00:00せめて2回戦で私が得た4000万余りの賞金は秋
00:05山さんに渡したい
00:06そう思って電話したりメッセージ送ったりしてるんですけど
00:11無視された
00:13わからなくもないな
00:15そもそも彼が君に協力したのは
00:17彼の過去が大きく影を落としているからね
00:21秋山さんの過去
00:23何ですかそれは
00:25君はどれほど秋山って男のことを知っているんだい
00:29えっと天才詐欺師ってことくらい
00:36確かに秋山は詐欺罪で服役していたが
00:39本来は詐欺師なんかじゃない
00:42心理学を専攻する普通の大学院生だったのさ
00:47普通の学生がなぜ詐欺なんかを
00:51秋山真一はね
00:53幼少期に父親を事故で亡くし
00:56母親の女で一つで育てられたのさ
01:00母親は息子に不憫な思いはさせまいと
01:04かばそい体で昼も夜も働いていた
01:09ただいま
01:10おかえり
01:11あらこんな遅くまで勉強して待っていたの
01:15母さんだってこんな遅くまで頑張ってくれてるんだから
01:20新一真面目に正直に生きるんだよ
01:24正直に生きていればきっと幸せになれるからね
01:28うん
01:30その教えを守った秋山は学年トップの成績で中学高
01:35校と進み
01:36そして超名門帝都大学に入学した
01:41しかしその頃になると母親は
01:44何年の無理がたたり体を壊してしまう
01:49母さんもう無理はしないで
01:53俺大学なんか辞めたっていいんだから
01:56何言ってんの
01:57お前は勉強してればいいの
02:00お前が卒業できるだけのお金は貯めてあるんだから
02:06嘘だった
02:09もはや秋山家には一円の金もなく
02:13あるのは莫大な借金のみ
02:17そんな時一人の旧友が手を差し伸べた
02:22もうなぜもっと早く私に相談してくれなかったの
02:26あなたのような人を助けてくれる団体がちゃんとあるのよ
02:31ほら
02:32衆営グループ
02:34ここのメンバーになれば自由な時間に働いてたくさんのお金
02:38がもらえるわ
02:40働くって言ってもね
02:41体調のいい日を選んで会員を集めるだけで十分よ
02:46本当に
02:46ね
02:47体の弱いあなたにぴったりでしょ
02:50ありがとう
02:51やっぱり持つべきものは友達ね
02:55それは悪徳ネットワークビジネスだった
02:58秋山の母親はまんまとはめられたのだ
03:02いつの世にも騙す者は
03:04弱っている人間をハイエナのように探している
03:08ひどい
03:09おそらく彼女はこの時本当に心も体も弱り切っていた
03:14のだろう
03:15いとも簡単に契約書に反応してしまった
03:20それが地獄の入り口とも知らずに
03:23真面目で無垢な秋山の母親はせっせと会員を
03:27増やしていく
03:29しかし借金は思うように減らなかった
03:32やがて彼女は自分も会員集めの名の下に大勢
03:36の人を騙していることを認識すると
03:39とてつもない罪悪感に苦しめられる
03:43すぐさま退会したが
03:45控えに莫大な医薬金を負わされ
03:48借金は返しようのない額まで膨れ上がった
03:52ずるく生きる器量があれば
03:54彼女はあんなに苦しまなかった
03:57正直であるがゆえに
03:59人を信じたがゆえに
04:01彼女は死ななければならなかった
04:05それ以外の道はなかったのだ
04:07大学で犯罪学をかじっていた秋山は
04:11詐欺罪の立憲の難しさを知っていた
04:15だから自ら詐欺師となって
04:17母親を死に追い込んだビジネス集団を騙し返し
04:21そして潰した
04:24知らなかった
04:26秋山さんにそんな過去があったなんて
04:30そんな馬鹿正直だから騙されるんだ
04:33だからあんな言い方を
04:37秋山はきっと
04:39君に死んだ母親の姿を
04:41だぶらせたんだろうね
04:43だから君を放っておけなかった
04:46自分を犠牲にしてまで
04:48君をゲームから救い出そうとしたのも
04:51母を救えなかったという
04:53過去の過酌を拭おうとしているのかもしれないね
04:57ふふふ
04:58ふふふ
04:58それではまた
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