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  • 7 週間前
世界めいさく童話 S01E18 幸福の王子

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教育
トランスクリプション
00:00幸福の王子
00:04昔、ある国に体が金箔でできた一人の王子様の銅像が建っていました。
00:22町の人々はこの銅像を幸福の王子と呼んでいました。
00:27腰の剣にはルビーがはめ込まれ、目にはサファイアが輝き、
00:36幸福の王子はこの二つの目で長い年月の間、町を見続けてきたのです。
00:45ある年のことです。
00:48冬が近づき、ツバメの群れは温かい南の国を目指して飛んでいきます。
00:54この町にも冬がやってきました。
01:03ある夜、南の国への出発が遅れた一羽のツバメが、
01:11幸福の王子の足元にたどり着きました。
01:14はぁ、疲れた。少しの間休むことにするか。
01:19はぁ。
01:25ん?もう冷たいなぁ。
01:28あ、王子様。
01:37あなたは幸福の王子でしょ?
01:40それなのにどうして泣いているのです?
01:43ツバメ君、聞いてくれ。
01:45僕はまだ生きていた頃、涙なんてものを知らなかった。
01:49それは、王子様が幸せだったからですよ。
01:53そう、幸せすぎたくらいだ。
01:57だが、この姿になって、こうして高いところから町を見ていると、
02:02泣かずにいられないことがいっぱいあるんだ。
02:06今夜もそうだ。
02:07何が見えるんです?
02:13向こうの狭い裏通りに、貧しい親子が住んでいる。
02:21父親は病気で死んでしまい、
02:24母親の仕立て物の仕事で、何とか暮らしを立てているのだ。
02:30ところが今、子供が病気にかかってしまい、
02:33高い熱で苦しんでいるのに、
02:35母親は、子供を医者にかけることはもちろん、
02:40薬を買うこともできないのだよ。
02:43仕方なく母親は、子供に水だけを飲ませているんだ。
02:50かわいそうに、助けてあげたいが、
02:54僕は動くこともできない。
02:58ツバメ君、頼みがある。
03:00僕の剣からルビーを取り外し、
03:02あの子のところへ、持って行ってくれないか。
03:07でも、私は一休みして、すぐに飛び立たなければなりません。
03:13もう、冬の寒さも厳しくなっています。
03:17早く南の国へ行かないと、私は凍え死んでしまいます。
03:20分かっている。
03:23でも、早く薬を飲ませないと、
03:25あの子は死んでしまう。
03:30ツバメ君、今夜一晩だけここにいて、
03:33僕の使いをしてほしい。
03:42ツバメ君、頼む。
03:44分かりました。
03:51ルビーは固くはめ込まれていたので、
03:55ツバメはそれを取るのに一晩中かかりました。
03:58何これ?
04:26こ、これはルビーだわ。
04:29でも、どうしてこれが、私の手に。
04:38でも、これで、お医者様にもかかれるし、
04:41薬も買えるわ。
04:43そうよ、きっとこれは神様のお恵みなんだわ。
04:47おお、神様。
04:49ありがとうございます。
04:49この子が助かったら、私はどんなことでも、
04:53あなたの御心に従います。
04:55ありがとうございます。
04:59王子様、母親は本当に喜んでいました。
05:03ありがとう、ツバメ君。
05:06すまないが、もう一晩泊まって、
05:08使いをしてくれないか。
05:11王子様、私はもう旅立たないと。
05:13町の向こうで、貧しい若者が勉強している。
05:20この寒空に、火の気もなければ、食べ物もないんだ。
05:25もう一晩泊まって、僕のサファイアを届けてほしい。
05:29でも、それは王子様の目ですよ。
05:32目を取ってしまってもいいのですか?
05:34頼む。僕の言う通りにしてほしい。
05:38う、うん。
05:43ツバメ君、君の気持ちはわかる。
05:46しかしこれは、僕の心からの願いなのだ。
05:51わかりました。
05:52そこまでおっしゃるんなら、お役に立ちましょう。
05:55ツバメはまた、一晩がかりで、
06:04王子様の目からサファイアを取り出し、
06:07若者に届けました。
06:11そして王子様は、
06:12残っているもう一つのサファイアも取り出させました。
06:17かわいそうなマッチ売りの少女に与えるためです。
06:21マッチはいかがですか?
06:23マッチはいかがですか?
06:25マッチは、
06:28ああ、
06:30サファイアだわ。
06:34どうしてくれが私の鴨の中に。
06:40ツバメ君、
06:42幾日も引き止めてすまなかった。
06:44さあ、早く出発してくれ。
06:46王子様、
06:48あなたはご自分の二つの目を抜き取ってしまって、
06:51もう何も見えない。
06:53おかわいそうに。
06:56何、ツバメ君。
06:57僕は自分のしたいことをしたんだ。
07:00満足しているよ。
07:01王子様、
07:03私も自分のしたいことをすることにしました。
07:07こうして、
07:08いつまでも王子様のおそばにいることにします。
07:11それはいけないよ。
07:13君は早く南の国へ旅立つのだ。
07:17これからは寒さが厳しくなるばかりだから。
07:20でも、
07:22私はもう決めたのです。
07:24王子様のお祝いをして、
07:26王子様のお祝いをして、
07:27みんなが喜ぶのを見ていたら、
07:30みんなが喜ぶのを見ていたら、
07:32ほーら、ちっとも寒くなくなりました。
07:36ツバメ君。
07:39私も今は王子様と同じように満足しているのです。
07:44なぜか、
07:45胸の中があったかいんですよ。
07:47こうして、
07:49ツバメは今まで見てきたいろいろなことを話して、
07:53両目をなくした王子様を慰めて過ごしました。
08:06あれは、そう、去年の夏のことでした。
08:10私は暖かい太陽の光に積まれて、
08:15海の上を飛んでいるとき、
08:18トビオがキラキラ輝いて、
08:22そりゃ、もう…
08:24ツバメ君、ツバメ君。
08:26眩しいほど美しく、美しく…
08:34ツバメ君。
08:36ツバメ君。
08:38ツバメは寒さに耐えきれず、
08:41ついに死んでしまいました。
08:44ツバメ君。
08:45ツバメ君。
08:48ツバメ君。
08:55ツバメ君。
08:57ご視聴ありがとうございました
09:27あの街でお前が一番尊いと思うものを私のもとへ持ってくるように
09:39かしこまりました
09:57天使は神様の前に王子の心臓と死んだツバメを持ってきました
10:18お前は素晴らしいものを持ってきてくれた
10:23王子様とツバメは天使になりました
10:34神様は王子様の人を愛する優しい心を喜び
10:40王子様とツバメを天使としてよみがえらせたのです
10:45そうしてその尊い心はいつまでもいつまでも
10:51人々の中に生き続けていきました
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