3.11 あの日から2年  メルトダウン  原子炉"冷却"の死角
  • 11 年前
NHKスペシャル 2013.3.10.

「人類は原発を制御できるのか」「安全対策は本当に十分なのか」。再稼働をめぐって社会的な議論が続く原発。発端となった東京電力福島第一原子力発電所の事故が、なぜどのように起きたのか。事故から2年たったにも関わらず、いまなお謎と課題は残されたままだ。「メルトダウン」シリーズでは、最初に水素爆発を起こした1号機の検証をおととし12月に、その後メルトダウンに至った2号機・3号機の検証を去年7月に放送、大きな反響を得た。その後の取材で浮かび上がってきたのは、“複数号機”が同時多発的にメルトダウンを起こすという世界で初めての事態が、事故の対処をより困難にした、という事実だった。型が全く異なる冷却装置を使ってメルトダウンへの対応を行った1号機と2号機。現場では2号機への危機感が強かったにもかかわらず、実際の事故の進展は1号機の方がより危機的だった。また3号機と4号機では、稼働中だった3号機の原子炉の冷却に力を注いでいる間に、運転が止まっていた4号機燃料プールの1535本の使用済み核燃料棒がメルトダウンの危機にさらされるという事態に陥った。
番組では、さらに国内外の専門家チームとともに、原子炉を模した海外の巨大な施設での実証実験やコンピューター解析(コンピューター・シミュレーション)を実施。そこからは原発の安全性の根幹に関わる驚くべき事実が浮かび上がってきた。事故は本当に防げなかったのか。全国で原発再稼働の動きが進む中、事故の教訓はどこまで生かされているのか。証言に基づく再現映像やデータに基づくCGを駆使して検証する。
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