沖繩返還40年「基地とカネ」の深層

  • 12 年前
「沖縄は本日祖国に復帰いたしました」
戦後アメリカによる統治が続き日本の急速な発展から取り残された沖縄。
復帰すれば基地や経済格差のない豊かな暮らしが手に入ると多くの県民は期待を寄せました。
復帰後、国が沖縄に投じた振興予算は総額10兆円。
沖縄の経済の自立的発展が目的とされましたが次第に基地負担の見返りという性格も強まっていきました。

元首相補佐官
「彼らの閉塞感を緩和してやると、それがお金という形になってしまったのは、いたしかたない」

元沖縄県知事:大田昌秀さん
「お金は怖いですよ、すごく。人の魂を簡単に買い取ることが可能ですからね」

40年たっても失業率や県民所得は全国最低レベル。
国からもたらされるカネへの依存が深まり自立に向けた確かな展望は開けていません。

前村長
「『沖縄をこんな状況にさせたのは誰だ』って言いたい気持ちでいるんですけどね」
「基地とカネ」の構図はどのように生まれ広がっていったのか。そこからどう抜け出していくのか。

沖縄振興策 “基地依存”の構図:早稲田大学教授 江上能義さん
沖縄は復帰前基地経済というふうに言われまして、米軍基地に依存する経済だったのを脱却するために沖縄の自立経済を構築するために日本政府にも要望しまして振興開発計画をずっとこれまで40年間続けてきました。
そういう意味でインフラが整備されまして、経済発展の基盤が整備されたんですけども、公共工事がずっと継続され続けて沖縄県の国に対する財政依存度が約40%と他府県の20数%と比べてはるかに多い依存度で、これがやっぱり本当は公共工事というのは公共投資というのは自立の基盤を作るためのものがそれが依存体質を深めたというところに、沖縄のゆがんだ構造となっていると思います。

基地から得られる収入はかつての15%ぐらいから5%ぐらいに下がりまして、非常にそれは全く結局、基地があるがゆえに公共投資が今日までずっと続けられてきて結局、財政依存度が深まったと。
しかし、国にとっては国の財政に依存しているというのは、米軍基地を沖縄にお願いするという立場からすると非常に国にとっても都合のいい部分もあったということがいえるだろうと思います。

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