれなりに美味しく飲めます。
05:49確かに。
05:53乾崎、お前トーミネにはめられたんじゃ。
06:03これは挑戦ですよ。同じ年でこれを上回る格下のワインが存在することを知っててそれを探し当ててみろと奴は言ってるんだ。
06:26そんなことできるのかな無数にあるワインの中から勝てるものを探すなんてなあに簡単なことさ少なくとも十二使徒と神の雫を探し出すよりはねああねえねえここはあらゆるワインを飲み尽くしてる人に相談してみようよえっそれってまさか?
06:56断るはっ何だこのおっさん顔見えてすごい人なんですお前に知恵を貸してやったのは一世相手にド素人では勝負にならず面白くもないからだあっなっお前は一世の油断に乗じてまんまと一回戦をものにしよったそんな俺が卑怯なことして勝ったみたいにこの程度の試練でわしを頼るようではこの先惨敗するのは確実じゃ!
07:14でもさっさと消え失せろ終わったよもう頼まねしずくさんあのロベルさんに相談しようと言ったのは私なんですだったらわしが言ってることもわかるじゃろでも私たちの経済力じゃ試飲できるワインも限られてす
07:40うんうんおいお前らなんだよじじゅちょいと用事を頼まれてくれおりこの手紙を日本ワインスクールに持って行けちょっと俺らそんな暇お前には今までいろいろ知恵を貸してやったろその借りを返せと言っておるし
08:07しずくさんとりあえず行きましょうやれやれここ有名なワインスクールだよお手紙拝見しました早速ですがこちらへどうぞ教えてやんねえとか言いながらコネで飲ませてくれるんだなあはははあっあっあのここは?えぇ洗い場ですいやそうですがここで何をしろと?
08:15洗い場ですから洗い物ですいえ私たちはそのワインを探しには?
08:34手紙にはこう書かれていますよわしのワイン代金の方にこの3人をお預けします一日洗い物でもさせてやってくださいそんなわけですのでよろしくお願いしますおっと授業が始まるだからそうがなくてお願いしまーす
08:52これを全部洗いってかおい帰るぞ本間さんちょっと待ったん?このグラスの番号全部違う上にヴィンテージまで入ってますよああということはかなりの種類を一度にテイスティングしているなすみません今授業でどんなワインを試飲してるんですか?
09:09今日は年に一度のイベントなんですよテーマは70年代から90年代までのボルドーワインですいいヴィンテージのものばかりですが高額なワインはないんですよ何種類飲むんですか?そうですねざっと500種類ほどになります500?こいつはとんでもない市員会だ!グラスを洗いながら残ったワインを味にしまくれ!よっしゃ!
09:36見つけてみせる砂漠の中から一粒のダイヤをさすがに500種類も飲むと出てくるもんだなしかも3人がかりですもんね短時間でいいワインがたくさん見つくる
09:38どうした?まだだただのおいしいワインじゃダメだ味わいだけにとどまらない何かがないと高杉の凝り固まった考えを変えることはできないそうだなじゃあまた気合い入れて探すぞオス!うーんまちろんうーんふぅ結局納得のいく一本は見つからなかったなそうねまだまだ!
10:07今度はワインバーに繰り出すぞ!マジっすか
10:10?大栗?ばあちゃん!昨日は俺が払っただろうが
10:14!いやーみやびちゃんどうする?え?あ、そ、そうね私はちょっと家に帰って資料を漁ってみるよえ
10:25?そうだなそっちの方向から攻めるのもありかじゃあ
10:39はい、篠原ですやあ、篠原さん仕事はもう終わったの
10:40?高杉君!
10:46時間があるなら一緒に食事しないか?うん、分かった迎えに行くよ、今どこ
10:54?大丈夫、自分で行くから篠原さんのそういう所、変わらないね
11:07素敵だね、このお店ここはなかなか予約が取れなくてね君、ワインは
11:12?はい、マルゴーの2000年を用意しておりますうん
11:40テイスティングとかはいいから、すぐに彼女についでかしこまりましたまあ、飲んで君なら知ってると思うけど2000年はなかなか手に入らない貴重なものらしいんだいい香りだうん、なかなか美味しいじゃないかでもちょっとトゲトゲしい感じがするねこれで5万もするんだから、やっぱりブランド価格ってやつかな
11:46はははまだ飲み頃になってないワインを開けてすぐに飲むからよえ
11:58?このマルゴーを最高のテクニックでデキャンタージュして最高のサーブでクラスについで飲むことができたなら5万円も決して高くないと思えるよ篠原さん
12:06?高杉君、昔はブランドなんてあなたがくれた時計、ずっと大切にしてたんだよ
12:11教えて高杉君、一体何があったの?何も
12:23?僕は僕だただ気づいたのさこの世のものは中身や本質ではなくブランドイメージで価値が決まるってことに高杉君…
12:40僕はね、奢りや成金趣味でこんなことを言ってるわけじゃない自分自身の手痛い経験を通してそのことを知ったんだそんなことより食事を楽しもう昔話でもしながら、今夜はそのために来てもらったんだから
12:46高杉君、何だい?手痛い経験って何だったの?
13:05その話はしたくないんだ思い出すと悲しくなるあ、ごめんなさいいや思い出すと悲しくなるようなことか
13:17きっと転校先の名門校で何かあったのよ女だな女絡みに違いない男にとって悲しい思い出ってのは大体その口だ
13:46奴め目にもの見せてくれるわこれは一筋縄じゃいかないなそうね彼の思い込みを壊せる説得力のあるワインでないと深海までもう一日しかないワインスクールで500種類も試して見つからなかったのに心配いりませんや部長ワインというのは不思議な飲み物でね思いながら探し続けると向こうから歩み寄ってくるきっと見つかりますよ
13:47きっとね
14:12結局今夜も見つからずじまいか深海はもう明日だぜそうね珍しく落ち込んでるじゃないか君たちらしくないぞ一応私も覚悟しといた方がいいのかな
14:35あまり高いのはおごれないが悲しみを癒やすおまじないでもそうだこのワイン格下だけど最高のヴィンテージのいくつかはメドック格付け2級から3級に匹敵すると言われてる特にこの75年は素晴らしい出来なんだえっ?えっ?あっ!
15:06彼すごい探してたワインだよねああまさにこれだおまじねが聞いたみたいだないけるぜミヤビちゃんうんこのワインならきっと彼の悲しみも払い抜けてくれるこれがマルゴーとそれに対抗できる隠したワインですか?はい。
15:22ただ対抗できるだけでなく人を感動させるポテンシャルを持ったワインですま飲んで判断いたしましょういずれもビッグヴィンテージですあらかじめ線を抜きすぐに飲める状態にしてあります
15:30楽しみだなマルゴーは一本何万円ですもんね
15:38君ブランド好きだねみんなそうですよそれでは始めましょう一杯目はどうぞ
15:48うーん一杯目はこんなもんですか?うまいけどマルゴーじゃないでしょうこれで何万も取ったら怒りますよ
15:53所詮ワインですからねでは2杯目に
16:00待ってください対抗というからもう少しマシかと思えば一流の足元にも及ばない
16:16えっこれでは話にならないと言っているんですやはり僕の考えは正しかったようだまだ一杯目ですよ結果は日を見るより明らかです無駄な時間を過ごしてしまった皆さん行きましょう篠原さんも来てもらいますよ
16:43ちょちょっと高杉くんん?飲んでこのワインをあなたがどんな悲しい思いをしたのか私には分からないでもこのワインはきっと悲しみを振り払ってくれるって信じてる篠原さんどんなワインを飲もうとも僕の思いは変わらないよ
17:14何だこの天に昇るようなペガサス僕がいる篠原さんどうした高杉何でそんな悲しそうな面してんだらしくないよそうだよ
17:16悲しいことなんか忘れちゃいなよ
17:24みんな何が見えましたか高杉部長
17:43ペガサスの背に乗って僕は思い出を巡る旅に出たそこでは友達の笑顔と温かい手が僕を受け入れてくれたんだペガサスですか素晴らしい表現ですねこんなマルゴーは飲んだことがない
17:57それではブラインドを外しましょう 1杯目はシャトーマルゴー75年2杯目はシャトーシャツスプリン75年メドック格付け5級のサランに隠したブルジョア級のワインです
17:59なマルゴーじゃない ブルジョア級これがええ
18:12そんな高杉部長あなたはそのワインからワイン以上のものを感じたはずだ
18:17これはただの酒じゃなかった もっと深淵で
18:19厳かで 豊かで そしてみずみずしい生き物のような存在だ分かっていただけましたか
18:30ワインは格付けで優劣が決まってしまうようなものではないんです
18:31もちろん 五大シャトーは安定していいものを作り出すけど天地人で作られるワインは何か一つでも欠ければ
18:56マルゴーでも凡作になりうるし逆に格下のシャトーでも感動的な素晴らしいワインが生まれることはあるんだよ私はそれを高杉君に知ってほしかったワインをブランドで判断するなんて間違ってる少し一人にさせてください
18:57えっ 部長 どちらへはい篠原さん
19:16ありがとう篠原さん
19:22僕は間違っていたのかなだとしても
19:23高杉君のせいじゃないと思うよ
19:29僕が転校した学校は名門の子供が通う
19:35小学校から大学までの一貫校だっただから外部から途中編入した生徒を
19:44簡単に受け入れない風潮があってねまして僕みたいな成り上がり者はきっかけは腕時計だったんだ
19:46腕時計?
19:54その学校で付き合うようになった子がいてね僕は宇宙天で彼女の誕生日に
19:55時計をプレゼントしたんだ
20:04使えるお金もあったけど高校生のプレゼントに ブランド物をあげるなんて考えはなかっただから僕なりに彼女に似合うものを選んで送ったんだ
20:11彼女は喜んで受け取ってくれたでもごめん
20:12めぐみ遅いよあれ?
20:15その時計ああ やだ
20:21うっかり付けてきちゃったそれ彼氏からもらった時計じゃんだって
20:24さすがにこんな安物付けて街歩けないでしょ
20:30ああひどいこれまでの自分を根本から
20:36否定されたような気がしたよ自分の彼女だと思っていた子までが
20:44裏では僕を小馬鹿にしていたんだそう思うと怖くて惨めてでも学校に馴染むためには
20:50価値観を変えるしかなかった必死にブランドの名前を覚えて 身につけてあの時の悲しさが
20:53僕を変えてしまったんだ
20:58気づかされたよ 今日はとことんねぇ
21:02サススプリーンの名前の意味知ってる?いや
21:07初めて聞いた名前だしフランスの詩人が
21:13このワインを飲んだ感動からつけたんだってサススプリーンの意味は
21:14悲しみよ さようならもう忘れよ 悲しいことは
21:27そして高杉君の人生を変えるかもしれない ワインとの素晴らしい出会いを楽しんでありがとう
21:29篠原さん
21:36では新規店舗の品揃えと納入まで よろしくお願いいたします
21:38ええお任せください やりましたねああ当然だ高杉部長出口までお送りします
21:52神崎さん 僕はこれからワインを極めようと思いますえっ
22:05なんでそんなことにシャススプリーンを飲んだ瞬間からです僕はあんなに自分の価値観を信じて疑わなかったのにたった一杯でガラッと変わってしまった
22:11そういう一杯と出会えたのは幸運です人生が変わります負けませんよ
22:18神崎さんワインのこともそれにそれに
22:22?いや何でもないまたお会いしましょう
22:36本当にいいんですか?ああ
22:46一つ残らず運び出せデリケートなワインも多い状態が悪くならないよう速やかに倉庫のセラーへ移すんだはい
22:57小林君 明日からのスケジュールだがテイスティングを含む講演会やワインの会食はどれだけある
23:07?は、はいほぼ毎日入っていますが全てキャンセルしてくれえっ受けるなら
23:14講演からテイスティングを外して会食ではワイン以外の飲み物で対応できるよう変更してくれ
23:15し、しかし 今からとなるとかなり支障が出ますが構わない
23:38勝利のためならばえっ敵がわざわざ勝てる方法を教えてくれたのだやらない手はないただのビギナーズラックでこの闘技の一世に勝てると思うなよすでに勝利は私の支柱だ
23:39どうぞどうぞどうぞ
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