- 一昨日
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教育トランスクリプション
00:00緑に包まれた敷地に立つのは12階建ての子供のための病院
00:09国立生育医療研究センターです
00:17可愛らしい絵の奥にあるのがこの病院の最前線です
00:30日本では数少ない小児患者のための集中治療室PICU
00:390歳から15歳の子供が命の危機と戦っています
00:47急に脈が乱れて深刻な状態に陥った少年
00:53薬剤を使って止まりかけた心臓に働きかけます
01:12熟練したスタッフの連携と迅速な措置で
01:16少年は危機を脱しました
01:19PICUを担うのは小児集中治療医
01:36全身のあらゆる症状に対応できる知識と経験を持ち
01:43チームワークで治療に当たります
01:45子供たちの命をどう守るのか
01:52不安を募らせる家族にどう向き合うのか
01:57葛藤し
02:04模索する現場を半年にわたり見つめた記録です
02:10毎日正午前
02:26国立生育医療研究センターにバイクで通ってくる夫妻がいます
02:33いやー寒かった今日は
02:39寒い
02:40寒かったです
02:41風が強い
02:42横風がすごくて
02:45太郎です
02:46太郎のところに飛んでくるために
02:49ここにね太郎って
02:50こことかにね
02:51太郎入れたいんだけどね
02:542人には病気と戦うたった1人の子供がいます
03:06太郎ちゃん
03:09生後4日目からPICUに入院しています
03:14お花が乾いてるね
03:17最初はもうやっぱりすごいびっくりするんですけれども
03:23もうどんな姿でも
03:26この可愛さは消せないですよね
03:29太郎ちゃんは
03:36アンモニアを分解する肝臓の機能に
03:40大きな問題を抱えていました
03:42毒性のあるアンモニアが体に回ると
03:47様々な臓器を痛めてしまいます
03:51太郎ちゃんの治療方針を取りまとめる
03:57PICUのリーダー
04:00松本翔太郎医師
04:01根本的な治療は肝臓の移植なんです
04:06肝臓がアンモニアを排泄できるようにするというのが
04:14治療法の主眼になります
04:17しかし生後3週間の太郎ちゃんの体格では
04:23移植を行うことはできません
04:25病気を抑え込みながら成長を促す
04:31難しい治療が続いていました
04:34そんな時
04:46太郎ちゃんの容態に大きな変化が起きます
04:51呼ばれたのは外科の下島直樹医師
04:58PICUでは患者の疾患に応じた専門医と連携して
05:04治療が行われます
05:06貼り裂けそうなほど膨張した腹部
05:19直ちに父親に連絡を取ります
05:29緊急での治療
05:32すなわち手術を行った方がいいだろうと考えています
05:37腸はもともとが腸が問題そうなんですけど
05:47パンパンだし
05:48腎臓の方もおしっこの量が減ってきているので
05:53すでに臓器の機能障害が出てきていて
05:57お腹の圧も軽視的に上がってきているので
06:00圧を下げるということが
06:04今できることとしてあるので
06:06それをやった方がいいと思います
06:08手術というのは結構やっぱりリスクが高いんですか
06:14それをしなきゃいけないという状況が
06:18すごくリスクの高いというか
06:20状況がかなり追い込まれていると考えざるを得なくて
06:24わかりました
06:25信じていくしかないでしょうかね
06:47いやー
06:52いやー
06:56いやー
06:57いやー
06:59小腸の半分が
07:19必死していました
07:20でもね小腸の起死部は大丈夫だよ
07:24これで終わろうか
07:26あと数時間遅れていたら失われていたかもしれない命
07:35懸命な対応に支えられ
07:38太郎ちゃんは命をつなぎました
07:41頑張ってくれました
07:43頑張ってくれました
07:45本当
07:46本当
07:47よね
07:48とりあえず一晩生き延びた
07:50頑張ったろう
07:53頑張ったろうだ
07:55お前すごいな
08:00先生と太郎すごいな
08:03頑張ったな
08:11肝臓移植を目指す中で起きた想定外の事態
08:27移植外科の医師を呼び今後の治療方針が議論されました
08:34肝臓移植に行く適切なタイミングとか
08:42大まかな見通しがあれば教えていただければなと思うんですけれども
08:473キロ台、4キロ台のこういった患者には
08:51なかなか移植の適応というところにはならないかなというところで
08:55絵がしっかり入って体重が6キロに近づくというところが
09:00最低の条件かなというふうには思っております
09:03頑張ってるね
09:05この時、太郎ちゃんの体重はわずか2.5キロ
09:12腸に大きな問題を抱えながら
09:156キロの体重を目指さなければなりません
09:20つらい治療に耐える子どもの心に向き合うのも
09:33BICUの重要な役割です
09:37愛媛県から搬送されてきたユーセイくん
09:431週間前に母親からの肝臓移植手術を受けました
09:49長い糖病生活で肺を動かす筋肉が衰え、人工呼吸器が外せなくなっていました
10:01それな
10:03今それが一番か
10:05今一番言いたいのはこの管を取ってほしいってこと?
10:09そうか?
10:11このチューブがね
10:13今引っ張らない、引っ張らない
10:15引っ張らないよ
10:16ごめんね
10:17ごめんね、ゆーちゃん
10:19ゆーちゃん、お手手離してごらん
10:21はい、ごめんね
10:23これ絶対引っ張っちゃダメ、これ
10:25約束してほしいな、これは
10:27取りたいんだね
10:29うん
10:31口に入れられた酸素を送る管は肺の近くまで達しています
10:45絶え間なく続く喉の違和感、ユーセイくんのストレスは限界状態でした
10:53すみません、お願いします
11:01本人の苦痛感によって今とっても気持ちが落ちているような状態なんです
11:11ちょっとさ、診察してもいい?もしもししてもいいですか、これで
11:18駆けつけたのは、緩和ケア科の与谷信行医師
11:25治療に伴う痛みやつらさに対処する専門医です
11:31夜谷先生にお願い
11:38はい、どうぞ
11:40寝
11:41寝
11:42寝
11:43寝
11:44寝る?
11:45寝る?
11:46寝る?
11:47寝る?
11:48寝る?
11:49寝る?
11:50寝る薬がいいんだよな
11:52眠れないの?
11:53あ、そうなんだね
11:55何かさ、夜寝ててさ、嫌な夢見たりすることある?
12:01あるんだね
12:02うんうん
12:03そっか
12:06寝た攝子は、処方されている薬の種類と量を確認します
12:09薬の種類によっては
12:27かえって眠れなくなる場合があります
12:31与谷医師は薬の処方を変えることを提案しました
12:39薬行く? 行くよ
12:571時間後 優生君は眠りにつくことができました
13:09優生君を担当する坪井範彦医師
13:26人工呼吸器を外すにはリハビリが重要だと考えていました
13:32呼吸は横隔膜など肺の周りの筋肉が動くことで行われます
13:42この筋力を取り戻すには体を起こすリハビリが必要です
13:49坪井医師は優生君を車椅子に座らせたまま
13:55右向いてごらん ゆっくり右向いてごらん
13:59ママにほら ママにタッチしようか
14:04ママにタッチできる?
14:06左手タッチ
14:07右手で行った?
14:09大丈夫 ごめんね
14:11すごいじゃん
14:12坪井医師は優生君を車椅子に座らせたまま
14:19病院内を回ることにしました
14:21リハビリをしながら気分を晴らすことにもなると考えたからです
14:30歩くよ 1、2
14:34足動かしてごらん
14:351、2
14:36手離します
14:371回座るよ
14:38バインも大丈夫ですね
14:42立ったね
14:43すごい
14:44ゆーちゃん立ったね
14:45あのさ これこうやってるからさ
14:50お散歩行けんだよ 頑張ったら
14:52お散歩行く?
14:54行く?
14:54やったー
15:01マジ目標達成だ
15:02出てきた
15:03そして
15:04衣料機器をつけたままの散歩は6人がかり
15:11やだ ここらへんかな
15:14よいしょ
15:16見えた?
15:20どう?ちょっとちょっと見えた
15:21お外いかが?
15:23見れたね
15:25うん わかったね
15:27頑張ったじゃん
15:30すごいよ ゆーちゃん 結構な距離来たね
15:34以後 このリハビリは日課となります
15:39窓の向こうのひときわ大きな木を見ることが
15:44ゆーせくんの目標になりました
15:47体力が回復してきたとみた医師たちは
15:59この日 呼吸器を外す決断をしました
16:03抜きますか
16:06はい
16:06ちゃんといるから大丈夫よ
16:10抜きます
16:12はい
16:13はいはいはい お口吸おうか
16:17じゃあね
16:18唾吸っとくよ
16:20ちょっと待ってね
16:21深呼吸 深呼吸
16:23しっかり吸えてるよ
16:24えらいえらい
16:25大丈夫よ ゆーくん
16:28オッケー オッケー オッケー
16:29一回マスクつけてみようか じゃあ
16:31はい
16:32手を握り 不安を和らげるため
16:36声をかけるのは 子どもの心理ケアを担う
16:40専門スタッフです
16:42ゆっくり呼吸していいよ
16:43ふーーー
16:46ふーーー
16:47息吸えるでしょ
16:49ちょっと頭触るよ
16:53一日二日乗り越えられたら 大丈夫だと思うんですけど
16:58おぉいいね
17:00唾開けて出せる 口から はい
17:03自分で手でできる?
17:05手
17:05そうそうそうそう
17:07いいじゃん
17:08そうそうそうそう
17:16できますね
17:21うーん
17:23大人に比べ繊細なケアが必要な小児患者
17:41その集中治療が欧米で普及したのは1960年代です
17:48一方日本で本格的なPICUの設置が広がったのは2000年以降で現在は38カ所
18:01大半が首都圏や関西に集中し経費の大きさや専門医の不足が壁となり
18:11地方での設置は進んでいません
18:14近年地方の患者を医療用ジェットで大都市のPICUへ運ぶ取り組みが始まっています
18:27しかし事業を担う団体は資金なんで需要に応じきれていません
18:35北海道から搬送されてきた重症の子供
18:50PICU自体も赤字の施設が多く
18:58このドクターカーは民間の寄付によるものです
19:02肝臓が機能を失い一刻を争う状態だった子供は
19:10緊急の移植手術で一命を取り留めました
19:15大人にならなかったらどうしようとか思っていたから
19:40ちょっと安心しました
19:41国内最大の生育医療研究センターのPICU
19:54患者の3分の1は地方からの子供です
19:59国内に2機しかない医療用ジェットで運ばれ
20:06辛うじて守られた命
20:08日本のPICUを牽引してきた一人
20:16黒沢博史医師
20:18小児医療に対する政府や社会の向き合い方に疑問を持っています
20:25子供の命については決して優しくない向き合い方なんじゃないかと
20:33僕は重症小児を見る立場としては思います
20:38小児にかかる医療費というのは
20:43もうそれは国の財産なんだから
20:45もうどんだけ継ぎ込んでも惜しくないんじゃないかと
20:49僕は思ってしまうんですけれど
20:50こういう立場なので
20:52そういう意味では何か印象としては優しくないだという風には感じています
21:00PICUで命が救われても厳しい状況が続く場合もあります
21:10重い心筋症で危険な状態に陥っている2歳の少女リンちゃん
21:20その子の下に医師が次々と駆けつけました
21:29心臓が止まったリンちゃんに懸命な蘇生処置が続きました
21:371名は取り留めたものの
21:54バドと呼ばれる心臓を補助する装置をつけることになったリンちゃん
21:59一旦バドをつけると病院を出るには心臓移植を受けるしか選択肢がなくなります
22:09子供には体の大きさに合った同年齢の心臓しか移植できません
22:22臓器提供者、ドナーを待つ間
22:27リンちゃんは家に帰ることができなくなりました
22:31今後、両親のどちらかが病院に泊まり込み
22:52リンちゃんに24時間付き添わなければなりません
23:00そのことをリンちゃんの姉にどう話せばいいのか
23:08伊藤舞さん、患者と家族、双方の心のケアを行う専門家です
23:15トトやカカが病院にいる間はさ
23:19ココちゃんを忘れちゃっていることは絶対ありません
23:22大丈夫、見てここ書いてよ
23:24ココちゃんのことも大好き
23:26リンちゃんのことも大好き
23:28リンマさん、ママのお腹に、カカのお腹の中にさ
23:31赤ちゃんいるでしょ
23:32赤ちゃんのことも大好き
23:353人ともトトとカカの大事な宝物です
23:39これ赤ちゃん
23:40赤ちゃん
23:41うん、これココちゃん
23:43これ、ママに決めてないけど
23:45まだね、そうだから赤ちゃんってしといたよ
23:48リンちゃんね、まだ病院にお泊まりするよ
23:51ちょっとお泊まりかな
23:54みんな、みんな大好きでね、ながってるよって
23:57みんな大好きだよって
23:59日本では、2010年から家族の承諾があれば
24:05子どもの臓器提供が可能になりました
24:08しかし、同意する親は少なく
24:13心臓移植では3年前後の待機が必要です
24:18ドナーも、国民全体として自分が亡くなったら臓器提供しようっていう意識があんまない国だから
24:28だから子どもだけドナーを増やすっていうよりも
24:32日本全体で大人が自分が亡くなった時にドナーになりますっていう仕組みをきちんと作らないと
24:39多分、移植は進まないと思います
25:09肝臓の移植を目指すには体重を増やさなければならない太郎ちゃん
25:26ごめん、ごめん、仲いいんだよ
25:29そうだよ、そうだよ
25:30大丈夫だよ
25:31太郎ちゃんのこと考えててやるんだよ
25:33今
25:34太郎ちゃん、太郎ちゃん
25:37太郎ちゃん
25:40目の中に入れても痛くなった
25:43圧をかけすぎなのよ、圧を
25:45今、目の中に入れてる
25:47もうちょっとソフトにどうぞ、ほら
25:49すいません
25:51ちょっと今、目の中に入れて
25:53痛くない
25:54痛くねえ
25:55入らない、入ってない、入ってね
25:57痛くねえ
25:58痛くねえわ
25:59お預かりします
26:00ありがとうございます、よろしくお願いします
26:01お預かりします
26:02お疲れします
26:03えっと、妻が来れますね
26:04あ、分かりました、お預かりします
26:06よろしくお願いします
26:07気をつけてお帰りください
26:18太郎ちゃんの父、たつるさんです
26:23もうシンプルに、起きて一緒に遊んで、馬鹿なことを言って笑って、いやもう、そうですね、一緒に生活したい、生きてほしいですね、うん。
26:47宣伝とともに、ゲームを披露するちんどにゃ、たつるさんは、大学卒業後、師匠について修行を重ねてきました。
26:58さあ、かわいいお嬢ちゃんは、さらにかわいくなっちゃう、そんな無性映画。
27:05今日は見るしかないぞ、月にたった2回の、そのチャンスを逃しちゃいけないよ。
27:12いつか、この姿を太郎に見せたい。それが、父であるたつるさんの夢です。
27:31太郎ちゃんの腸の手術をした下島医師は、肝臓移植につなげようと、手を尽くしていました。
27:50めっちゃいいうんちが出てるんですよ。
27:57今までよりうんちの色がよくなりましたよね。
28:02小腸の半分を失った太郎ちゃん。
28:07下島医師は、残された腸に直接チューブをつなぎ、可能な限り栄養をとれるようにしました。
28:17で、まっすぐ入れて、ここまで入りますね。
28:22で、結構ちゃんと入ってくので。
28:29太郎ちゃん。
28:32収入完了。
28:34一方で、PICUの医師たちは、太郎ちゃんに残された時間は少ないかもしれないと見ていました。
28:51細菌感染を繰り返し、腎臓の機能も失って、尿が出なくなっていたからです。
29:002時間で5ccです。
29:02うんうん。
29:03それ落としたの何?
29:040時。
29:050時前。
29:060時の部分に5ccね。
29:07はい。
29:08OK。
29:09じゃあ、その後どうかだね。
29:11こっからの2時間だね。
29:13こっからの2時間で。
29:14これぐらい出てる。
29:17ちょっと出てるみたいですね。
29:19十分かどうかっていうのを、もうちょっと時間かけて評価します。
29:23回復を目指した治療を続けるのか。
29:32残された時間を穏やかにすることを重視するのか。
29:37医師の間で議論が行われました。
29:42かなり本人の状況としては、一つ共有者が追い込まれてきているような状況かなと思うんですよ。
29:48こっちの空調ストマからいいうんちがよく出てます。
29:51昨日一昨日ぐらいから、こっちから成長剤入れ始めて、
29:54昨日は5cc入れたらここからピュッと出たので、
29:57使えるだけの腸を使うことにはなるので、
30:00それをやっていけたらなっていうのが、お腹の事情、現状です。
30:05今後の内分泌化的なところでの調整としては、
30:09可能な限り東洋カロリーを上げつつ、
30:13ちょっと検討して調整できればなと思います。
30:16生きていける道が極めて細い感じがしていて、
30:21現実的にちょっと、本当にその道あるのかな、
30:25例えばこの子が1歳になっている道があるのかなって言われると、
30:29結構、実は疑問で僕は。
30:33悲観的になっているつもりもないんですけど、
30:35そこをどう家族に伝えるかで、
30:38頑張りましょう、頑張りましょうってもちろん言うと、
30:40前向きな親御さんなので、もちろん頑張りまして頑張りたいですって言ってくださると思うんですけど、
30:44現実的には結構厳しい状況でなっていうのは印象があるので、
30:49そのあたりに関してどの程度をどうお伝えするかとか、
30:53場合によってその緩和ケアっていうのもやっぱり十分もう、
30:56実はでも今の時点でも考えてもいいかもしれない状況かなと個人的には思っていて、
31:01治療をやめたいと思っているわけではないんですけど、
31:04親御さんとか考え方によってはあるのかなと、私は個人的には思います。
31:10先生のおっしゃるのには、ちょっと僕は同意できなくて、
31:142週間前は今よりはるかに悪かったと思うんですよ。
31:18今はいいと思うんですよ、その時より。
31:21ですので、せっかく腸が今注入できるような状況になったわけだから、
31:26そこをみんなで頑張って、とにかく栄養炉、
31:30できたので、つながってはいないけれども、
31:34使える腸の長さとしては一緒なので、
31:37だからそこを頑張って注入して栄養確立しながら、
31:43少しでも、透析離脱とか目指していくっていうところであって、
31:492週間前に比べると今の方が希望は少しあると、僕は思ってるんですけど。
31:56今みたいな話を家族と共有してもいいかもしれないなと思うけど、
32:01例えば、具合が悪くなった時に、
32:03やっぱり医療者としても、
32:04少しこれはそういうふうに思う場面があるかもしれないので、
32:07っていうことについて、
32:08今、ご家族がどのように捉えているのかとか、
32:11それは決して諦めるということではないんだけど、
32:14医師たちは、議論した内容を率直に両親に伝えることにしました。
32:27どうしても本人の状況が具合が悪くなった時には、
32:31そこの時間を優先するっていうフェーズが、
32:34あまり今の人体は考えたくはないですけども、
32:36どうしてもそういうこともあります。
32:38なので、本人の状態が治療として、
32:41我々ができる治療限界を迎えてしまって、
32:44なかなか救命が難しいってお話になった時には、
32:47ご家族の時間、逆に言うと兄弟に会ってもらう時間っていうのを、
32:51優先順位が高いと判断した場合には、
32:54ICUでも面会をしてもらうことはあります。
32:59PICUの医師の言葉から、
33:02状況の厳しさを悟った両親。
33:11これまで、さまざまな相談に乗ってきた
33:14ソーシャルワーカーの佐藤さんが、
33:17二人に声をかけました。
33:21生きてるから。
33:23生きてるからね。
33:24本当にね、頑張っていただきたいと思います。
33:28いや、すごいと思います。
33:29ありがとうございます。
33:31なんかもう前向きばっかり言うのも、
33:34嫌になってきちゃうなっていう。
33:35嫌になってきちゃうな。
33:36いや、別に太郎が嫌いってわけじゃなくて。
33:39悲しいんだよな、悲しいんだよっていうことは、
33:43言いたくなってわね。
33:45やっぱね。
33:46いや、もちろん、もうね、
33:49普通に毎日送るのはだし、
33:53目の前のことを一つずつね、
33:55やってそれに生き治癒するのは当然なんだけれども。
33:59だから、別に誰に言う必要もないんだけど。
34:04悲しいし辛いよね。
34:07悲しいし辛いよね。
34:09悲しいし辛いよね。
34:11本当にね、
34:13お父さんもお母さんもね、
34:16一生懸命、一緒に頑張ってくださってるから。
34:20うん。
34:21まあ、本当にね、
34:23あのほら、
34:24感情だけなんだけどね。
34:27うん。
34:41ありがとうございます。
34:43タロちゃんのほっぺを
35:11ぺろんぺろんぺろんぺろん
35:15かわいいタロちゃん
35:18かわいいタロちゃん
35:21タロちゃんタロちゃん
35:23深いところで静かに静かに頑張ってよ
35:29タロちゃん頑張ってよ
35:33一人で静かに頑張ってよ
35:38タロちゃんかっこいいね
35:42君は素敵な人間だね
35:47タロちゃん素敵だね
35:51君の強さは深いんだ
35:55タロちゃんかっこいいね
36:00僕の強さは深いんだ
36:04そうだねそうだねタロちゃん
36:09一緒に頑張るなんて言えないね
36:13タロちゃんタロちゃん
36:15でもお父さんもお母さんも
36:18ずっとそばにいるからね
36:22ずっと一緒に遊ぼうね
36:27それから3ヶ月後のことです
36:40タロちゃんの父親は
36:42多くの参加者が芸を競うコンクールのため
36:54富山に出かけていました
36:57この日タロちゃんは血圧が下がって
37:15回復せず
37:17既得状態に陥りました
37:21いいね
37:23ねえ
37:25ねえ
37:27タロちゃん
37:29下島先生が来てくれたよ
37:31タロちゃん
37:33カメラで
37:35今富山にいるんで
37:37タロちゃん
37:43本当にいろいろありがとうございます
37:45ええ
37:47肌の色とかがね
37:49やっぱもうどんどん
37:51悪くなってきてるなとかね
37:53とかちょっと
37:54うん
37:56カルったな
38:04そうですね
38:07ちょっと
38:09親御さんと少し
38:10最後どういう風に
38:11お見取りするかとか
38:13ちょっとそういうところを
38:14少し話してこようかなと思うので
38:21タロちゃんがちょっと
38:22しんどくなってきたんだったら
38:25もし私たちと一緒にいたいと思って
38:28頑張ってくれているんであれば
38:31本当にありがとうって思うし
38:34嬉しいけど
38:36うん
38:38それで
38:39自分がしんどいのは
38:41私たちは嫌だ
38:42うん
38:43だから
38:44うん
38:45コショコショコショコショコショ
38:46言ってる
38:47耳元で最近に支えてるんだけど
38:49あの
38:50いいようにしていいよって
38:51ずっと言ってる
38:52うん
38:53ねえ
38:54悲しい
38:55それはもちろん
38:56そうなっちゃったら悲しいけど
38:57うん
38:58うん
38:59ねえ
39:00タロちゃん
39:01すごいんじゃん
39:04うん
39:05うん
39:06うん
39:07ピーアイシーユーの一角に
39:19タロちゃんの個室が用意されました
39:22医師たちはモニターを据えつけ
39:31富山からのライブ配信をつなぎました
39:34目の前の患者さんが最後一番いい姿で
39:40一番いい家族の時間が作れるようにっていうのを大切にしたいなと思います
39:46特に集中治療
39:51ICUって
39:52生死を
39:53預かってるところなんで
39:54患者さんの人生そのものを
39:56預かってると思うので
39:58まあ
39:59病気だけ外見してるわけじゃないので
40:01まあ人間を外見してるので
40:03そもそも人生
40:06に
40:07携わらせてもらってるみたいな感じですかね
40:10うん
40:11お、起きた
40:12お父ちゃん始まったよ
40:14お父ちゃん出てるよ
40:15どこだろうね
40:17太郎ちゃんの治療に携わった
40:21医師や看護師が集まりました
40:24それでは
40:25どうぞ
40:33舞台に立つのは
40:35太郎ちゃんの父
40:37たつるさんです
40:40赤城の山も今宵の限り
40:43生まれ
40:45国を捨て
40:46縄張りを捨て
40:47可愛い小分の奴ら
40:49今どうなっちゃってるかな
40:51おや
40:53俺
40:55歩けない
40:57疲れ切った
40:59そこのお姉さん
41:00息子に自分の芸を見せることが夢だった父親
41:06万年ダメの雪水に入って
41:10お風呂になって俺の体を清めてくれるのか
41:13行け
41:14映画館もあるんだよ
41:15そこに行けば面白いけど一緒に泣くんだ
41:18お二人さん入った入った
41:20えーここまだ山の中じゃねえかよ
41:24頑張れー
41:26頑張れー
41:28頑張れー
41:30頑張れー
41:32頑張れー
41:37遠川に行って何をしようかなー
41:41おー危ない
41:47大丈夫ね
41:54ありがとうございました
41:56ありがとうございました
41:56ありがとうございました
42:11太郎ちゃん頑張った
42:13聞いてた危なかしかったね
42:17その日の夜遅く
42:26太郎ちゃんは静かに息を引き取りました
42:41太郎ちゃんの回復を願い
42:50力を尽くしてきた外科の下島医師です
42:54綺麗にお化粧してもらった
42:57よく頑張ったよね
42:59どうしても直すことばっかり考えちゃってたんですけど
43:06そうすることで本人に辛い思いを
43:11もしさせてたとしたら
43:13それは考えなきゃいけない
43:16直さなきゃいけないのかなって
43:21今回すごく思いましたね
43:25その辺が下界の立場での思うところと
43:33ICの先生たちが
43:36すごく厳しい賞でいっぱい見てきている
43:40来週の先生たちが思うところと
43:42やっぱりちょっと最初は
43:45少しずれもあったかなと思うんですけど
43:48その最後の方を
43:51一緒に関わらせていただけたのかなと思って
43:55その点ではすごく良かったと思います
43:57それが一番
44:00サロちゃんから学ばせていただいたことかなって
44:04思います
44:054ヶ月間すごくよく頑張って
44:09みんなに時間をくれました
44:11本当にお父さんお母さんも
44:13お父さんお母さんに
44:15やっぱり生まれてその瞬間からじゃないですけどね
44:18時間が経っていって
44:19徐々にお父さんお母さんになっていくので
44:21その時間をくれたんじゃないかなと思いますね
44:24息子を亡くした母親に声をかけたのは
44:30緩和ケア科の与谷医師です
44:33日常の時間がバーッと流れるのと
44:38自分の時間がずれたりすることが
44:40どうしても出てくると思うんですけど
44:42なんかそれは
44:43ちょっといろんな気持ちが出てくるのは
44:46自然なことなので
44:48波みたいな感じで
44:53ちょっとバーッと来たり
44:55またスッとヒッって感じなので
44:57そこはもう波だなと思って
45:00手もらったらいいと思いますけど
45:02うん
45:07見方があった
45:08見方があった
45:09パルマシャね
45:10ねえ
45:11ねえ
45:11ねえ
45:12ねえ
45:13ねえ
45:13ねえ
45:15ねえ
45:16ねえ
45:17ねえ
45:18ねえ
45:19ねえ
45:20ねえ
45:21ねえ
45:22ねえ
45:23ねえ
45:24ねえ
45:25なあ
45:30すごい救われてたんで
45:31これなくなるのが寂しいです
45:37皆さんも体に気をつなげて
45:40じゃあ失礼します
45:43ありがとうございました
46:00人工呼吸器に苦しみ続けたユウセイくんに
46:18退院の日が訪れました
46:20すごいじゃん
46:30お元気?
46:32なんでみんなその遠鳴
46:33よかったね
46:35やっと戻れるね
46:38直してくれてありがとうございました
46:41おめでとうございます
46:45向こう誰もいないですもん
46:51車いすに乗せてリハビリをしてくれたツボイ医師です
47:02ゆうせいくんここにいたよね
47:07ずっとね
47:08どれがゆうせいくんの?
47:11あの大きいやつ?
47:16あの大きいやつね
47:17そっかー
47:20じゃああれ見たらゆうせいくん思い出すね
47:21ね
47:22頑張ったりゆうせいくんで
47:24おめでとう
47:26日本の小児集中治療医は現在200人余り
47:39必要な数の半分にも達していません
47:42厳しいPICUの現場で医師たちは
47:51今日も患者一人一人に向き合っています
47:56救命できるようなプロフェッショナルな部分は
48:02最重要な課題だと思うんですけど
48:07そこにそれだけでは救いきれない
48:12情とか息とか
48:17目に見えない尺度では測れない
48:20感情のつながりみたいなのを大事にしていければ
48:25患者さんとか親御さんとか
48:28そういう人たちとの関わりの中で
48:30そういうのも大事にしていきたい
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