アスベスト被害 企業の責任初認定
兵庫県尼崎市にあった大手機械メーカー「クボタ」の工場周辺で生活し、アスベスト特有のがんで死亡した住民の遺族が、国やクボタに賠償を求めた裁判で、神戸地方裁判所は、クボタの責任を認めて、およそ3200万円の支払いを命じました。
アスベストを扱っていた工場周辺の住民の健康被害で、企業の責任が認められたのは初めてです。
兵庫県尼崎市にあったクボタの工場周辺で生活し、アスベスト特有のがん「中皮腫」で死亡した男性と女性の遺族は、「昭和30年代には、アスベストの危険性が明らかになっていたのに、国やクボタは必要な対策を怠った」として、賠償を求めていました。
7日の判決で、神戸地方裁判所の小西義博裁判長は、2人のうち、工場からおよそ200メートル離れた会社で20年余り働いた男性について、「工場から300メートルの範囲では、中皮腫を発症する危険性が高く、工場から飛び散ったアスベストが原因で中皮腫になった」と指摘し、クボタの責任を認めて、およそ3200万円の支払いを命じました。
一方、国の責任については、「アスベストの健康被害を防ぐ法律を昭和50年までに作らなかったことが違法とは言えず、当時、工場周辺の住民が中皮腫を発症するおそれが明らかだったとは言えない」として、認めませんでした。
アスベストの健康被害では、工場の労働者の死亡について、国や企業の責任が認められた例はありますが、工場周辺の住民の健康被害について、企業の責任が認められたのは初めてです。
判決について原告の弁護団の八木和也弁護士は、「アスベストの健康被害が工場周辺の住民にまで及んでいることが初めて認められた判決で、アスベスト被害が公害として初めて認められた」と述べました。
一方で、国の責任が認められなかったことなどについては、不当だとして控訴する考えを示しました。
また、中皮腫で亡くなった山内孝次郎さん(当時80)の長男の山内康民さん(64)は、クボタの責任が認められたことについて、「謝罪をせず、金だけで済まそうとしたクボタの責任を認めたことについて妥当だと思う」と話していました。
(以下略)
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