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  • 2014/2/23
閉まっているはずの弁開いていた経緯調査
東京電力福島第一原子力発電所で、山側のタンクから極めて高濃度の 放射性物質を含む汚染水およそ100トンが敷地内の地面に流出した問題で、東京電力は原因として指摘されているタンクに汚染水を送る配管で、本来閉まって いるはずの弁が開いていた経緯などを詳しく調べ、再発を防ぐ対策を検討することにしています。
この問題は、福島第一原発4号機の山側にあるタンクに水が入りすぎ、19日から20日にかけてタンクの天板と側面の板の継ぎ目から汚染水およそ100トンが周辺の地面に流出したものです。
流出した水からは、放射性ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が、タンクからの汚染水漏れとしてはこれまででもっとも高い、1リットル当たり2億4000万ベクレルという極めて高い濃度で検出されました。
原因について東京電力は、汚染水を処理設備からタンクに移送する配管の途中にある、本来閉まっているはずの3つの弁のうち、1つは故障していた疑いがあり、別の2つの弁も開いていたため、予定していなかったタンクに汚染水が入りすぎ、あふれたと説明しています。
東京電力は、故障の疑いがある弁の状態やほかの弁がなぜ開いた状態になっていたのかを詳しく調べることにしています。
また漏えいが見つかる9時間以上前の19日午後2時すぎ、タンクの水位が高まっていることを示す警報が鳴っていました。
しかしその後、タンクの水位計のデータは反対に水位が急に低下したことを示したため、警報は水位計の故障によるものと判断しタンク周辺のパトロールはしたものの、タンク内の確認はしなかったということです。
このため東京電力は、警報が鳴ってからの作業員の対応なども調べ、再発を防ぐ対策を検討することにしています。
相次ぐタンクからの汚染水漏れ
福島第一原発では、これまでにもタンクからの汚染水漏れが問題になり、東京電力はパトロールの強化やタンクを監視する水位計や警報機の設置といった対策を進めてきました。
去年8月には、4号機の山側にあるタンクから高濃度の放射性物質を含む汚染水300トン余りが漏れました。
これついて原子力規制庁は、漏れた汚染水に含まれる放射性物質の推定量などから国際的な原子力事故の評価基準に基づく評価を、8段階あるうちの上から5番目の「レベル3」としました。
去年10月には、4号機の山側にある別のタンクの上部から高濃度の汚染水が漏れ、調査の結果、傾斜のある場所のタンクに水を入れすぎたのが原因と分かりました。汚染水は今回と同じようにタンクの天井部分から漏れて点検用の足場を伝って「せき」の外に漏れていました。
こうした汚染水漏れが相次いだことを受けて、東京電力は異常をいち早く発見するためのパトロールの強化やタンクを監視する水位計や警報機の設置といった対策を進めてきましたが、今回はこうした対策が生かされませんでした。
また、今回漏れ出した汚染水はタンクの周りに取り付けられた雨どいを伝ってタンクを囲うせきの外に流れ出しました。
この雨どいは、せきの中にたまった汚染水を雨水によって増やさないよう取り付けられたものですが、今回のように雨どいの上の部分で汚染水が漏れると、せきの外への流出につながるため東京電力は対応を検討するとしています。

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