10:43ここが私の席ですまだ際なので気に入ってますここが小春さんが見ている景色なのですね黒崎さんはどんなふうに過ごしてたんですか
10:55僕はご存じのとおり人付き合いも苦手ですし一人で小説を読むか書くかしかしていませんでした
11:14そうなんですねもし私が同級生だったら黒崎さんに絶対話しかけてただろうねどんな話を書いてるの読んでみたいなって僕はきっとそんなあなたに恋をしたでしょうね
11:28私やっぱり黒崎さん一緒に帰りませんか?
11:41黒崎さんはい
11:55今日はお時間いただきありがとうございました小春さんの世界は僕にとっては青春小説のようで楽しかったです私も楽しかったです
12:04いつも一人きりだった僕に青春はなかったけれどそれでよかった
12:11あの頃は誰かとつながることを避けて生きていましたから
12:17でも今は誰かとつながりたいと思うようになりました
12:24小春さんと出会って僕は変わっただからありがとうございます
12:29私も
12:37私も黒崎さんに出会って変わりました
12:40えっ?
12:43千冬から聞いたと思うんですけど
12:51私お母さんが倒れた日お店を手伝わずに遊びに行って
12:58それからずっと家族を笑顔にするために生きてきました
13:01でも
13:06黒崎さんに突然プロポーズされて
13:11初めは怖かったしびっくりしたけど
13:13黒崎さんは
13:16一途に
13:18まっすぐ私を見てくれて
13:26自分を大切にしてもいいんだって思えるようになったんです
13:29それなのに
13:33家族のこととか進学のこととか
13:37いろいろ考えてたら頭こんがらがっちゃって
13:40でも今日
13:43黒崎さんに会って分かりました
13:48自分の気持ち
13:50だから
13:51私
13:55今からすごいわがままを言います
13:57えっ?
14:00私
14:00無理です
14:05黒崎さんからのプロポーズを忘れるなんて
14:06無理です
14:15だってあれは黒崎さんがくれた大事な言葉だから
14:18それに私は
14:24好きな人と結婚したいんです
14:29好きな人と
14:31はい
14:35私の両親みたいに
14:36それはつまり
14:39私は
14:45黒崎さんと一緒にご飯を食べて
14:46笑って
14:52そういう毎日をずっとずっと過ごしたいです
14:53だから
14:58高校を卒業したら
15:02私と家族になってください
15:09家族
15:27プロポーズを忘れて欲しいとお願いしたのは
15:31僕が小春さんの負担になっていると思ったからです
15:34プロポーズをするのは
15:37もっと僕がしっかりしてからだと
15:40でもそれは
15:43僕の独りよがりでしたね
15:47小春さんは小説が書けなくなり
15:48何も食べられなかった僕を
15:50白瀬のおにぎりですくってくれました
15:54僕のような弱い人間を受け入れ
15:56勇気づけてくれて
16:00大切な弟との絆も
16:02取り戻させてくれました
16:13僕が買われたのを強くなれたのを小春さんがいたからです
16:23白瀬小春さん
16:25プロポーズ
16:27慎んでお受けいたします
16:35天にも昇るような喜びも
16:38胸が張り裂けるような悲しみも
16:42あなたと一緒に分かち合いたい
16:45どうか
16:48僕と家族になってください
16:54はい
17:03僕は今日という日を忘れません
17:07小春さんの言葉も
17:08眼差しも
17:12風の香りも
17:13水面の揺らめきも
17:17この喜びを
17:18僕は一生忘れません
17:24私も黒崎さんの笑顔を
17:25ずっと忘れません
17:27ずっと忘れません
17:54ずっと忘れません
18:16お父様
18:21小春さんとの婚約をどうか認めていただけないでしょうか
18:24僕の全てで小春さんを守り
18:26愛していくと誓います
18:37小春に突然プロポーズされたと聞いたときは驚きました
18:41小春には店の手伝いも
18:45母親の代わりもさせてしまって
18:49ずっと申し訳ないと思ってて
18:54でも一生懸命なこの子を見ていたら
18:56何も言えなかったんです
18:57お父さん
19:22そこにあなたが現れて小春は自分の気持ちを大切にしてくれるようになりましただからありがとう黒崎さん娘をどうかよろしくお願いしますご了承いただき
19:25強烈至極に存じます
19:26クーちゃん!
19:31奈っちゃん今大事なとこだったのに
19:32ねえねえよろしくお願いします
19:37こちらこそよろしくお願いいたします
19:41よろしくお願いいたします
19:43お願いします
19:58小春さんのお母様
20:04小春さんと婚約させていただいた黒崎綾人と申します
20:05僕も
20:09ずっとあなたに感謝をお伝えしたかった
20:16小春さんという素晴らしい存在を生み育ててくださったこと
20:23白瀬という温かな店を作り小春さんと出会わせてくださったこと
20:27どれだけ感謝しても仕切れません
20:31本当にありがとうございます
20:39黒崎さん
20:54こちら小春さん特製の絶品おにぎりと僕が作りましたおにぎりです
20:57小春さんのご指導のおかげで
21:01なんとかは岩石状態からふっくらにぎれるようになりましたので
21:02ご安心いただければと思います
21:07小春さん
21:11きっとお母さんも笑って喜んでます
21:17お母さん
21:23黒崎さんはこんなふうにまっすぐでちょっと不器用で
21:26すごく優しい人なんだよ
21:32私のことも私の家族も大切にしてくれる
21:37私の大好きで大切な人なんだ
21:48だからお母さん私と黒崎さんを見守っていてください
22:13いただきまーす
22:16初恋だ正解は何なんだ
22:23小春さん
22:25小春さん
22:28僕はこれから先も一途にあなたを
22:30あなたのご家族と
22:34あなたのおにぎりを愛し続けます
22:36うん?
22:39それって一途って言うの?
22:44小春の作ったおにぎり以外は一生食べないってこと?
22:46そのおにぎりも
22:48えっ
22:49あっいやあのそれは
22:52それは
22:53全部まとめて一途にお願いします
22:57はい
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