川崎の簡易宿泊施設火災、脱出者が見た“現場”
17日、川崎市の簡易宿泊施設2棟が全焼しました。
これまでに5人の死亡が確認され、8人ほどと連絡が取れていません。
宿泊者のほとんどは、高齢者や生活保護の受給者。
命がけで脱出した宿泊者の証言から、出火当時の様子が明らかになってきました。
「おーい!誰か頼むよー!出られないよ!」
未明の住宅街に、悲痛な叫びが響き渡ります。
懸命の消火活動が続くものの、炎の勢いは衰えることなく、建物が崩れ落ちていきます。
17日、川崎市にある2つの簡易宿泊施設、あわせて1000平方メートルが全焼した火災。
これまでに、宿泊していた市川実さん(48)ら5人の死亡が確認されたほか、遺体の一部が複数見つかっています。
また、現在も8人ほどと連絡が取れていません。
火元の施設は、1階に広さ3畳ほどの和室が10部屋。
2階と3階にも同じような和室が廊下を挟んで両側にありました。
その後の警察などへの取材で、玄関付近の燃え方が非常に激しいことがわかりました。
「煙の方向を見たら玄関の方からきた。玄関を見たら真っ赤になってた。玄関から逃げられないと思って・・・」(宿泊客)
さらに・・・。
Q.出入りは自由?鍵は?
「施錠はされていなかった。うち(火元の施設)の場合は(出入りが)フリーだった」(宿泊客)
「油やオイルに火をつけた・・・じゃないと異常、あの火のまわり方は」(宿泊客)
警察は、放火の可能性も視野に出火の原因を詳しく調べています。
火元の施設は築55年で、宿泊料金は1泊2000円程度。
高度成長期には、日雇い労働者の利用が多かったものの、近年は長期で宿泊する生活保護受給者が目立つように。
川崎市によりますと、2つの施設であわせて70人が生活保護を受けていて、うち9割が高齢者だといいます。
この地域には、こうした簡易宿泊施設が30軒以上、立ち並んでいます。
火災対策はどうなっているのでしょうか。
現場近くにある別の簡易宿泊施設では・・・。
「廊下の両側に扉が多く並んでいますけれども、こちらの部屋、見てみますと、和室になっていまして、3畳一間となっています」(記者)
部屋の中には、テレビやロッカーがあり、天井には火災報知機が設置されています。さらに・・・。
「こちらの廊下の奥には、このような消火器が設置されていまして、さらに、この扉を開けますと、屋外へと出る非常階段があるということなんです」(記者)
しかし、この規模の簡易宿泊施設には、初期消火に必要なスプリンクラーや屋内消火栓を設置する義務はありません。
今回、火元となった施設も同じ規模で、消火整備は設置されていませんでした。
視聴者が撮影した出火30分後の映像には、塀の上によじ登るなど、命からがら逃げ出す人たちの姿が捉えられていました。
「部屋の入り口を開けたら煙で出られなかった。屋根伝いに逃げて、塀のところに飛び降りた」(脱出した宿泊者)
「逃げ場がなくて3階から飛び降りた人もいる」(脱出した宿泊者)
消火設備がなかったことで瞬く間に火が燃え広がり、逃げ場を失っていったのでしょうか。
川崎市は、この火災を受け、市内に55か所ある簡易宿泊施設に対し、早ければ19日にも立ち入り調査する方針です。
(2015年5月18日23:14)
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