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月夜行路 ―答えは名作の中に― 第六話 夏目漱石の暗号解読せよ。文学版ホームズ東京編、開演
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Short filmTranscript
00:06私嘘ついたリョーコの友達になりたい
00:07とっくに友達のつもりだけど
00:10大阪での旅を通して絆を深め
00:14真のバディとなったルナとリョーコ
00:19だがそんな二人に新たな事件の影が
00:22もう友達ではないかな
00:23リョーコはかつての親友と
00:29自分の存在を否定されてどこにも居場所がなかった
00:40そしてルナは角質を抱えた父親と相対することに月夜航路第2幕東京編開演です
00:50うーんまだ悩んでるの?私は素敵だと思うけど
00:55もう少し落ち着いたトーンがいいんだよね
00:59こんにちは
01:00リョーコいらっしゃい
01:01えーなに?
01:04お店のリフォームの図面 今壁の色で意見ばれてる
01:10あー全体のバランスもあるもんね
01:14はいお待たせーマーティーモーン特製まかない飯
01:16あっ田村さん
01:18あっどうも
01:21そっか4月から東京だったね
01:23もう慣れた?
01:24まぁなんとか
01:27警察に派遣研修あるとか知らなかったよね
01:30がっつり食べてパーをつけてね
01:31いただきます
01:36まぁ
01:38よっしゃー
01:41うちも今夜はシチュー4時間にいこった
01:42うわぁ負けた
01:44こっちは3時間18分
01:51アチシーどうした?
01:53トイレの電球切れた
01:55キッチンの棚にストックあるでしょ?
01:58ない
01:58じゃあ買ってきといてよ
02:01何あったかわかんない
02:02うん
02:04ただいま
02:05あっお父さん帰ってきた
02:10うん?
02:14はぁーもうトイレの電球くらいで電話してこないで
02:15なんか微笑ましいっすね
02:18平和でいいな
02:19まぁね
02:20大阪の旅を経て
02:25当たり前の毎日を愛おしく思うようになった
02:26ママのおかげだ
02:28ありがとうママ
02:33いやぁーわかんないなぁ
02:34ございまーす
02:36あっお帰り
02:39ヨシカトイレの電球何本とかわかる?
02:42電球に書いてあるの見ればいいじゃん
02:44あぁー
02:50バイトで疲れてるんだからこだらないことしかないで
02:51なるほどね
02:53お腹すいたー
02:57はぁー
02:58はぁー
03:08いらっしゃいませー
03:09えっ?
03:11神奈都さん?
03:13お久しぶり
03:14いつ東京に?
03:15出張ですか?
03:19いや大阪引き払ってこっち出てきちゃいました
03:21えっ?
03:25人材派遣会社
03:26知り合いとお二人で立ち上げましたね
03:29起業されたんですか?
03:31えっ?
03:34刑事辞めたんだ思い切りましたね
04:02人疑って生きんのが嫌になっちゃってね人生やり直すなら今しかねえかなって転職するとは聞いてたけど企業は想定外でしたねCOOって何だっけチーフオペレーティングオフィサー最高執行責任者何かよく分かんないけどすごいいやいやいやまだ2人しかいないけど一応海外展開も視野に入れてるんでかっこいいすてきです
04:03ステキです
04:06シチュー召し上がります?
04:11あっいやあのねこれからミーティングなんです今日は挨拶に寄っただけなんでまたゆっくり
04:13じゃあ
04:20よさくらクルージング
04:21やだデートの誘い?
04:25北おじさん?ジェームズ
04:27あっレアくん!
04:28えっ誰?
04:30最近ママといい感じの人たち
04:34みんなイケメンでいい男でね
04:37私のすすめはリュウくんなんだけどね
04:40ママの方はどうなの?
04:42うーん皆さん素敵だからな
04:45全員ありよりのあり
04:46えっつまりありってこと?
04:50あっいやいやいやありよりとありは違うでしょ?
04:52うん?あり?あり?
04:53どっち?
04:55いらっしゃいませー
04:56あっママくん!
05:24えっ?
05:54あっ待って!
06:54ママの多分おやじさんのだと思います
07:24茂原先生は
07:25お父さんには言ってないはず
07:27ただでさえ確実があるからね
07:31お母さんにも口止めしてるって
08:01そっか
08:03お母さんにもん
08:04お父さんにもん
08:06I don't know.
08:32That's right.
09:18あれヨシ子まだ着替えてないの学校遅刻するよ今日は逃げんからもう少し寝るあっ夜バイトだからこんばんお暇ですか
09:51あっお待たせお誘いありがとう夜桜見物なんて久しぶりあっえっ田村さんもどうも休みだって言うからついでに誘った暇そうだったし暇じゃねえから編集始まったばっかでまだ現場には出てないってはいはいさあ行きましょ
10:18ああってか何で下木と沢寄りたいところがあるのパソコンのパスワード解析してみようと思ってえっ母の頼みだし彼女にはいろいろと恩もあるからそっかパソコンの持ち主の性格から察するにおそらくパスワードは我輩は猫であるに関係してる
10:39あの背景画像は初版本のものだからまずは初版の復刻版を手に入れようと思って下北の古書店に取り置きしてもらったのへえ分かるといいねパスワード古書店のご主人にも協力してもらえるかも倉田さんって言うんだけど昔謎解きサークルでご一緒したことがあってね謎解きサークル
10:50タイムアップ正解はまたしても飲み屋さんです
11:07お見事文学の知識で謎を解決とは素晴らしい恐れ入りますへえ共通の趣味があるっていいねお会いするのは6年ぶり
11:29おーすげーな太陽の下の桜と違って夜桜は迫力あるねちょっとゾッとするっていうか
11:33桜の木の下には死体が埋まってますからねえ
11:58?いやそういう小説あったなと思ってはぁ刑事さんが言うと妙にリアルで怖いんだけどあれ坂口安吾だっけそう思ってる人が多いんだけど実は梶井本次郎先生あーレモンの人かそう桜の木の下には美しすぎるものに抱く威風の感情を大胆に表現した短編小説へぇ
12:09坂口安吾先生が書いたのは桜の森の満開の下どっちも木の下なんだそれはどういうお話なの?
12:27よくぞ聞いてくれましたこれも同じように桜を恐ろしいと思っている山賊のお話山賊が妻にした美しい女は人間の生首を並べて遊ぶ趣味があった山賊は彼女に命じられるまま人々の首を刈り続けたが
12:41やがてその残酷な処業を続けることに嫌気がさし女をおぶって昔住んでいた山に戻るそれはちょうど桜が満開の時期山賊は恐ろしさを感じつつ桜の木の下を通る
12:55振り返ると美しい妻は醜い鬼になっていて山賊の首を絞めてくる慌てて山賊が鬼の首を絞め返すと鬼はいつの間にか女の姿に戻り生き絶えていった
13:24散り続ける桜の下で山賊が女に触れようとすると女は桜の花びらとなってかき消えてしまうのだった最後は桜の花びらになって消えるなんて怖いけど綺麗だねそう怖いけど美しい桜そのものみたいなお話坂口先生はオールマイティーな作家で純文学はもちろん織田信長みたいな歴史小説も評価が高い
13:52フランス文学の翻訳も手がけているし堕落論のような評論も有名控えめに言って天才へえ勉強になるわねえ私も最近ママのおかげで文学に目覚めかけちゃってるまあ難しいことは分かんないんだけどあっあそこだ桜消防ごめんください
14:07倉田さん倉田さん聞こえますか田村氏せーの
14:22腕を119番消防です火事ですか救急ですか救急です高齢の男性が頭から血を流して倒れています意識がありません
14:52事故ではないな警察にはこっちから連絡する
15:01私たち疑われている第一発見者を疑うのは仕方がない大阪の時も田村氏が元を保証してくれたから
15:17あそっか帰ります戸田の美孝さん77歳頭から血を流して倒れているところを発見目撃なしのcpaです失礼します
15:44田村刑事にお話は伺いました大阪でいくつかの事件にご協力いただいたそうでそうなんです文学がどうのこうのってのはよく分かりませんでしたが文学で事件を解決した話ですかそのようなことを言っていましたけど操作はお遊びとは違うんでもう帰っていただいて結構ですこの後店内の検証があるんで
16:01野田書房の芥川龍之介地獄編江川版の川端康成伊豆の踊り子竹村書房坂口杏子の黒谷村はい盗まれた本ですなんて分かるんです
16:11?高額な本は鍵付きのショーケースに入れる店舗もありますがこの店では万引きしにくい本棚の一番上にそろえていたようですね
16:31本は著者ごとに並んでいますが亜行、家行、作業にそれぞれ不自然な隙間がありますあ、ほんとだ先ほど挙げた地獄編、伊豆の踊り子、黒谷村はマニアの中では特に高額な古書として知られていますおそらく数百万にはなるかと
16:40宮下くんはい近隣の古書店やネットのフリーマーケットに出品がないか確認してくれ現金は盗まれていますか
16:47?現金全て抜かれてます強盗で間違いないなそれはどうでしょう?違うの?
17:02その3冊を盗んでいったとしたらおそらく古書マニアですですがマニアはこんな風に本を撒き散らさない気がします10円
17:04?どうしてトレーに1枚だけ?誰かがお釣り忘れてたとか
17:11?小銭なんていちいち強盗が取らないでしょう
17:17ああ、そもらないでくださいよまだ監視器が調べているので
17:45すいません、すいませんあの、倉田さんに何かあったんですか
17:50?スマート運輸の鈴本さん倉田さんとはお知り合いですか
18:01?はい配達の時に世間話するぐらいですけどいつも飲み物差し入れてくれたりよく知ってもらってます倉田さん、無事なんですか
18:10?一命は取り留めましたが、今緊急手術中ですさっき配達したばっかあったんです今日はさくらさんが来てくれたって喜んでたのに
18:11さくら?あ、お孫さんです僕が配達に来た時、ちょうど帰ってくとこでこんにちは、スマート運輸ですすいませんお孫さんの特徴は
18:39?年齢、身長、どんなことでも20歳くらいですかね小柄で華奢で薄いピンク色のワンピース着てましたあ、そうそうすいませんこの赤ちゃんがさくらさんです
18:53よく娘さん一家の話してくれたんですよ倉田さんがさくらが好きだからお孫さんの名前もさくらにしたってへえ、かわいい今、うちの娘と同じくらいかな触らないで!
18:59すみません孫のさくらさんを見たのは何時頃ですか
19:09?30分くらい前です本を持って帰るところですれ違いましたただ、不思議なことがあったんです
19:26ハンコをもらってから僕自転車で次の配達先に向かったんですけどちょうどさくらさんを追いかける形になったんですねで、彼女は角を曲がったんです僕もその後すぐに角を曲がったら彼女の姿がどこにも見当たらなくて
19:30突然と消えちゃってたんです消えた
19:51?はいそれに、風もないのに曲がってすぐのとかだけさくらがふわふわ待っててさくらと一緒に消えた…みたいななんか、きつねにつままれた気分になっちゃってさくらと共にかき消える坂口杏子の世界みたい
19:58孫のさくらさんもご両親も18年前交通事故で亡くなっているそうですえ
20:11?いえ、そんなはずないですだって倉田さん、僕にはっきり孫のさくらさんだって言いましたそれに、娘さん一家が亡くなってるなんて一言も…幽霊…え
20:18?そんなわけないでしょうあなたの目撃証言から考えられる可能性は2つです
20:341つは、誰かがさくらさんのふりをしたただ、この場合、倉田さんが信じるはずないので成立しないもう1つは…目撃証言そのものが虚偽だったえ
20:37?じゃあ、彼が嘘をついてるってことですか?いやいやいや、そんな嘘つく意味あります
20:42?捜査を混乱させるため、とも考えられます
20:51自分が犯した強盗の罪を、実在しない架空の人物になすりつけようとしているそれはないですねはい
21:05?さくらさんが消えたなどという目撃談を話せば、余計に疑われるし、そもそもここに戻ってこないでしょうそうです、そうですよ確かにだとしたら、その女は一体誰なんです?
21:13お話し中すみませんこんなものが本棚の下から指紋は取りましたか?
21:33野宮さんが電話で注文したと言っていた本ですね私が注文したのは我輩は猫であるだけですうん?鑑識に回そうはい
21:57何だこれ?田村氏、調べてほしいことがある
22:13触らないでくださいよん
22:27?なるほど、そういうことか被害者の倉田さんは認知機能が低下してたようですねえ?
22:47真新しい浄水機があるのに、モーターサーバーを契約している私の祖父も認知症だったんですが、同じものをいくつも買う癖がありましたおそらく、複数の業者につけ込まれたんでしょう店内のリフォームにも別々の業者が関わっていますねえ?
22:59壁とドアの色が合っていない、必要のない場所にいくつも照明が設置されている倉田さんは複数の会社から言われるまま契約をしていた
23:05判断力が落ちてしまったお年寄りに、悪徳業者がいろんなものを売りつけるってやつ?
23:07ん?待ってください僕、しょっちゅう倉田さんと立ち回ししてましたけど、そんな様子全然なかったっすよスマホのアプリや、最新のタブレットまで使いこなしてましたし
23:36いっけ、しっかりして見える人も多いんですよ認知機能が低下してたなら、すべて説明がつく注文してない本を準備してたのも、さくらさんが亡くなったのを忘れて、他人を孫だと思い込んだのも、それが理由でしょうじゃあ、誰だったんだろう、あの女の子
23:44お客さんをお孫さんだと思い込んじゃったのかな?特殊詐欺
23:49?特殊詐欺って、オレオレ詐欺のことですよね
24:03?最近この辺りで多発してるんですよそもそも、若い女性が数百万もする本を買いに来るのは不自然です奴らは判断力が衰えた高齢者に身内を装って接触してきます
24:22ただし、実際に金銭を受け取りに来るのは別の人間であることが多い受け子と呼ばれる人ですねそうです顔を見れば本人じゃないとバレてしまいますからねしかし今回は事前にかけた電話の様子から、倉田さんの認知機能が低下してると分かり
24:31孫本人として言った方が効果的だと踏んだ特殊詐欺だとしたら、女性が消えた謎も解けますねえっ、ど、どういうことですか?
24:50特殊詐欺はグループで行います受け子の他にも電話をかける掛け子、見張り役、そして場合によっては受け子の送迎役もいると聞きますそうか、角を曲がったところに送迎車が待機してたのか
25:06彼女が乗り込んですぐ、送迎車は猛スピードで走り去っただとしたら、倉田さんに怪我を負わせたのは
25:12?受け子の女性と彼がお店を出た後に誰かに殴られたってことだよね
25:33同じ日のほぼ同じ時間帯に折れ折れ詐欺と襲撃事件が立て続けに起こることなんてある?もしもし、田村氏営業の担当者たちと連絡取れたありがとう
25:46新しい事実が分かりました倉田さんの認知機能の件です田村刑事が調べてくれましたはい
26:01?ウォーターサーバーの担当者によると飛び込み営業に入ったところすでに浄水器はあったそうですが倉田さんは気前よく契約してくれたとのことでしたこの地域担当の営業マンの間では
26:16桜書房は断らずに買ってくれるということで知られているそうです遺産を残す家族はいないからと売上乗るまで困っている人から買うことを人助けだと言っていたとリフォーム業者も同様でした
26:21認知機能が衰えてたわけじゃなくて優しい人だったってこと
26:42?やっぱそうっすよね倉田さん本当にいい人なんですよだとすると倉田さんは孫がトラブルに巻き込まれたって電話を受けた時点で当然詐欺だと分かってたはずだよねもしもしおじいちゃん私なのにどうしてすぐに通報しなかったんだろう
26:46しかも倉田さんその女性に本を渡してるんでしょ
26:47?変じゃない?事件を紐解くヒントはあの3冊に隠されているはずです
27:18袋にも本にも血が付いているということは倉田さんは襲撃されてから新たにこの3冊を袋に入れたということになりますしかもこの全集には折り目が付けられている
27:35小さなヤギの記録恐らくこの3つの作品を使って倉田さんは私に何かを伝えようとした
27:58だから暗号いやいや暗号なんて普通の人間がとっさに思いつきますかしかも大怪我を負わされているのに倉田さんは謎解きサークルにも所属しているミステリーマニアですそんなまどろっこしいことしないでメモ残せばいいじゃないですかメモだと犯人に見つかって隠蔽されてしまいます
28:05なるほど仮にその説が正しいとして一体誰が倉田さんを襲ったって言うんです
28:15?犯人は特殊詐欺グループの見張り役さくらさんのふりをしていた女性の仲間ってこと
28:27?そうもし私がこの事件を元に小説を書くとしたらこういう展開にします店の外で倉田さんを見張っていて
28:53受け子と鈴本さんが店を出た後詐欺に気づいていた倉田さんが通報しようとしていたところを襲撃したあ、そういえば僕が帰るとき倉田さんどっかに電話かけようとしてました見張り役に襲撃された倉田さんは反動で本棚にぶつかり床に倒れた見張り役はレジから現金を強奪
29:01倉田さんは朦朧としながらも犯人に気づかれないよう目の前に散らばった本で手がかりを残そうとした
29:19犯人につながる暗号かなるほどね簡単じゃないですか犯人の名前ですよ3冊の本の作者は全て坂口暗号
29:31つまり坂口という人間にやられたんです残念ながらその推理は外れていると思いますは
29:44?もし犯人にこの3冊が見つかってしまった場合自分の名前を伝える暗号だとすぐにバレてしまいますそれに小さなヤギの記録に折り目をつけたことの説明もつきません
29:49確かにじゃあ何だって言うんです
29:54?それを今から解読するところですタイトルにヒントがあるとか
30:05?夜、姫、耳、男、ヤギ
30:15犯人はヤギなわけねえだろ耳に特徴がある
30:16?耳が大きいとか?
30:35そんな単純だははははは何してるんです?
31:04耳耳が大きいとか手渡した本若い女性が数百万をする本を買いに来るのは不自然です暗号文学の文字で謎を解決とはアプリ
31:26最新のタブレットで使いこなしてましたしさくらとともに消えた苦労娘さん一家が亡くなってるなんてひと言にひと言につながりました分かった
31:53貧困だ
32:05田村刑事ですはい、大沢署の矢野ですえ
32:15?分かりました、すぐ向かいます野宮さん、ご協力に感謝します
32:23行くぞはいえ、なに
32:24?どういうこと
32:32?涼子の言った通り、ヒントは耳ただし、この暗号は犯人ではなく、倉田さん自身のことだった
32:40坂口安吾先生には耳が聞こえにくい時期があって、そのことを小さなヤギの記録で書いてる
33:07倉田さんは、先生の本を使って、自分の耳が悪いことを私に伝えようとした倉田さんが使っていたのは、スマートフォンと連携できる補聴器で、紛失しても探せるようになってる警察に通報する前に、受け子が来てしまったのでよく来たね倉田さんは、受け子に本を手渡して、その袋の中に補聴器を仕込んだ
33:30追跡すれば、特殊詐欺犯の拠点を炙り出せるから受け子が帰った後、今度こそ通報して補聴器を追跡してもらうつもりが予想外の襲撃にあった誰かに補聴器を仕込んだことを伝えなければと思い私への暗号として、3冊の本を紙袋に入れた
33:35警察だ!
33:44待って!
34:04受け子の女の子はどうして詐欺に手を染めたんだろううちにも同じ年頃の子がいるし人事じゃないよ
34:23坂口安吾先生は堕落論でこう言ってる人は息、人は落ちるできることなら食い止めたい家族や大事な人が落ちるのは嫌だ良子らしい
34:47桜の森の満開の下の山賊夫婦も堕落した人たちだよねでも山賊は人を殺めるのをやめて山に戻ろうとしたそれって首を欲しがる妻のことも堕落から救おうとしたのかなって堕落から救う?
35:13わかった十円玉の謎よかった意識が戻られてほっとしました
35:34野宮さん、あなたの推理力に賭けてみてよかった。さすがです退院したらまた謎解きサークル、ご一緒しましょうねいいですな、ぜひあの、お店に来た女の子は見つかったんですか?
35:48はい、特殊詐欺の拠点に免許の写しがあってすぐに見つかりました。ただ、罪に問えるかは微妙なところでして。そうですか。
35:5510円のおかげですね。あ、それも見抜いてましたか。
36:03ヒントをくれたのは彼女です。沢辻良子さん。いつも助けてくれる友達です。
36:19なるほど、沢辻さんはワトソンなんですね。いや、そんな。あの受け子の女性、確保したときに、10円の領収書を差し出してきましたよ。
36:44あの子はまだ幼くて、こんなアルバイトに手を出すなんて、よほどの事情があるんだろうと、気の毒になってね。彼女が現金を受け取ると、詐欺罪が成立してしまう。それで、地獄編と黒谷村を渡そうと思い立ちました。
37:03現金は用意してもらえなかったからといって、仲間にはこの本を渡しなさい。これはもう、売れば100万以上にはなるから、納得してもらえるはずだ。
37:16あなたには、これ。これも、売ればいい値段になる。この辺用を持ってるかい
37:17?いくらでもいいんだ。
37:43いいかい?この3冊の本は、あなたが買ったんだ。
37:55あの子、年はいくつですか?二十歳です。やっぱり、桜と一緒だ。
38:07似たような年頃の若い人を見ると、娘や婿や、孫と重ねてしまってね。
38:21桜の母親は、オーケストラでバイオリンを弾いてて、まだ小さい桜を向こうに任せて、隠しを飛び回ってました。
38:49私はそれを見て、子供を置いていくぐらいなら音楽などやめろと、娘の人生を否定してしまった。それ以来、絶縁状態になりました。その気になれば、いつでも会えるだろうと思ってました。
39:15あの子たちが亡くなってから18年。やらなかった後悔っていうのは、ずっと残るもんですね。そんなこともあって、罪滅ぼしをしたくなるんですよ。若い人たちを助けたくなる。
39:29万が一、警察に捕まるようなことがあったら、堂々とその領収書を見せなさい。だから、二度とこんなことをしてはいけない。
39:40分かるね。お気持ちは分かりますが、残念ながら世の中、戒心しない悪どい人間がほとんどです。
39:49あの受け子の女性も、今頃は本を売った金を手にして、高笑いしているかもしれません。
40:06あ、ここからも桜が見えるんですね。私が桜の木を好きな理由、分かるかい?
40:30うーん、きれいだからですか?冬を乗り越えないと、咲かないからだ。休眠だ。そう、植物が、休眠状態から目覚めて成長することだ。厳しい寒さを乗り越えないと、桜は成長しない。だから、人間もそうなんじゃないかってね。
40:57辛い状況にある人だからこそ、いつか花開くんじゃないかって、つい、そう思ってしまってね。でも、結局、私の自己満足だったのかもしれないね。それは、ご本人に直接聞いてみてはいかがですか?
41:21辛いよ。よく来たね。
41:50パスワードのあたりはついた?まずは、初版の発行日で試してみようと思う。パスワードのあたりはついた
42:06あっ、ダメかぁ。えっ、あと4回
42:10?ママ?
42:12Yeah.
42:55私、カズとの留守電をスルーして後悔した。20年以上。倉田さんも言ってたよね。やらなかった後悔は一生残るって。
43:18何してるの?倉田さんに紹介してもらった漱石先生の研究者にアポ取ってみる。
43:20わっ!やる気になった?解けない謎をそのままにしておくのが気持ち悪いってだけ。
43:29じゃあその謎が解けるまで付き合う。
43:33ママを一人にしたらまた気が変わるかもしれないから。
43:35何でそこまで?
43:41暇だから。
43:45だってまだこんなにもわくわくできる。
43:53このパソコンを開くことができたら、ママの人生の宿題が解けるかもしれない。
43:57おせっかいでもいい。力になりたい。
44:02大阪でママが私の心を救ってくれたように。
44:05ただいま。
44:07冗談じゃない。何考えてんだ?
44:11大きい声出さないでしょ。
44:12許されるわけないだろ。
44:14どうしたの?
44:18吉川、大学辞めたいって。
44:19えっ?
44:23とにかく、ということなんで。
44:24おい、吉川!
44:35あっ。
44:35大丈夫?
44:37吉川、大きな。
44:38吉川、大きな。
44:40芸術に行けた。
44:42やはり。
44:44大きな。
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