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御宿かわせみ 第2シリーズ 第6話
江戸の大川端にある小さな旅籠(はたご)「かわせみ」を営む女主人・るいと、その恋人で与力の弟・東吾が、仲間たちとともに江戸の町に起こる難事件を解決していく人情捕物帳。総合(水)午後8時からの50分枠。原作:平岩弓枝。脚本:大西信行、金子成人ほか。音楽:池辺晋一郎。出演:真野響子、小野寺昭ほか。1982年度に同じキャストで続編を放送。2003年度に『金曜時代劇』枠で、新キャストによる新シリーズを放送。 原作:平岩弓枝 脚本:大西信行 音楽:池辺晋一郎
#邦画
Transcript
00:00目を閉じて 私に触れて 祭り林が終わるまで
00:26指先で 辿る愛が 今 過去の川を ゆっくり 下ってゆくわ
00:41あなたはいつも 悲しみを 笑い流してくれた
00:52私の手を引いて 壊れかけた橋を 渡ってくれた
01:04ひととき思い出 見つめ合い あなたとの愛を 皮盛り重ねたい
01:16だから だから
01:27目を閉じて 私に触れて 祭り林が終わるまで
01:46目を閉じて 私に触れて 祭り林が終わるまで
01:59ちょっと戦い深い そんなゆっくり 段々に 寂しい
02:16こういう日にどんどんどんするのしないですよね
02:20この寒さに駄菓子のね
02:24申し訳ございません
02:28今しばらくお待ちください
02:46赤ん坊を使って押し込みを働く妙なヌストが現れまして
02:50赤ん坊を使ってってどう赤ん坊を使うってんだ
02:54神田の駿河台から小川町辺り
02:59ご承知のように武家屋敷になっている一角に
03:02北から東のまな板橋まで細長く町屋になっております
03:06元飯田町だ
03:10その中の煙草問屋の伊勢谷東四郎の店の前に
03:19ある日の夕方捨て子があったんです
03:35番頭さん赤ん坊が鳴いているよ
03:37壁吉ちょっと表を見ておいて
03:41はい
03:42番頭さん
03:46番頭さん
03:48朝ちゃんが
03:50最初は捨て子とは思わず
03:54近くの子守っ子が遊びに夢中になって
03:57置き忘れていったんじゃないかと
03:59小僧や手大が町内を走り回って聞いてみたが
04:03どこの赤ん坊かも分からず
04:05これが捨て子だってことになったんです
04:08どうした
04:15吉野家さんの大座さんに
04:19お乳を飲ませてもらったら
04:21泣き止んで寝ましたよ
04:23そうっけ
04:23こんな可愛い赤ん坊
04:27どこの誰が捨てたのか
04:29伊勢谷夫婦も四人の子持ちで気の優しい人たちでしたから
04:37その夜は夫婦の間に子供を寝かせて朝になりました
04:41伊勢谷の店が開くのを待ちかねたように一人の男が飛び込んできたんです
04:46申し訳ございません
04:55ゆめこちらの表へ捨てた赤ん坊
04:59どうか返しとくんなさいまし
05:02それじゃあお前が赤ん坊の
05:05旦那様
05:07旦那様
05:08これこれ道先で何だね
05:10あなたもそんなところに座ってないで
05:16さあこっちへお上がり
05:19男は仕立て職人の正之助と言って
05:23女王に死なれて
05:24昨夜でちょうど四十九日だったと
05:26伊勢谷夫婦に言ったそうです
05:29さあどうぞ
05:32お上さんを亡くして
05:47死にたい気持ちは分からなくはありませんけれどね
05:50お前さんが死んでしまったらその子はどうするんです
05:55そうでなくても母親に死なれて
05:59これからずっと寂しい思いをするだろうその赤ちゃんにとって
06:03父親のお前さん一人が頼りじゃありません
06:06お千代ちゃんのためにも心強く持って
06:17そうだそうだ
06:18一生懸命働いていればまだ若いんだから
06:22この子のいい母親になってくれる人もまた見つかる
06:26きっと幸せな日が来ますよ
06:29これは亡くなったお上さんに
06:35なにほんの先行代で変容はいりませんよ
06:41とっても大きい
06:43ありがとうそっちよ
06:49ありがとうそっちよ
06:51ところが
06:55それから5日ほど経った
06:59月のない晩です
07:02お前さん
07:09お前さん
07:10ん?ん?ん?
07:13赤ん坊の鳴き声がしやしませんか
07:15赤ん坊の?
07:19お千代ちゃんじゃありませんかね
07:21翔之助さんがお千代ちゃん連れて
07:24まさかこんな夜更けに
07:26いいえきっとそうですよ
07:29見てきてやってくださいな
07:59ご視聴ありがとうございました
08:29賊がおこうに蔵の戸を開けさせて
08:33800両余りの金を奪って逃げるまで
08:35店の2階にいた手台も小僧も
08:38誰一人気がつかなかったそうです
08:39でもそれ
08:42お千代ちゃんの父親の
08:43ほらあの翔之助って言いましたか
08:46その人のしたことなんでしょうか
08:48弁事に調べさせてみたんですけれどもね
08:50翔之助が行った浅草鳥越え編に
08:53女房に死なれて赤ん坊を抱えた下地職人は
08:56どう探しても見つからなかったそうです
08:57見つからなかった
08:59じゃあやっぱり怪しいってことになるわね
09:03ゲイさん
09:04もしそれが赤ん坊を使っての押し込みだとしたら
09:07伊勢屋だけってはずはねえと思うんだが
09:09ええ
09:09そう気がついて調べてみますとね
09:11この春からこっち
09:13本所の七店
09:15四ツ谷の桃面堂に赤坂の貸し屋に
09:17押し込みに入られた三軒が三軒とも
09:20その何日か前に捨て子を拾って
09:22その明る日の朝若い父親が赤ん坊取り戻しに来てんですよ
09:26ああ
09:27捨て子を取り戻しに来た親
09:30店先で赤ん坊を渡して
09:32じゃあ帰れという家はね
09:33どこでも奥へ通して
09:35意見の一つもするだろう
09:37まあその時に家の様子を十分に調べて
09:40まことに手際よく金を奪って逃げてるんですな
09:43丸自衛の丸野郎がいるもんだ
09:46それにしたって
09:48恩を仇で返すっていうのは
09:50ねえ許せませんよ
09:52まったくだ
09:52生まれたばかりの赤ん坊に悪事の片棒を担すなんてのは
09:55盗人の片髪にもわけねえ
10:05おー
10:17かすけさん
10:19はい
10:21どうしたのどうしたの
10:22わーかわいいよかちゃん
10:25おー
10:26かわいいよ
10:29おー
10:30ちょい
10:31ちょい
10:31ごめんください
10:33
10:33川越の鷹屋でございますか
10:38ああ
10:39いらっしゃいませ
10:41三河屋さんから伺ってお待ちしておりました
10:44いらっしゃいませ
10:45おもちゃ
10:46おすすぎ早く
10:48どうぞこちらでございます
10:50時は時だけに
10:56こいつはてっきり
10:57うねの旦那のおっしゃってた
10:59押し込みに狙われたかと思って
11:00うちなんか狙うもんですか
11:03ゆうきの三河屋さんからお話のございました
11:05田賀屋さんご夫婦でございます
11:08お子さんの目がお悪いとかって話だったわね
11:11生まれて半年くらいからどうもおかしいんです
11:22それでお医者様に見てもらったら
11:25このままでは大変なことになる
11:28江戸に乱歩の先生で
11:32伊藤良安という大層いい目の先生がいらっしゃると教えられまして
11:37ええ
11:37築地の伊藤良安先生でしたら
11:40私でもお名前だけは知ってます
11:42もし伊藤先生がこの子の目を見て
11:46よし手術をしてやろうっておっしゃれば
11:49満に一つ見えるようになるかもしれないからって言われて
11:53まあこんな小さなお子の目を手術するって言うんですか
11:59何の因果でこんなことになったというのか
12:04変われるものなら
12:06私が変わってやりたいと思います
12:10そうでしょうね
12:13バッチリと大きい黒い目で
12:23とても見えないなんて思えないんですけどね
12:26手術がうまくいって
12:29見えるようになるといいけど
12:31月夜の晩に川越えて
12:37お船に乗ってどこへ行く
12:45お船に乗って嫁に行く
12:53嫁に行く
12:56まだ土砂は海が嫁に行く
13:03嫁さん何もってどこへ行く
13:10霧のタンスに米持って
13:17おまんのところへ
13:22お江戸まで
13:24お江戸まで
13:47お帰りなさいまし
13:51お帰りなさいまし
13:53いかがでございました
13:56手術をして
13:59目が見えるようになるのは
14:01当のうち3つか4つだと思ってくれと
14:04先生おっしゃってくださいました
14:06当のうち3つか4つ
14:09はい
14:103つでも4つでも
14:12治るという望みがあるんでしたら
14:15ねえ
14:16はい
14:17わざわざ川越から出てらした甲斐も
14:19あったってもんじゃございませんか
14:21おっしゃる通りだ
14:23なおとみ
14:24こんな小さな赤ん坊に
14:27痛い思いをさせるのは
14:28かわいそうだが
14:29目が見えるようになるためには
14:31仕方がない
14:31この上は
14:33神様仏様に一生懸命
14:35おすがりをして
14:36
14:36はい
14:38そうしましょう
14:39今からすぐにでも
14:41お参りをして
14:42そしたらおかみさん
14:44ちょっと行ってまいります
14:45そうですか
14:46じゃあくれぐれも
14:47お気をつけて
14:48はい
14:49いってらっしゃいまし
14:51いってらっしゃいまし
14:53そうかい
15:19よその赤ん坊のために
15:21二人揃って
15:22茶立ちをしたっていうのかい
15:24ええ
15:25いってらっしゃいまし
15:28ひょっとして
15:29あれれれいの赤ん坊じゃあるめえな
15:32
15:33れいのって
15:34れいのあの押し込みのですか
15:35うん
15:36冗談じゃありませんよ
15:38伊勢屋の捨て子は女の赤ちゃんで
15:40名前も落ちよって言ってましたよ
15:42赤ん坊なんてのは
15:44男か女かちょっと見には分かるまえ
15:46まあ
15:47バカ旦那
15:48おう
15:49失礼します
15:50いえねえ
15:55実を申しますと
15:57あっしろさまを
15:59もしやと思い出して
16:02
16:02かすけさんも
16:04お嬢さんには内緒で
16:07田谷さんご夫婦が
16:09築地の両安先生のとこへ
16:11赤ちゃんを連れていらっしゃるとき
16:13後をつけてみたんでさ
16:15はっきれた
16:16ちゃんと医者には通ってんのか
16:21ええ
16:21こっそり両安先生にも目にかかって
16:24キンキン赤ちゃんの目の手術をするつもりだと
16:27伺ってまいりました
16:28どうです
16:29疑いはね
16:31晴れましたでしょ
16:33ウストラ赤ん坊が目を患うってことだってあら
16:36まだそんなこと言って
16:38あの後赤ん坊を使った押し込みがねえのも
16:42赤ん坊の眼病に気づいたからかもしれねえぞ
16:45押し込みの赤ん坊とうちの赤ちゃんと一緒なんかしないでください
16:49すごいですよ
16:50ふう
16:55あら
16:58お出かけですか
17:04茶立ちをしている者を前に置いて
17:06こっちだけいい気持ちで酒も飲めまい
17:08出直してくるぞ
17:11お出かけします
17:14お出かけします
17:23お出かけします
17:25やって振りますよね
17:44若旦那がぷいっとお帰りになってあくる日からずーっとやまないんですもんね
17:49来るのもいいがもう少し人々と風情のある不良がありそうなもんじゃねえか
17:55番頭さん
17:56え?何だ?
17:57あのー誰か甘宿りするみたいなんですけど
18:00甘宿り?
18:01ほんとだ
18:04あんなとこにいたんで濡れちゃいますよ番頭さん
18:07もう中に痛げちゃいけませんか
18:08そうな
18:09あんなとこにいたんじゃねえか
18:39隠れますよ
18:40中へお入りなさいな
18:42いいですよ
18:43赤ちゃん
18:44あんたがよくても赤ちゃんが風邪も引いたらとーんだことになるじゃないの
18:48さあ
18:50さあ
18:51お入りなさい
18:53お客に乗ってこの友達からずーっともらう手
18:55労してくれ
18:57おいしよしよし
19:00ああ 可愛い状態に
19:02よしよしよし
19:04ちょっとし帰らなきゃ
19:06撮るんです
19:08まあまあ、ケールたってこのふりじゃどうしようもねえやな。 もう少し様子見たほうがいいよ。
19:15お吉さん、赤ちゃん、ちょっと見てあげて。
19:18よしよし、大丈夫。
19:22赤ちゃん、熱があるんじゃありませんか?
19:25えぇ?
19:27あ、すごい熱。
19:30カスケさん、お師様、お吉さん、とってあげて。
19:33おきみちゃん、鍵のまわいてたでしょ。お布団していただいて。
19:37どうですか、先生?
19:47風だと思うが、なんせ熱があるから。
19:52おい、しっかりと冷やしてやるんだ。いいな。
19:57熱が下がらんと、命というのはなりかねえ。
20:04土台、こんなに熱のある子を、雨の中にしようやる子なんて、気をつけなければいかんぞ。ん?
20:20じゃあ、お大事にな。
20:25どうも、ありがとうございました。
20:26ありがとうございました。
20:27ありがとうございました。
20:28じゃあ、お吉さん、赤ちゃんの方、お願いね。
20:32はい。
20:38赤ん坊が熱を出したんだって。
20:43また、目が悪くなったのか。
20:46うん。別の赤ちゃん。
20:48別の。また、他に赤ん坊が舞い込んできたっていうのか。
20:55よくまあ、次から次へと、赤ん坊が舞い込んでくるもんだな。
20:58今度は、どんな子だい?
21:02それより、この間は。
21:04ん?
21:05かにんしてくださいね。私、馬鹿なこと言って。
21:09何の?
21:10おい、ルイ。
21:20どうしたと言うんだ。
21:22怒って、お借りになってしまって、もう来てくださらないんじゃないかと。
21:28私、私。
21:30怒ってなんかいるものか。
21:32だって。
21:34ゲンさんに、知らせに行ったんだよ。
21:36え?
21:37ウネ様に?
21:39ああ。
21:41ウネ様に、一体何を?
21:44川越のタガヤか。
21:47あの夫婦と赤ん坊のことをさ。
21:50あなた、まだ疑ってらっしゃるんですか?
21:54念には念を入れろと言うじゃねえか。
21:57ゲンさんに知らせて、築地の医者へ行くタガヤ夫婦を、それとなく伊勢谷夫婦に見てもらったんだ。
22:03違うって言ってましたでしょ。
22:04はっきり、違うとは言えない様子だった。
22:09え?
22:11伊勢谷の主は似てるといい、神様は別人だと思うがと言っていたそうだよ。
22:16じゃあ、ウネ様もタガヤさんが押し込みの一味じゃないかと疑ってらっしゃるんですか?
22:20伊勢谷は疑ってみて、電池を川越へ調べにやった。
22:25ああ、そんなことまでなすったんですか。
22:29仕事だよ。
22:33ゲンさんにしてみりゃ、この際だ。
22:36気になる者がいたら、白黒のはっきりさせるまで調べなければならない。
22:40もし、あのタガヤ夫婦が押し込みで会ってみろ。
22:42ルイだって無事じゃいられねえと思うから。
22:46この雨の降り続く中、ゲンさんと二人でずっと見回りに来ていたんだ。
22:51え?
22:56やだ。
22:58どうして中へ入ってくれなかったんです?
23:01侍がいたら、奴らも用心をすると思ったからさ。
23:05そんなことも知らないんだよ。
23:09私。
23:11私。
23:20おい!
23:24え?
23:25か、川越のタガヤ夫婦はどうしたらいい。
23:28え?
23:30あの、じゃ、やっぱりあの、ほ、押し込みの。
23:35違う違う。
23:37間違いなく川越在住の折物どんやだ、あの人じゃねえ。
23:41脅かさねえでくださいらしよう、旦那。
23:45
23:47電次が川越から帰ってきて
23:51田谷夫婦の疑い綺麗さっぱり張りました
23:54そうかいそうかい
23:56まあこっちに来てみるや
23:58喜んでいいのか残念と言うべきか分かりませんけれどもね
24:02ルイのためには喜んでやってくれよ
24:05茶立ちまでしてあの夫婦に肩入れしてるんだから
24:09
24:09いや手前もそう思ったもんですから
24:13とりあえずお知らせに
24:14ありがとう存じます
24:17ご心配おかけしまして
24:19ところでな原さん
24:21もう一人赤ん坊がこの家にいるんだよ
24:26もう一人
24:33どう?
24:34少し落ち着いたみたいです
24:35熱は?
24:37それがまだ下がらないんです
24:38もう一度原安先生に来ていただいたら?
24:42頼んで来てみます
24:42雨の中悪いけどそうしてもらってちょうだい
24:45はい
25:12成り行きでこんなことになってしまった
25:21おめえのうろたえる気持ちは分からんではないが
25:25親元に知らせてやらねば
25:27おめえの立場が
25:29な?余計悪くなる
25:30だからどうしてこんなことになったのか
25:33子供がどこの誰なのか話してごらん
25:36赤ん坊をおめえが連れ出して夜になっても
25:48どこ行ったのか分からないんじゃ心配だろ
25:50ましてこんな雨の日だ
25:53親だってどんなに案じていることか
25:55あの
25:56ん?
25:58あの子は私の子供なんです
26:00ちゃんと親がついてるんですから心配しないでください
26:06あんたの子供なんですか?あの赤ちゃん
26:13いえ私が産んだ子です
26:16だっていくつあった?
26:2218
26:2318?
26:2818には見えねえが
26:30ま、それはいいとして
26:32それではあの子の父親
26:34おめえの亭主はどこにいるんだ?
26:37父親なんていません
26:40父親がなくて子供は生まれねえぞ
26:43いません
26:43あれはあんたの赤ちゃんじゃない
27:01川越の方にある織物丼屋のご夫婦のお子さんでね
27:04明日目の手術をするの
27:07目?
27:09そう
27:09生まれつき目が悪くって
27:11手術をしなければ見えなくなってしまう
27:14手術をしてみても
27:23見えるようになるのは
27:25等のうち3つか4つ
27:26難しい手術だって話よ
27:30親御さんたちは毎日毎晩
27:36裸足でお百度踏んで
27:37どうか手術がうまくいってくれますように
27:40って祈ってらっしゃる
27:41できることなら私この目をくり抜いて赤ちゃんにあげたい
27:46お母さんそう言ってらしたわ
27:48自分の命を縮めても赤ちゃんの目が見えるようにって思ってらっしゃる
27:55親の気持ちって本当そういうもんよね
28:02もしあんたが本当にあの赤ちゃんの母親だって言うのなら
28:10今どうしたらいいか胸に手を当ててよく考えてごらんなさい
28:14私たちはみんなあんたとあんたの赤ちゃんの力になろうって言うんですよ
28:21私は今夜の晩に川越えて
28:26お船に乗ってどこへ行く
28:33お船に乗って嫁に行く
28:39嫁に行く
28:42ごめん坊や
28:47母ちゃんを許してやった
28:50おい
28:52お役人様ですね
28:59それがどうかしたか
29:02私のこと分かったんですか
29:07伊勢谷の捨て子はおめえの赤ん坊だな
29:11私は私はヌスットの仲間です
29:35でもあの子
29:37あの子に罪ありません
29:40助けてください
29:42お願いします
29:44助けてください
29:45落ち着いて
29:47ねえ落ち着きなさい
29:49言ったでしょ
29:50私たちは力になるって
29:51あんたとあんたの赤ちゃんの味方なんですからね
29:54何もかも申し上げるのよ
29:56いい
29:57若田が
30:00うん
30:01店の前に妙な野郎が二人ばかりおりやすんですが
30:04
30:05一人は道の向こうの路地に隠れて
30:09姿は見えませんが
30:10一人は川口にしゃがみ込んで
30:12あれでこっちは張ってるつもりでしょ
30:15おい
30:15お前仲間のところを逃げ出してきたのか
30:19前から考えていたんです
30:23でも怖くて
30:26けどあの子の具合が悪くなっても
30:29お医者様にも見せてくれす
30:30思い切って
30:33つけられたんですか
30:36おそらくな
30:37どうしよう
30:38カップしないやつは2階から姿が見えるな
30:41ええ
30:41おい
30:42見てくれないか
30:44たつごろです
30:56やっぱり仲間か
30:58マムシタダナの嫌なやつ
31:02でも
31:03腕の立つ恐ろしい男だってみんな言ってます
31:06仲間はみんなで何人だ
31:085人
31:11侍崩れの武兵っていうのが頭で
31:14辰五郎
31:16磯助
31:17源氏
31:18それに
31:20七葉家の一之助という
31:23非正役者をしていた
31:26それが
31:28あの子の父親だな
31:30路地にいるのがその一之助だね
31:35とにかく向こうから出向いてくれて
31:38手間が負けてありがたい
31:40うん
31:40ただし中へ踏み込まれると他の客に迷惑です
31:44外で
31:45
31:46やりましょう
31:47お前は外へ出るな
32:09裏合間あります
32:12こんばんは
32:17すいません
32:19
32:19どなたさんです
32:20手前は
32:22こちらにご厄介になっております
32:24赤ん坊の父親でございます
32:26ああ
32:26さようでございますか
32:28夜分遅くに申し訳ございません
32:30女房と赤ん坊を迎えに参りましたので
32:32どうか
32:33ここを
32:35お分けくださいまして
32:36すぐ開けますよ
32:38今開けますからね
32:40お待ちください
32:41おめえがブー兵か
33:10何だ貴様
33:12俺はカワセミの亭主を
33:16くそ
33:17おせえの奴裏切りやがったの
33:19大子さん
33:29手加減犯のようだ
33:31どうせこいつら三尺高い木の空で
33:34眼首を並べる奴らですからね
33:37そうやつまえ
33:40alan
33:58ハーハーハーン
34:01ハーハーハー
34:06どうしたブウェイ
34:36お嬢さん
34:39赤ちゃん
34:44え?
35:06ねんころり
35:09てんてんてんまり
35:13どこへゆく
35:16どこへゆく
35:20ふーたつあしわたって
35:28ねんころり
35:32ねんころり
35:35ころりころけて
35:40どこへゆく
35:43どこへゆく
35:47ねんつあしわたって
35:54ねんころり
35:57ねんころり
36:00ふーたつあしわたって
36:09ふーたつあしわたって
36:18ふーたつあしわたって
36:2715年前にも赤ん坊を使って押し込みをしてやったんで
36:32そのとき使った赤ん坊が
36:36あのおせいだった
36:39うん
36:41では親子2台
36:43泥棒の道具として使われてたと言うんですか
36:47なんと哀れな
36:50たくあわりで
36:52あわりすぎる
36:55おせい
36:58わずか3つのときに
36:59盗人にさられたおめえに
37:01赤ん坊のときのことを思い出すというのはむごい話と承知で聞いているんだ
37:06なんでもいい思い出してくれ
37:10それがおめえの本当の親を探し出す手がかりになるかもしれねえんだからな
37:16はい
37:18うん
37:20名前はおせい
37:24それが本当の親がつけてくれた名前かどうか分かりません
37:37武兵の仲間がおせいおせいと呼んでいたから自分の名前はおせいなんだと覚えているだけ
37:48武兵一味の余兵という年寄りがあたしをどこからかさらってきて
38:00道具に使って江戸、小田原、甲府、北へ行って伊達様のご両内を荒らし回って
38:16神方へも行きました
38:20武兵一味はどこへ行くにもおせいをつれていたそうだ
38:30小さな子供をつれていればまさかヌスットの一味とは思いにくい
38:38十五になった時、七化けの一之助がおせいを自分の女にして、今年あの赤ん坊が生まれた
38:50武兵は十五年前のやり口をまたぞろやろうと決めて、おせいから赤ん坊を取り上げた
39:02いやだってあたし、それだけ赤んにしてくださいって、武兵にも頼みました
39:08一之助にも、泣いて頼んでみたんですけど、聞いてもらえませんでした
39:14だからだし、あの子連れて逃げました
39:18でも、すぐ捕まって
39:22今度ばかりは殺されてもいい
39:33どんなことをしてでも逃げをすつもりで逃げてきたんだと
39:39おせいは玄さんにそう言ったそうだよ
39:42でもそのおかげで、武兵一味五人、一人残らずお縄にできたんですから
39:47ねえ、おせいさんなんとか助けてあげられないんですか?
39:50うん、それは俺も兄上に聞いてみた
39:52そしたら?
39:53おかみにもお慈悲はあると笑って言ってくれたから
39:57助かるんですね、おせいさん
39:59なんとかお咎めなしということにしてもらえるだろ
40:02うわー、よかった
40:05おらしございますか?
40:06おー、なんで?
40:07入ってちょうだい
40:09お姉さまご見えになりました
40:11おー玄さん、どうしたい?
40:14いや、徳さんに伺ったら、もしかしてご存じじゃないかと思いましてね
40:18おー、何をだい?
40:20ええ、一つ橋渡って、二つ橋渡って、三つ橋渡ると
40:25ごろり回って元の場所へ出られるところが、江戸のどっかにあるはずだってんですが、知りませんかね?
40:30なんだと?
40:31いや、それがおせいの生まれた家だって言うんですよ
40:34一つ橋渡った
40:39ねんころり、ねんころり
40:44あ、それですよ、それ
40:48あの、おせいが子供の頃に聴いた子守唄だって話しました
40:51声ゆく、二つ橋渡って
40:58どうして徳さんそれ、知ってるんだ?
41:00おせいさんが歌ってたんですよ、赤ちゃんが死んだ、あの時に
41:09いつも家を出て、一つ橋渡って、また橋渡って、三つ橋渡って家に戻った、そう言ってるんですかね
41:18親を探す手がかりはそれだけかい
41:21えぇ、おせいをさらってきた余兵が、十何年か前に、武兵一味が仲間歩したときに、切られて死んでしまってますから、あたなには
41:30三つ橋渡って、元のところへ戻る場所か
41:37失礼します
41:39京橋川に三橋ってところがありましたよ
41:42なに?
41:43えぇ、あの、南八丁堀と水谷町のところに三つ掛かってる穴橋です
41:48水谷町のところに掛かってるのは、新福寺橋
41:51それから白尾屋敷のところののが、白尾橋
41:54あの、新福寺橋と間向かいに掛かってるのが、壇上橋っていましてね
41:59橋に一つ一つ名前はついておりますけど、土地のものは三つひくるめて三橋三橋ってそう言ってますが、あの橋ありませんか?
42:07うーん、いや、あれは、あれはあたしも気がついて調べてみたんだがね
42:12三橋渡って元の橋へぐるりと戻ってくるには、中の橋渡らなきゃいけないんだよ
42:18ああ、そうか
42:20あ、ああ、そうおっしゃられると、中の橋、ああ、四つ渡らなきゃなりませんね
42:26ああ、確かに
42:29じゃあ、一体どこなの?
42:31それが分からねえから、源さん、困ってるんじゃねえか
42:34ああ、ところで、あの、川越の赤ちゃんの目、どうなりました?
42:41ああ、あの赤ちゃんの方はね、開いたんですよ
42:45ええ、開いたんですか?
42:48ええ、見えるようになったんです
42:51そうですか、それはよかった、それはよかった
42:58見てやってくださいまし
43:00見えるんですよ、私たちの顔が
43:03初めて見えた私たちの顔、この子がじーっと見つめましてね
43:07おおーっと呼びかけるように声を出していったときには、もう
43:11うれしくて、うれしくて
43:13うれし涙で、二人ともな
43:15ほんとにもう、止まらないんです、うれし涙が
43:19一晩中、泣き明かしてしまいました
43:23こんなに泣いたら、今度は私たち二人、言えなくなるんじゃないだろうかって
43:29ははは、ははは、ははは
43:36ははは、ははは
43:3915年前に、子供をさらわれた夫婦二人、目が見えなくなるほど泣き明かしたでしょうな
43:51げんさん
43:53ああ、いや、まあ、何にしてもよかった、おめでとう
43:58おめでとう、ありがとうございます
44:01ルイさんも、茶立ちまでした甲斐がありましたな
44:04ええ、おかげさまで
44:14きのくに橋、仙台橋、二の橋、三の橋、荒木橋、さるい橋
44:25お嬢さん、たがやさんが何かお話があると言っておいでですが
44:29おや、何でしょう、どうぞお張りくださいまし
44:32はい、どうぞ
44:33ごめんくださいまし
44:35あの、先ほどの三つ橋を渡ると、ぐるっと回って元の橋へ戻ると言う
44:46ええ、手前どもが存じとるんでございますが
44:50川越に、そういう橋があると言うんですか
44:52いや、川越にではなく、このお江戸に
44:54ええ、どこです
44:56いつもこの子を連れて通って行って、良安先生のお宅のすぐそばに
45:01築地にですか
45:02はい、良安先生のお宅の前に、備前橋というのがございます
45:06うん
45:10おお、ここだ
45:11渡りますと、そこが本願寺様でございます
45:14うん
45:15目の手術の間、じっとしていられませんで、私たち夫婦、備前橋を渡って、本願寺様にお参りをして
45:23うん
45:24しばらく歩きますと、軽子橋がありまして、そこを渡って、川の向こうを逆に戻って、風間橋を渡りますと、良安先生のお宅の前へ
45:34うん
45:38そうだい
45:40ええ、確かに、ぐるっと待って、元の場所へね、ええ、出ます、出ます、出ますよ、若旦那
45:47カスケ、原さん、知らせてこい、付け地行って15、6年前に、娘をさらわれた親はいないから、探してこいと
45:52ええ、ガッテンだ
45:54お役に立ちましたでしょうか
45:57立ちましたとも、ええ、立ちましたとも
46:01ありがとう、ありがとう、ありがとう
46:07うん
46:09うん
46:11うん
46:13うん
46:15うん
46:17うん
46:19うん
46:21うん
46:23うん
46:25うん
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46:31うん
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48:33うん
48:37うん
48:39うん
48:41うん
48:43ご視聴ありがとうございました
49:13KBS 今夜7時
49:15美の壺 雅楽
49:19春日大社の奉納舞から皇居の演奏会 舞台裏まで
49:25雅楽の真髄に迫ります
49:29大和天寺精進日記
49:34伸びていって伸びていって伸びていって
49:37収穫の秋だね
49:39初物や
49:40初物
49:41この秋の取れたてを
49:43召し上がれ!
49:44日本三大引山祭りの一つ、秩父夜祭りを生中継、だしと花火の豪華共演、12月3日水曜、夜7時。
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