沖縄の心・共同店物語

  • 8 年前
2015.12.12 NHK・ETV特集

沖縄本島の北端にある、奥という名の小さな集落。ここに、奥の人々が109年前に生み出した「共同店」と呼ばれるユニークなお店があります。共同店は、赤ちゃんからお年寄りまで、住民全員が株主となって運営する売店です。でも、かつては林業や農業、学費補助金の融資も行うなど、集落の経済を支えるエンジンの役割を果たしていました。合言葉は"共同一致"。奥の人々は今でもその精神を大切にしながら暮らしています。その証拠に、毎年10月5日の共同店の「誕生日」には、住民全員で盛大なお祝いをします。
共同店は、明治時代の琉球処分で世の中が大きく変わった頃に生まれました。その後、人々は、共同店を中心に結束を強め、沖縄戦も本土復帰の激変もなんとか乗り越えてきました。最近は、過疎化が進む地域を1つに結びつける新たな仕組みとして全国的に注目を集め、視察に来る人が増えました。秋は、奥が最もにぎわう季節です。シヌグと呼ばれる2年に1度の豊年祭、小学校の運動会、そして共同店の誕生を祝う「復興祭」。古き良き沖縄の思いやりの心、肝心(ちむぐくる)を堪能できる奥の秋を訪れます。

語り:新城カメ(おばぁラッパーズ)

http://www.nhk.or.jp/etv21c/archive/151205.html