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  • 11 年前
東京電力福島第一原子力発電所で、高濃度の汚染水およそ200トンが、本来の移送先ではない建物に流れ込み、東京電力は、本来、使う予定のないポンプが起動されていたことから、詳しい原因を調べています。
福島第一原発では、原子炉建屋の地下からくみ上げた高濃度の汚染水を、ポンプでくみ上げて、近くの複数の建物にためたうえで、処理設備に送っています。
東京電力によりますと、今月11日、汚染水をためる「プロセス主建屋」と呼ばれる建物の水位に異常があったことから、調べたところ、本来作動する必要がない、汚染水を送るためのポンプ4台が作動していました。
この結果、汚染水が逆の方向に送られたり、本来の移送先ではない「焼却工作建屋」と呼ばれる建物の地下に送られたりしていたことがわかりました。
このうち、焼却工作建屋に誤って送られ、たまっていた汚染水の量は203トンで、今月8日の分析結果から、1リットルあたり3700万ベクレルという、高濃度の放射性セシウムが含まれるとみられます。
東京電力は、焼却工作建屋の地下に、外部とつながる貫通部がないため、汚染水の漏えいはないとしていて、14日午後から、本来の「プロセス主建屋」に水を戻す作業を始めました。
東京電力によりますと、作動した4つのポンプは、3年前の平成23年6月に設置されて以降、一度も使用されていません。
ポンプを起動するには、建屋のなかに入って、操作盤を動かす必要があるということです。
建屋は施錠がされておらず、作業員が立ち入れる状態になっていたということです。
これまでのところ、ポンプや操作盤に、故障などの不具合は確認されていないということで東京電力は、誰かが建屋の中にある操作盤を動かして、ポンプを起動させた可能性もあると見て、詳しい経緯を調べています。
福島県は今回のトラブルを受けて、14日、楢葉町に常駐させている職員2人を、東京電力福島第一原発に派遣し、現場の状況を確認するとともに、東京電力側からトラブルの経緯を聞き取るなど、調査を行いました。
福島県が調査の際に撮影した写真では、「プロセス主建屋」にあるポンプの電源操作盤が写っています。
操作盤には、5つのスイッチが配置されていて、このうち2つが、ポンプに電流を送るためのものだということですが、一つひとつに、何のスイッチかを示す表示はありません。
操作盤には、開閉のできるカバーがついていますが、福島県によりますと、カバーに鍵はついておらず、誰でも操作ができる状態になっていたということです。

04月14日 19時39分

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