プレイヤーにスキップメインコンテンツにスキップ
#Japanesedrama

カテゴリ

📺
テレビ
トランスクリプション
00:00君と二人で 頬寄せ合い
00:23見つめたのは 星空
00:29君と二人で 肩を並べて 歩いたのは 細い道
00:52あの街の 角で
01:01クリスマスに欲しがっていた アコーディオンを送って
01:04久しぶりに兄と合奏した
01:07兄は自分の作詞作曲の歌を歌った
01:11いい歌だったが 過去への教習ばかりで
01:15未来への夢のない 悲しい曲だった
01:20毎日歌を書いた
01:26多い時には 一日に八箇所で レコーディングがあった
01:30この年 私の書いた詩の売り上げは
01:341500万枚に達した
01:37ねえ じゃあ
01:39兄さん またやったらしいのよ
01:41やったって何が
01:43え?
01:50あ 食事はいりません
01:52食べてきました
01:53それより悪いんだけど 風呂沸かしてもらえませんか
01:56昨日も一昨日も入ってないんで
01:58いやいやいや あの もうすぐ入れますから
02:00あ あの お茶いでね
02:02兄さんね 日本著作権協会から
02:07レイちゃんの印税横取りしたらしいわよ
02:10僕の印税?
02:11そう 11月にね
02:13兄さんね れいちゃんの実員持って
02:16教会に口座振替を変えてほしいって
02:19言ってきたらしいのよ
02:20それで弁護士さんがね 兄さんに会って
02:23その子と質問してるの 母さんが聞いて
02:25私に連絡してきたのよ
02:27だけどさ 振り込み口座変えるには
02:29僕の実員がいるはずだよ
02:31何言ってんのあんた
02:33兄さんが実員持ち出すのなんか
02:34そんなの お茶の子さえさいだわよ
02:36そりゃそうだ
02:38笑ってる場合じゃないわよ
02:40弁護士さんたちね
02:41兄さんを酷訴するって
02:42行きまいって楽しいわよ
02:44ふぅー
02:45で いくら横取りしたん?
02:47500万だって
02:49500か
02:51れいちゃん
02:53総理大臣のお給金あんた
02:55いくらか知ってんの?
02:5655万よ
02:57この間は1000万
02:59今度は500万
03:00総理大臣の年収の3年分のお金
03:03騙し取られて
03:04だけどさ そんな騒いだって
03:06その金が戻ってくるわけじゃないだろ
03:08へぇ
03:12すいません
03:14すいませんなんて本当に
03:18すいませんでした
03:20ねえさんが悪いんじゃないんだから
03:22心配しないでよ 酷訴なんかしないから
03:25はぁ…
03:27あれはとれいぞさ
03:29ねえさんにはお袋の面倒を見てもらって
03:31感謝してますから
03:32おぉ…
03:34おぉ…
03:36おぉ…
03:37おぉ…
03:38情けない私…
03:40どうしてあんな人なのかしら?
03:42ねえ あの人ずっとあれなのかしら?
03:45ずっと人に借金して生きてくつもりなのかしら?
03:48戦争に行く前はとってもしっかりした人だったのよ
03:52中西県の誇りだったんだもん
03:54病気なんじゃないかってお母さん言うのよ
03:57病院に入れたほうがいいんじゃないかって
03:59そりゃ兄貴が可哀想だよ
04:01いいよいいよ500万ぐらい
04:03書けば天から金が降ってくるのさ
04:06お背中流しましょうね
04:08よしてくれお姉さん
04:09だってな…
04:11申し訳ないんだもの…
04:13ねえ…
04:291億3000ないとな…
04:32俺が東京湾に浮かぶことなんだ
04:35ふざけたこと言うんじゃないよ
04:38ジャスラックの500で決まり悪いもんだから
04:401億3000なんて…
04:42ほんとだよ
04:43今日な…
04:44会社が倒産する
04:46今日昼から…
04:47再建者の会があんだよ
04:49一緒に来てくれ
04:51横にいるだけでいいからよ
04:52な?
04:53頼むよ
04:59皆さん…
05:01もし今ある負債を…
05:03半分にしていただけるのでしたら…
05:06すぐに…
05:08現金で返済いたします
05:09じゃあ…
05:10現金…
05:11いや…
05:12ちょっと待って…
05:13ちょっと待って…
05:15ここに…
05:16私の…
05:18弟が来ています
05:21ご存知でしょうが…
05:22弟は…
05:24有名な作詞家です
05:25知ってるぞ!
05:26あんたに金を貸したんじゃないぜ!
05:28その弟が担保だっつうから貸したんだよ!
05:31そうだ!
05:34おぉ…
05:356500万…
05:37な、なんとかしてくれ…
05:51よろしくお願いします!
05:53この通りです!
05:55申し訳ございません!
05:57よろしくお願いします!
05:59銀行預金を全部下ろして…
06:02家と音楽、印税を担保に…
06:053000万を借金…
06:07中西さん…
06:08何のためにお兄さんの借金を…
06:10あなたが返さなければならないんです?
06:14私の兄だからです
06:16そんな…
06:18人が良すぎる…
06:20知らんふりをしたら…
06:21この借金の券は新聞や週刊誌に出ます…
06:25先生は人気商売ですからね…
06:27あいつはそこら辺まで…
06:29きっちり計算済みなんだ…
06:31お兄さんはまるで悪性の癌ですが…
06:34こうしてるのも…
06:35ガン細胞に栄養を与えてるようなもんですよ…
06:38金を返す先は…
06:4628件あった…
06:53今日でお別れ…
06:54恋の奴隷…
06:56雨が止んだら…
06:575月の晴ら…
06:59昭和女ブルース…
07:02昭和45年の年間ヒット曲…
07:05ベスト100のうち…
07:0628曲が…
07:08私の作詞した曲だった…
07:10その頃私は…
07:12ゆり子に会った…
07:31君は?
07:33私…
07:34今度先生の曲でデビューする…
07:36石田ゆり子です…
07:38先日…
07:39レッスン室でお目にかかりました…
07:42寝ぼけてた…
07:43ありがと…
07:46ありがと…
07:47先生に…
07:48一つ…
07:49お伺いしたいことがあるんですけど…
07:50何?
07:51先生に…
07:52一つ…
07:53お伺いしたいことがあるんですけど…
07:54何?
07:55先生は…
07:56いつも…
07:57どういう気持ちで作詞をなさるんですか…
07:58どういう気持ちって…
07:59ええ…
08:00作詞が全部大ヒットするでしょ…
08:01それってとてもお知りなんです…
08:02そういうこと…
08:03うん…
08:04悪魔になるのよ…
08:06えっ…
08:07悪魔…
08:08悪魔…
08:09ですか…
08:10うん…
08:11僕の歌を歌ったら…
08:12他の歌は絶対に歌いたくなくなる…
08:13そういう怖い詩を書かなくちゃいけない…
08:15悪魔に見入られたように…
08:17僕の歌を一番愛してしまう…
08:18どういう気持ちって…
08:19ええ…
08:20作詞が全部大ヒットするでしょ…
08:21それってとてもお知りなんです…
08:23ああ…
08:24そういうこと…
08:25うん…
08:26悪魔になるのよ…
08:28えっ…
08:29悪魔…
08:30ですか…
08:31うん…
08:32僕の歌を歌ったら…
08:34他の歌は絶対に歌いたくなくなる…
08:36そういう怖い詩を書かなくちゃいけない…
08:39悪魔に見入られたように…
08:42僕の歌を一番愛してしまう…
08:44そういう詩を書くつもりでやるのさ…
08:47はぁ…
08:49怖いですね…
08:56あっ…
08:57ケーキ…おいしいですよ…
08:59どうぞ…
09:02君…
09:03菓子なんかやめて…
09:04僕のお嫁さんになりなさい…
09:07はい…
09:08そうします…
09:10私は…
09:11ゆり子の若さと…
09:13たとえようもなく健康的な光に…
09:16めまいしたのだ…
09:18お兄さんの部屋の前に落ちてました…
09:30生命保険…
09:336千万…
09:36受け取り人…
09:39中西雅之…
09:41これ…
09:43僕の命にかけた保険だ…
09:46保険…
09:47普通の人間ならみんな入ってるんだろ…
09:48だけどさ…
09:49十四も年上の兄が…
09:50弟の生命保険の受け取りになるなんて…
09:52本人の承諾も取らないで…
09:55保険に入れるなんて…
09:57お前考えすぎだよ…
09:58ただの保険じゃねえか…
10:00中川さん…
10:01お前考えすぎだよ…
10:03ただの保険じゃねえか…
10:04中川さん…
10:06俺はそんなことするな…
10:07悪じゃねえやな…
10:08中川さん…
10:09根本に起こったんだよ…
10:10お前考えすぎだよ…
10:12お前考えすぎだよ…
10:13ただの保険じゃねえか…
10:14中川さん…
10:15俺はそんなことするな…
10:16悪じゃねえやな…
10:19何で怒ってるんだよ…
10:21お前…
10:23お前…
10:25兄さん…
10:27さよならしよう…
10:29出てってください
10:31お前ユリコと結婚するんで
10:35俺とお袋邪魔になったんだろ
10:38俺とお袋捨てて
10:41ユリコ選ぶのか
10:44自分のしたことよく考えてみろよ
10:47ユリコと結婚したら
10:50死なんか書けなくなるぞ
10:53幸せなんかなってみろ
10:55死なんかな
10:57そんな甘っちょろい生活で出るわけねえんだよ
11:01もっと地獄見なきゃ
11:03もう十分地獄味わわしてもらったよ
11:07まだいっぱいあるぞ
11:09出て行くよ
11:11お袋連れてな
11:14ユリコみたいな小娘やかな
11:18お袋の世話なんかできるわけねえだろ
11:21お袋の世話ってのは
11:23長男の務めだよ
11:25母さん
11:27いやいや母さんもうな
11:30我々二手がいたんだ
11:32二人で楽しく暮らしたらどうだよ
11:34よかったな
11:35母さん
11:37レイゾー
11:38ありがとう
11:43ありがとう
11:48ありがとう
11:49レイゾー
11:52レイゾーさんの描いた似顔絵
11:59覚えてる?
12:01これね
12:03パパものすごく気に入ってて
12:06家にしてくれって言って死んでったのよ
12:11いや
12:14ユリコさんとは一年半ぶりかな
12:20はい
12:21お母さんもお変わりなく
12:23元気でやってますよ
12:25そうですか
12:26上手なのねレイゾーさん
12:30俺の構えでしょ
12:34まあ
12:37上手だわお兄さんも
12:39何やっても兄貴のが上ですよ
12:42動くな
12:43こいつ俺の家へ帰ってんですよ
12:50この人はまた勝手に俺の実員持ち出して
12:54会社作って3億円の手形を切ったってさ
12:57代表取り締まりは俺だから
12:59会社が倒産したら全部俺が被るわけさ
13:03大丈夫だよ
13:04ゴルフブームが来たら
13:06会員権行って何億も儲けんだ
13:083億なんか小さい
13:10でも実員をどうして
13:12まあレイゾーのことはね
13:15みんな知ってるから
13:16青山の会社の金庫からちょっと
13:18拝借しただけ
13:20やることがめちゃくちゃだろ
13:22ユリコ
13:23レイゾー
13:38仕事どうだ
13:41仕事
13:43いい石が欠けるのか
13:46もちろんさ
13:48嘘だな
13:52お前もうピーク過ぎてるよ
13:54俺には分かるもん
13:56これからはな
13:58俺に任せろ
13:59ゴルフ場開発を設けて
14:02少しは楽にしてやるから
14:03
14:04いらっしゃいませ
14:27これ全部です
14:30あんなに
14:36やっぱりお兄さんなんですね
14:39先生
14:47なんかした
14:49大丈夫ですか
14:50ちょっと
14:52大丈夫ですか
14:54大丈夫ですか
14:54お前も
15:10お前も
15:11お疲れ様でした
15:41お疲れ様でした
16:11お疲れ様でしたか新聞記者だと思いました
16:19お兄さんお茶いかがですかコーヒー
16:24いやー結構ですよーさん大丈夫です
16:26ユリコここにいてくれ
16:32それでゴルフ場のケーンはどうするんだい
16:40どうするもこうするも
16:43俺には金も名前もないからな
16:47金も名前もないだから
16:51また
16:53お前に迷惑かける申し訳ない
16:583億円をどっからどうやって都合するんだい
17:04兄さん
17:04どうも俺は
17:09墜落願望があるみたいだな
17:13心のどこかで感じるんだよ
17:17いつか
17:19墜落するって
17:20何言ってるんだよ
17:22ふざけたこと言うなよ兄さん
17:23昭和19年
17:31忘れもしない
17:339月14日午後
17:351時13分のことだ
17:37陸軍航空隊
17:39宇都宮飛行学校
17:41三部教習所の空は
17:44雲一つなく晴れ渡っていた
17:45教官殿
17:47エンジンに異常があります
17:49教官殿
17:50エンジンに異常があります
17:52飛行機を変えてください
17:54すると
17:55電線管を通して
17:58教官の隣越えだよ
18:01頭上に鉄器が来襲してる時に
18:03そんな悠長なことを言っていられるか
18:05つべこえずに
18:07黙って飛べ
18:08連邦で合図の広旗が去ったがる
18:11俺は
18:12エンジン全開のレバーを押す
18:15赤トンバーはふわりと
18:17空に浮かぶ
18:18俺は落ちることを確保して
18:21空に浮かんだ
18:22その時の浮遊感ってやつは
18:25儚くて
18:27恐ろしくて
18:29胸が締め付けられるように
18:31神なんだな
18:33
18:38自分が生きてるのか死んでるのか
18:42それさえわからない
18:43生死の境は行ったり来たりしている
18:45俺は
18:46落ちたら死ぬと思っている
18:49だが絶対に
18:51ただでは死んでやるもんかと思っている
18:53俺の命と一緒に
18:56世界を消滅させてやるんだ
18:57自分と一緒に
19:00地獄へ引きずり込んでやる
19:01そう思いながら
19:03ぐんぐん近づく畑を
19:04担みつけていた
19:05消えてくれ
19:06俺の目の前から
19:10いなくなってくれよ
19:12そうするよ
19:17消えるよ
19:196億の手形があると
19:45冷蔵に伝えてください
19:476億
19:49その保証を
19:51冷蔵にしてもらっているので
19:52いろいろご迷惑かけます
19:54おしまいだな
20:04ええ
20:05中野の家
20:08南青山のビル
20:10北青山のビル
20:11全部処分しても
20:14足らないでしょうね
20:16私は
20:19どこまででも
20:22ついていくつもりよ
20:23お医者様呼んでくるわね
20:35ちくしょう
20:41兄貴に殺されてたまるか
20:43どうぞ
20:56どうぞ
20:58どうぞ
20:59ほら
21:01ほら
21:02ほら
21:03ほら
21:04ほら
21:05ほら
21:07ゆり子電話
21:10はい
21:11はい
21:13中西
21:17ご無沙汰しています
21:21はい
21:23お母様の具合が
21:26はい
21:29あの
21:32いつから
21:32そうですか
21:34すぐ伺います
21:39冷蔵
21:43300万どうにかなんねえか
21:46そんな金がどこにあるってんだ
21:49中野の家
21:50青山のビル二つ処分して
21:53銀行から3億5000万借りて
21:55俺が払ってるんだ
21:55この家だって
21:57クーラーもない小さな借家なんだよ
22:00追い込みかかってんだよ
22:02助けてくねえか
22:03よくも前のおのおとさ
22:06兄貴がどうなっても
22:13いいのか
22:20頼む
22:23保証人でもいいからよ
22:25なってくねえか
22:26冷蔵
22:31お母様の遺血で倒れたのは
22:46昭和27年だからね
22:48それからずっと締め替えてるんですもんね
22:52お母さんほら
22:54冷蔵さんよ
22:55ほら冷蔵さん
22:57こっちこっち
22:57はい
22:58ねえ私の結婚生活30年
23:01お母さんの世話してるだけ
23:03疲れてる
23:03少男の女房になったんだもん
23:05しょうがないだろ
23:06ねえビーリングたれ
23:07冷蔵さんいい曲ね
23:09ありがとう
23:09そうよ
23:10愛はひとときの
23:13その場限りのだけ
23:15
23:15幻なの
23:18いー
23:20いー
23:21いー
23:24いー
23:25いー
23:26いー
23:27いー
23:28いー
23:29レゾー
23:30お前ニッシンの歌かけよ
23:32ニッシンの歌
23:36最近のお前の死疲れてるもんな
23:40お前だったらもっとさ
23:43魂揺さぶるような
23:46いい死かけるじゃねえ
23:48疲れさせた当人がよく言うよ
23:51俺さ
23:56俺さ
23:57お袋の姿さ
24:00見てっと
24:01時々
24:02この人がさ
24:04大きな声で
24:05クキレークキレーってな
24:07喚いてるとこ
24:08思い出すよ
24:09あとは
24:12ミヤーミヤーって泣きしきる
24:15ゴメの声
24:17ゴメの声か
24:22ゴメが鳴くから
24:27ミシンが来ると
24:30赤い突っ込のヤンシューが騒ぐ
24:35雪に埋もれた晩屋の隅で
24:42私は淀をし飯を炊く
24:46あれから
24:50ミシンはどこへ行ったやら
24:52はいそっちですが
24:53さよ
24:54どこへ
24:56どこへ行ったやら
24:59いい日だよ
25:03ミシンだ
25:05散歩行くかねえぞ
25:21いや
25:22一人で歩く
25:25あれからミシンは
25:31どこへ行ったやら
25:34敗れた網は
25:37問い刺し網か
25:40オンボロロ
25:44今じゃ浜辺で
25:48オンボロロ
25:51聞こえたぞ
25:55すごい歌ですね
26:11自分でもいいと思うよ
26:14初めてだよ
26:16これが
26:17これが
26:18ごめんが鳴くから
26:29ミシンが来ると
26:33アカイツッポの
26:36アカイツッポの
26:37ヤミシュが騒ぐ
26:41雪に埋もれた
26:44晩屋の隅で
26:48私は
26:49私は夜通し
26:51飯を食べて
26:52私は夜通し
26:53飯を食べて
26:54あれからミシンは
26:58ここへ行ったやら
27:00破れた網は
27:05取り刺し合うんだ
27:09今じゃ浜辺で
27:17おんぼろろ
27:19おんぼろぼろろ
27:24お気を取る
27:28母が死んだ
27:30いくら小さだろうと
27:32この家は
27:33俺の家だよ
27:34俺の家から
27:35そうしないと
27:35何があるんだよ
27:36だって
27:37冷蔵さん
27:37有名人なんだもんの
27:39もう外のお花だって
27:40並びきれないわよ
27:42そんなこと
27:42葬儀屋に聞けよ
27:44気丈な人だったね
27:56うん
27:57ソ連軍が攻めてきた時
28:00親父がいないから
28:02逃げるのは
28:02嫌だって言ったら
28:03引っ叩かれた
28:04人間は生きることが
28:07何よりも大切なのよって
28:09俺の体中に
28:11札束巻きつけて
28:13私たちを両手でぶら下げるように歩いたね
28:16ナショナルホテルでさ
28:21ソ連兵がマンドリンぶっぱなして
28:24金出せって言った時
28:25俺怖くなって
28:27札束を放り出そうとしたら
28:29この人俺のことに
28:31悩みつけて
28:32金はないって叫んだ
28:33私にとってもそんなことできない
28:36怖くて死んじゃうわよ
28:37母さんがいたから
28:41私も玲ちゃんも
28:44満州から戻って来られたようなもんだね
28:46うん
28:48冷蔵
28:51ん?
28:53もういいんじゃない?
28:55母さん亡くなったんだし
28:57もう兄さん捨てなさいよ
28:59捨てるって?
29:02ひどすぎるよ
29:03今まで母さんのことがあったから
29:06あんた兄さんに
29:07多い目を感じてたんでしょ
29:08でもね
29:10母さんが亡くなって
29:11もう中西の家は終わったの
29:13昭和はもう終わり
29:15これからあんた
29:18ゆり子さんと子供を
29:20大切にしていかないと
29:22冷蔵
29:23ん?
29:31
29:31思うんだけどよ
29:34何?
29:36俺の味わった
29:37毎日毎日が
29:40死の恐怖の飛行機のような地獄と
29:43お前の見た引き上げの地獄と
29:46どっちが怖かったかってよ
29:49お前
29:52人間信用してない目してるな
29:56俺は人間を信用してるさ
30:00嘘つけ
30:01信じてるって
30:03嘘だよ
30:05お前の目はな
30:08俺にそっくりだよ
30:11似てないよ
30:12似てるよ
30:14俺とお前はな
30:16同じ人間だよ
30:18双子だよ
30:20よしてくれよ双子だなんて
30:22母さん
30:26母さん
30:28いつも俺に
30:30親父の遺言を言ったよな
30:32男は
30:34雄大な希望を持たなかったよ
30:37雄大な希望だって
30:40ごめんなさい
30:43許してくれ
30:45すいません
30:47母さん
30:48
30:49気も
30:50私は兄の顔に
30:52母さん
30:53いつも母の顔をかぶせていた
30:5525年間
30:58母の世話をしてくれた
31:00兄夫婦にずっと追い目を感じてきた
31:02母のいない兄の顔は
31:06安っぽく
31:07薄っぺらで
31:08陰気な影だらけの男だ
31:11これが兄か
31:15こんな男に何億という金を使ったのだろうか
31:19もう何の遠慮もいらない
31:22レイゾー
31:25骨を持ってくれよな
31:26俺写真でいい
31:28お前の鍵じゃの方がいいんだからよ
31:41開いてます
31:59小奈子さん
32:09石狩番号の大ファンでさ
32:11そうですか
32:13兄君この通りでお茶も出せませんか
32:16いやお構いなく
32:18あのー
32:20サインしてほしいんですけど
32:21すみません
32:26ありがとうございました
32:32パパ
32:35お店に行くわ私
32:36失礼しました
32:38相変わらず元気だね
32:49うん
32:49こればっかりやな
32:52ねえぞ
32:54やっと本物の仕掛いたな
32:57自分のおかげだって言いたいんだろ
32:59言っとくけど
33:01印税は患者の斎藤弁護士に任せてあるからな
33:04俺は無一問さ
33:05今いくらある
33:08あるわけないだろ
33:09見てみろよ
33:10いつこかな
33:17看病疲れて
33:19ふらふらでさ
33:21時々
33:24付き添いな
33:25頼んで
33:25お店がましいんだよ
33:27
33:28この間しっかりバンカ作ってる時に思ったんだ
33:32あの時
33:34兄貴が欲張らずにいたら
33:37小樽の家もあったろうし
33:40母さんも青森に行かず
33:43あの悪い恋人に金も取られず
33:46カット血圧も上がらず
33:49脳一血で倒れたりしなかったかもしれないってね
33:51何だって
33:54冗談じゃないよ
33:55こんな時からヒロポ売らされたり
33:58インチキな化粧品作らされたり
34:01お前一人が苦労したような顔すんなよ
34:08この俺が
34:11この兄貴が一番辛かったんだよ
34:16家族全部が
34:18俺の肩にかかってな
34:20ニジンだって
34:23もっと高く売りたいから漁船頼んで
34:26イーサン負けないと気が済まないんだよ
34:27そうだろ
34:28落ちていくのが甘美で美しいんだろ
34:30そう言ったじゃないか
34:32それは認める
34:38そうだろ
34:40しかしレイゾウ
34:45お袋のことは言いすぎだぞ
34:55ひどいシャリフだ
34:57金売りか
35:01金貸しに借りよ
35:03兄さん
35:06兄さん
35:11うちの社員にならないか
35:1350過ぎて
35:18弟の鞄もしか
35:20かっこいいな
35:21俺が社長で
35:26お前が会長ってんならいいよ
35:29いいよ
35:30だけどね
35:32銀座で遊ぶのはやめるかい
35:35それが条件だ
35:37銀座は行かない
35:41俺が社長で
35:45お前が会長だ
35:47うん
35:49うん
35:50うん
35:52うん
35:53うん
35:55時には
35:56勝負のように
35:58乱らな
36:01女になりな
36:03まっかな
36:05口紅
36:06手につけて
36:07黒い靴下を
36:11はい
36:11いい歌だな
36:13おい
36:13レッド
36:14落ちっとこまで落ちて
36:16やっと本物になったな
36:17
36:18ブラゴー
36:19バカバカバタシ
36:20人生よ
36:22バカバタシ
36:25ひとときが
36:27うれしい
36:28うーん
36:30時には勝負のように
36:37母が死ぬと同時に
36:39私が作詞作曲して歌ったこの歌が
36:43まるで母の祈りが追したかのように大ヒットした
36:47借金は大きく減った
36:50二年余りの歳月の中に
36:54私はたった一つのことだけを考えていた
36:57兄を私の手で偽絶すること
37:27おいさあ来てみろ
37:32いろいろ
37:35全部クラブ花の道の領収書だ
37:38210
37:4080
37:41300
37:42すごい金使ってやがる
37:45銀座に行ったらクビって約束でしたよね
37:48そうだ
37:49コピー取っていきましょう
37:51貼った貼ったよ借用書が
37:5930
38:0060
38:021000万
38:041200万
38:0612月
38:0811月
38:0910月
38:11よし
38:14殺してやるぞ
38:17来ました
38:31赤い車でホステスみたいな女と一緒に
38:36何やって名前だ
38:49資料を取りに来たんだ
38:51やっぱりな
39:04赤い車で先帰ってくれ
39:10赤い君
39:14銀座だ
39:16お袋の葬儀以来
39:30嫌な夢ばっかり見ての
39:32お前にいじめられたり
39:37殴られたりさ
39:38それくらいマシさ
39:41俺はずっと兄貴に殺される夢ばっかり見てきたんだ
39:45人の手勝手にご自分で汚いじゃねえか
39:50正当防衛さ
39:53この借金は俺が自分で買うつもりだったんだよ
40:00お前に何のかの言われる覚えはない
40:03よく言うよ
40:03どうやって何千万の金作るんだ
40:05俺には金の入るあてがあったの
40:08嘘つけ
40:10俺の方の借金が先が見えてきたんで
40:13あんたまた病気が始まったんだよ
40:15確信犯だよ
40:16あんた悪党なんだよ
40:17うん
40:18お前にそこまでやるかもやねえよ
40:21もっと殴れよ
40:25あんたとはな
40:29今日限り縁を切る
40:31聞こえたかい
40:34擬説する
40:36今日で赤の谷になるって言ったんだよ
40:39レイゾー
40:49俺たちはよう
40:52この世でたった二人の兄弟じゃないか
40:56いや
40:57俺の中で兄貴はもう死んだんだ
41:00俺見せてんのか
41:02そうだよ
41:03俺には家族があるんだ
41:06ゆり子に龍介
41:08普通で
41:10平凡な
41:12人間の家族かねえ
41:14そんなことできるかな
41:18お前は俺で
41:21俺はお前だよ
41:24戦争で人間じゃなくなった
41:27双子なんだよ
41:29何が双子だよ
41:31俺はお前の影さ
41:34やだねえ
41:37会社の代表に返してもらおうか
41:39レイゾー
41:45ちょっと話しよう
41:46俺はよう
41:47やめてくれよ
41:48また五十回出撃してグラマンと戦った話かよ
41:50もうたくさんなんだよ
41:52さよなら兄さん
42:02十回出撃してグラマンと戦った話かよ
42:04もうたくさんなんだよ
42:08さよなら兄さん
42:10何が来たら警察に電話するんだ
42:12何が来たら警察に電話するんだ
42:16電話するんだよ
42:18電話するんだよ
42:20電話するんだよ
42:22電話するんだよ
42:24電話するんだよ
42:26電話するんだよ
42:58電話するんだよ
43:00電話するんだよ
43:02電話するんだよ
43:04電話
43:08電話
43:09電話
43:12リザー
43:14俺は鈍いのかもしれないが
43:16今になってあんたを殺したいと思い始めた
43:19入ってきたらきっと殺すよ
43:23おまえがどこ行こうとな
43:30逃げたいやしねえぞ
43:31俺はおまえの影だからな
43:33殺してやら
43:35返してください
43:38恩恵です
43:39この人本当に殺しますから
43:40やめて
43:45どけ
44:03捨てるんだ
44:10捨てきるんだ
44:12でもね
44:33パパ喜んでると思うわよ
44:35だって冷蔵さんが
44:38そうやった見せてくれたんだもの
44:40そうね
44:42ゆりくん
44:44ありがとう
44:44失礼しようか
44:45はい
44:46あら
44:57そうし一と去って
44:59また帰らず
45:01ああ
45:01その旗はね
45:04ほら
45:05声優会がチランとかいうところだったときにね
45:08何だか知らないけど
45:10嬉しそうな顔してもらって帰ってきたのよ
45:13ふーん
45:15お顔を見なくて後悔しない
45:23うん
45:25そう
45:26あ、それじゃお姉さん
45:27あ、私たち一旦これで
45:28はいはい
45:29どうもね
45:30明日おつやのときにまた
45:31どうもね
45:32じゃあ明日
45:33必ず
45:34そうと
45:35姉ちゃんここが私止まるから
45:37じゃあ
45:38いくでしょう
45:39中西くんの遺体を見てあげてください
45:41弟さんでしょ
45:46かわいそうだよこれじゃあんまり
45:48あなたに会いたがっていたのに
45:50坂井さん
45:55白井さん
45:57兄は特攻隊の生き残りですか
46:05あの日の丸に包まれた兄を見ると
46:11誰一人として特攻隊の生き残りだったと疑う人間はいない
46:15しかし私はそれを信じてないんです
46:20兄にはずいぶんと酷い嘘を聞かされてきました
46:23だから
46:25日の丸の旗に包まれた兄の顔には合唱する気にはならないんです
46:29でも
46:30れいちゃん
46:31兄さんから手紙が来たじゃないのよ
46:33昭和20年の春に
46:36僕は生きて帰ることはない
46:38お父さんお母さん僕が死んでも泣かないで
46:41僕は御国のために立派に散ってみせますな
46:44お父さんに知ってみせますなんて
46:46兄さん特攻隊だったのよ
46:49自分はなぜ
46:50兄の正体こだわるんだ
46:53こっきと一緒に焼いてくれって
46:56軍人で死にたいって言ってんだから
47:00双子だと言われ
47:02自分の影だと言われた時の
47:04吐き気のするような嫌悪感
47:06坂井
47:07それを拭いされたかった
47:09うん
47:10白井さん
47:13は?
47:20昭和19年の9月14日に
47:23兄が訓練中に赤トンボを墜落させて
47:25私の父は
47:27天皇陛下に申し訳がないと
47:29戦闘機を一機寄贈したんです
47:31今になって
47:34戦争中のことを疑ってどうするんだ
47:36あなた方は何か隠しているんじゃないですか
47:39遺族には
47:40全て正直に話す義務があるんじゃありませんか
47:44中西正幸君は立派なって後退院だった
47:49それがどうしたったんだ
47:51坂井興奮しなさんな
47:53血圧が高いんだから
47:55中西に呼ばれるぞ
47:58この弟は無礼だ
48:00国のために戦った兄を否定している
48:03ああもうほらほら
48:05坂井さんそんなに怒らないで
48:08はいはいはいもう一杯飲んでちょうだい
48:10まだ時間早いじゃないのね
48:12はい
48:13私は赤トンボを墜落させたことはない
48:18墜落事故は一回ありましたが
48:22小西君という京都の人が墜落しました
48:26我々の目の前で
48:31兄じゃないんですか
48:34違います
48:36兄は
48:38兄は自分が墜落したと言っていましたが
48:41小西君の赤トンボです
48:46芋畑に墜落してね
48:49体がもうバラバラでね
48:52その肉片を私たちは震えながら
48:55割り箸で一つ一つ拾ったんです
48:58中西は自分が墜落したと言いましたか
49:06ええ
49:08ええ
49:12我々は福音した時は21歳でした
49:16丸裸で焼け跡に放り出された我々は
49:20その若さで
49:22世の中と戦わなければならなかった
49:28世間に対して説得力のある武器といったら
49:32戦争体験しかなかった
49:34戦争体験しかなかった
49:36私は
49:46私はって
49:48やりもしない空中戦をやったって
49:51嘘を何度ついたか
49:54そんな我々の気持ちが
49:58若いあんたに分かってたまるか
50:00どらほら
50:02見る見るね
50:04ほら泣かないけど泣かないの
50:06ほらほら
50:08特攻隊で出撃はしなかったんです
50:10はい
50:12しかし
50:14精神的には同じことだ
50:16あのまま戦争が続けば
50:20我々全員出撃し
50:22死んだんです
50:26これは
50:28あなたにお渡しするつもりでした
50:32中西が私に書いてくれたものです
50:36分かりますか
50:38満州の住所ですよ
50:42これを
50:44書きながら
50:46こう言いました
50:48ここは
50:50僕の家族の住む
50:52楽園だと
50:56満州国
50:58ボタン公市
51:00中区
51:01平安街4-6
51:02遊びに来てくれ
51:04ここは俺の家族の住む
51:06楽園さん
51:08お兄さんは
51:10満州のあなたたちの住む家に帰って
51:14家族で仲良く
51:16生きるつもりだったんですよ
51:18しかし
51:20満州も消えてしまった
51:22満州も消えてしまった
51:32兄さん
51:34どうして戦争のあと
51:36そんなになっちゃったの
51:38ねぇ
51:40みんなで一緒に暮らしたかったね
51:42ねぇ
51:44兄さん
51:46ふぅ
51:4850年間
51:50私はこの人の横で
51:52一体何をしてたのか知らんねぇ
51:54ほんとに
51:56おばけと暮らしてるんじゃないか知らんって
52:00年ぐら年中考えたもんよ
52:02手を伸ばずとすり抜けるみたいな
52:06だからね
52:16愛された印象なんか全然ないわね
52:20だって
52:22たった一晩の温泉旅行にも行ったことないのよ
52:26不思議な人よね
52:30何なのか知らんパパは
52:36冷蔵さんやっぱり見ないほうがいいが
52:42老人だもの
52:4816年も会わなきゃもうすっかり老人だもの
52:54メガネは
53:14メガネはずすと夢がぼやけるって起こるのよ
53:18これ以上夢見られても困るわね
53:22夢見られても困るわね
53:52
53:5451
54:0032
54:0233
54:0434
54:0815
54:092
54:1115
54:1415
54:1615
54:20ご視聴ありがとうございました
54:50ご視聴ありがとうございました
55:20ご視聴ありがとうございました
55:50ご視聴ありがとうございました
56:20やっと本当の歌を書いたな
56:22地獄の果てを見て
56:24やっと本物の魂のさ
56:27兄さん
56:33死んでくれて
56:36ありがとう
56:57ご視聴ありがとうございました
57:27ご視聴ありがとうございました
57:57ご視聴ありがとうございました

お勧め