世界最大の空母 ニミッツ
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ショートトランスクリプション
00:00その空母は90機まで機体を搭載でき
00:10一度の出動で爆弾やミサイル300トンを運ぶことができます
00:21それが世界最大級の航空母艦ニミッツ級で
00:26そのうち最初に建造されたのがニミッツです
00:36100年にわたる戦艦の建造技術がここに集約されています
00:44この番組では空母の進化における記念碑的な役割を果たした7隻にスポットを当てていきます
00:49いずれの艦も空母のサイズが大きくなっていく過程で大きな技術革新をもたらしています
01:077つの技術革新の裏にはそれぞれのストーリーがありました
01:13そして立ちはだかる困難を克服していくごとに空母はその巨大さを増していき
01:21ついには世界最大級へと登りつめたのです
01:43ニミッツの最大速度は時速55キロ以上を誇り
01:4920年以上動力源の補給なしに航行できます
01:55そしてこの巨大な戦隊には男女合わせて6000名が乗り込んでいます
02:02この戦艦に乗り込まれたのは
02:07この巨大な戦隊には男女合わせて6000名が乗り込んでいます
02:20搭載されたレーダーは500キロ先の敵を発見でき
02:25その迎撃に超音速ジェット戦闘機を20秒おきに発艦することが可能です
02:31まさに近代技術の結晶といえます
02:40ニミッツの隠された技術を語るには1916年にまで遡る必要があります
02:49飛行機が実用化されるとほどなくして
02:54船の甲板から空艇部隊を飛ばす発想が生まれました
02:59搭乗したのがアメリカ軍艦ノースカロライナ16000トンです
03:15飛行機が離陸に必要な速度を得るには長い滑走路が必要です
03:20ところが戦艦の甲板には
03:30大砲やレーダーなどが所狭しと乗っている上に長さも制限されています
03:35そのため短い滑走距離で飛行機を飛び立たせる工夫が必要です
03:44物理の法則でいえば大きな物体を短い距離で瞬時に打ち上げるには
03:49膨大なエネルギーを瞬間的に蓄積させる必要があります
03:54この技術はこのパチンコに見られるように
03:59数千年以上前から使われています
04:04ゴムを伸ばすことでエネルギーを貯めるのです
04:09これを飛行機とすれば貯めたエネルギーを一気に放出させればこうして飛ばすことができます
04:14この解決方法は飛行機の祖ライト兄弟が与えてくれました
04:191903年に初のエンジン付き飛行に成功した後
04:24ある発射装置を開発します
04:29カタパルトです
04:34ライト兄弟のカタパルトは
04:39高さ6メートルの木製の塔で構成されています
04:44重りを落下させるとロープで飛行機が引っ張られることで速度が加えられ離陸できるのです
05:00このアイデアがアメリカ海軍のランチャーシステムに応用されています
05:06けれども軍艦の上では重りを甲板に落とすわけにはいきません
05:16そこで海軍は別な発想をします
05:21エネルギーを貯める方法として着目したのは圧縮空気です
05:26もともと軍艦には魚雷の発射などに圧縮空気が用いられていました
05:31圧縮した空気を解放すると強力な水力が簡単に得られます
05:40これで軍艦から飛行機を飛ばすのです
05:471916年アメリカ海軍は巡洋艦ノースカロライナでこれを試すことにしました
05:53こうして長さ30メートルの鋼鉄のレールが艦首に設けられたのです
06:08圧縮空気を使ってシリンダー内のピストンを押すことで
06:13レールに乗った飛行機のケーブルを引っ張る仕組みです
06:18けれども圧縮空気だけでは重さ800キロの飛行機を飛ばすパワーは得られませんでした
06:28そこでパワーを増加させるためにケーブルを滑車にかませました
06:33こうして飛行機に7倍の速度を与えられるようになったのです
06:48数年にわたって実験と失敗を繰り返しついにカタパルトシステムが完成しました
06:55それまで戦力の定義は戦艦が率いる艦隊の力で決まっていました
07:05けれどもこの後は艦船を飛び立った副用機が戦艦を沈めることが可能となったのです
07:10空母の時代がやってきたのです
07:25本日でもカタパルトは2,3つで重要な役割を果たしています
07:30カタパルトがなければ空母から発艦させられません
07:35仕組みはパチンコで打ち出すような感じです
07:40大きさや重さが異なる飛行機ごとにカタパルトを調整するのがシューターの仕事です
07:46シューターとしての私の仕事は機種の重量と艦船の風速から
07:51カタパルトシステムの数値を割り出して設定し
07:56無事に発艦させることです
08:01コスロス機はF-18ホーネット用にカタパルトを設定しています
08:06カタパルトにはキャデラック1台を楽に放り投げる力があります
08:11このカタパルトのパワーの秘密は艦船の下にあります
08:16かつては複雑に滑車を絡めていましたが
08:212密です
08:26滑走路の下に2本のシリンダーが埋められています
08:31シリンダー内のピストンがスロットを介して機体と接続されているのです
08:36シリンダーに圧縮した水蒸気を送り込むことで
08:41ピストンが押し出され機体と接続されているのです
08:46シリンダーに圧縮した水蒸気を送り込むことで
08:51ピストンが押し出され機体を射出します
09:03スロットの部分があるため水蒸気が漏れるのを防止するのに
09:08ピストンが通る際には柔軟性のある金属でジッパーのように密閉しています
09:21水蒸気の音
09:33パイロットが準備完了の合図に敬礼し
09:38それを見て射出ボタンを押します
09:44F-18は地上での離陸に1500メートルを要しますが
09:49この水蒸気式カタパルトでは100メートル以下で済みます
10:04残念ながら1916年のノースカロライナには大きな欠点がありました
10:10飛行機が看板に降りることができなかったのです
10:15看板から飛び立っても海に着水するしかなく
10:20その都度引き上げなくてはなりません
10:25そのためとても実践には使えないものでした
10:30船に直接降りるには長い距離の看板がなくてはなりません
10:35アークロイヤル28000トンです
10:461917年8月 イギリス海軍のパイロット
10:51エドウィン・ダニングが初めて船に降り立ちました
10:56看板の上にあるブリッジや煙突などの障害物を避けないと
11:01着艦できます
11:06ダニングは大胆にも障害物の前で急降下してから
11:11看板の中央に回り着艦したのです
11:16その5日後 ダニングは再び挑戦しますが
11:21タッチダウンした際にエンジンが止まり機体の制御ができなくなりました
11:26看板のクルーたちは機体を捕まえようとしましたが
11:30強風に煽られて無限から落ちます
11:35ダニングは落ちた衝撃で意識を失い コックピットにいたまま溺れてしまいました
11:44エドウィン・ダニングは着艦の可能性を実証しましたが
11:49その代償はあまりにも大きなものでした
11:54看板に安全に着艦させるためには
11:59看板にある障害物を設計し直す必要があったのです
12:04解決策として看板の障害物を2つに分けて
12:09橋に置くということが考えられます
12:14けれどもこの方法では使える幅が狭くなってしまい
12:20そこで障害物を片方だけに寄せようとしますが簡単にはいきません
12:29そこで海軍のエンジニアたちは現在
12:34船楼あるいはアイランドと呼ばれるこの障害物のバランスをいかに取るかを試行錯誤しました
12:39反対側の左側の燃料タンクをいっぱいにし
12:44無限側のタンクは軽くするようにしてみました
12:49けれども航行し燃料が減るに従って船体が傾いてしまったのです
12:54そこで船体の中央部にあった倉庫を
12:59左側に移動させ無限を開けてみました
13:04ところがこの空いたスペースをクルーたちが倉庫代わりにしたために
13:09船体は再び傾いてしまいました
13:14最終的には砂原を広げさらに重量のある機械関係を砂原に置くことで
13:19バランスを取るようにしました
13:24こうして20年間試行錯誤を繰り返し
13:291937年にデビューしたのが革新的設計のイギリス空母
13:34アークロイヤルです
13:41近代航空母艦の礎を築いたアークロイヤルのアイランドは
13:46ブリッジを右辺に置くことでフライトデッキを広くとっています
13:55この配置は全ての空母の元になり
14:00アイランドに引き継がれています
14:08アークロイヤルと同じく現在の2、3つは海に浮かぶ巨大な空港として働き
14:14アイランドは船の完成島であり目、耳、頭脳なのです
14:23中枢部であるこのアイランドの1階部分で
14:28アイランドの船の航空完成場として働いています
14:34その上はレーダー及び天候観測室となっていて
14:40さらにその上の5階は艦長のブリッジとなっています
14:46艦長はここから全ての戦略に関する指示を与えているのです
14:52さらにアイランドの最上階レーダードームの下の階は
14:58ここでエアボスと呼ばれる指揮官とミニボスと呼ばれる副指揮官が
15:04戦闘機を完成しているのです
15:102、3つの完成官たちは
15:16離発着する機体に忙しく完成指示を与えます
15:22けれども空母の滑走路は特殊な環境のため
15:28全ての機体に気を付けないといけません
15:34そのため航空機関は
15:40機体の航空機関のみに
15:45航空機関のみに
15:49航空機関のみに
15:53します l 4まで戻せばそこにスペースが作れる
15:59これこそ実践的な解決方法です これはウィジャーボードと呼ばれるものです
16:06こうしてプラスチックのプレートを置き 交通整理をして実際のフライトデッキでその通りに行います
16:14ナットやボルトが見えますがそれぞれ意味を持たせています この機体は向きを変える必要があることを意味しこっちは給油の必要を意味します
16:25こうして全てのことをシミュレーションするので実際のフライトデッキでの作業が スムースに行いますこれを出して l 4を綺麗にしてこれを格納庫に下ろそう
16:37エレベーターは203が使えるから問題はない 停電しても使えるのでウィジャーボードに信頼を置いています
16:46エディ l 1での作業の前にミサイルの装着が先だろう ニミッツが関西できる機体の数は他の空母を凌ぐ数です
16:5690機まで関西可能です
17:01ん 関西機の数でいけば1938年当時最大級のアークロイヤルは50機でした
17:12当時のアメリカ艦隊司令長官たちはこの倍の数を要求しました
17:22けれども 看板の下の格納庫のスペースには限りがあります
17:31ん 看板で待機させても収まりきれません
17:39さらには着艦しようとした機体が失敗したら第三次を引き起こします
17:48この問題を解決するのに数年を要しました そしてそれを実現させたのがアメリカ空母
17:55フォーネット3万4000トンです
18:02空母が誕生して以降 技術者たちは
18:06アレスティングワイヤーと呼ばれる着艦の際に速度を落とす仕組みを研究してきました
18:14初期のアレスティングワイヤーはごくシンプルでロープに砂袋がついたものでした 看板に降りようとする機体は砂袋がついたロープを引っ掛けます
18:25ところが一組の砂袋だけでは機体を停止させることはできず フライトデッキから落ちてしまいます
18:32そのため連続して多くの数のロープを引っ掛けなくてはなりません この原始的なシステムは昔の飛行機だから機能したわけで今の性能の戦闘機を停止させる
18:43にはより高度なシステムが要求されます
18:48アメリカ空母フォーネットは時速135キロ以上で突入してくる 重さ8トンの機体を45メートルで停止させなくてはなりません
18:58どのようにしているのでしょうか
19:03看板に降りようとする機体の後部にはフックがあり これがアレスティングワイヤーに引っかかります
19:10ワイヤーは看板の下にある油圧シリンダーとつながっています
19:18着艦の際機体に加わる衝撃はこの油圧シリンダーとプランジャーで吸収されるのです
19:29格段に進歩したシステムです
19:35しかしこのシステムにも欠点があります ワイヤーが1本では確実にこれに引っかかる保証はありません
19:43そこでワイヤーを数本並べることで引っかかる確率を向上させました しかしそれでも100%ではありません
19:56第2次対戦中の着艦はサナから計画された不時着のようでした パイロットは空母の完備から
20:05ワイヤーの上を狙ってアプローチします 12本あるうちの1本の真ん中に引っかかることを願って侵入していきます
20:16不幸にして1本も引っかからなかったら強制的にランディングギアに引っ掛けて止める5本が用意されています
20:24これはデイビスバリアと呼ばれていました けれどもデイビスバリアは機体をひっくり返して止めることになります
20:36今日ニミツでアレスティングワイヤーに引っ掛けて着艦することはさらに危険度が増しています
20:44ジェット機は時速225キロでアプローチしてきますので パイロットはより短時間で正確なアプローチを要求されるのです
20:55そのためパイロットは100回以上のシミュレーションを行い 許可を得た者だけが実際に着艦できるのです
21:10今日の着艦は1500メートル滑走路の何倍も難しいでしょう
21:18これがいわゆるダーティーコンフィギュレーションでギアを下ろしフラップはフル フックを出してワイヤーのキャッチに備えます
21:29ミスがなければ自動車での軽い衝突程度の衝撃で 嫌でも止まったとわかります
21:48アレスティングワイヤーシステムは基本的に60年間変わっていませんが ニミッツはその精度性能を極限まで高めました
21:58時速225キロでアプローチしてくる25トンの f 18を アメフトのフィールドほどの100メートルの距離で止めなくてはならないからです
22:09me
22:164本のワイヤーで待ち構えていても時としてパイロットがミスをし 着艦をやり直すことがあります
22:24これをボルターと呼びます ボルターとは着艦するつもりでフックを出しても止まれなかったことを言います
22:33着艦をやり直して戻ってきたパイロットを仲間のパイロットがどう見るか 想像できるでしょう笑われるんです
22:40ミスしたことを仲間からずっと言われ続ける
22:48ミミッツは着艦のやり直しにも配慮されています ランディングデッキの角度は待機中の他の機体からそれるよう設計されているのです
23:03me
23:09さらに完璧な着艦技術を目指すべく ベテランのパイロットが完備に立って評価をします
23:21我々はアプローチに入った時アプローチ中 着艦の瞬間を評価しています
23:30この結果は総合評価として平均点が出されます 誰もが自分が一番だと思っています
23:37一番は自分ですワーストは彼さ
23:44アレスティングワイヤーが密集した看板での安全な着艦を可能にしましたが 第2次対戦中この看板は敵の爆撃機の標的となりました
24:00ん
24:02この弱点を克服するため2倍の大きさのアメリカ空母 ミッドウェイ6万1000トンが誕生しました
24:13ん
24:241945年3月19日 アメリカ海軍は惨劇を迎えました
24:31日本軍機が空母フランクリンに投下した爆弾が木製の看板を突き破り 下の格納庫を爆破したのです
24:41水平パイロットら724名の命が奪われました
24:52アメリカ海軍はこの悲劇を二度と繰り返させないことを決意します
24:59ん
25:03木の代わりに鋼鉄で看板を覆えば簡単に解決するように見えますが こうすると船の構造上大きな課題と向き合うことになります
25:16看板を木から鋼鉄に変えると船全体の重量が増します おまけに上が重くなって
25:25船のバランスが悪くなり波の影響を受けて転覆しやすくなるのです
25:45船を安定させるには船体の幅を広げる必要があります けれども幅を広げることは進行方向に対する水の投下
25:55抵抗も大きくなることを意味します 船足を落とさずにかつ水の抵抗を受けにくく安定していてかつ防御の面で優れた戦隊
26:06それを実現したのがアメリカ空母 ミッドウェイです
26:13ん
26:16その重さはコーネットのおよそ2倍 第2次対戦後およそ10年にわたって世界一の大きさを誇った船です
26:26全長およそ300メートル フライトデッキの面積はおよそ12,000平方メートルで
26:33厚さおよそ9センチの鋼鉄の板で覆われています
26:40ん この木材の厚さがおよそ8センチです
26:45ミッドウェイの重量は6万1000トンです
26:52アメリカ空母ミッドウェイはその大きさと強靭さで 47年間国に尽くしました
27:01ん
27:062密の甲板も同じく鋼鉄で覆われていますが 板状のものではありません
27:12そこまで防御する必要がないからです 接近してくる鉄器を爆撃できる距離まで近づけさせないのです
27:21それは何重にもハイテク防御を備えているからです
27:26ん 防御の第1弾は長距離レーダーで空からの侵入者を探ります
27:37発見するとすぐに関西機 f 18を飛ばして侵入を阻止し 迎撃します
27:44万一迎撃機が逃したミサイルがあれば関西した c スパロー 艦隊空ミサイル rim 7が迎撃します
27:57ん 最後はローリングエアフレームミサイル rim 116で8キロ以内に近づいたものはすべて破壊します
28:08戦略チームはこの防御システムで2密の戦隊の多くにある動力源を守っています 鉄器を離れた場所で迎撃します近くに寄らせないというのが防御のポイントです
28:24最終の防御手段はハイテクではなく人の手に頼った全近代的な方法です
28:3250ミリ砲で迎え撃ちますさらに9ミリ砲で艦長以下が一丸となり援護します
28:43ミッドウェイは甲板の安全性が確保されましたが 関西機は時代に追いついていませんでした
28:5250年代はジェット機の時代でしたので 空母にもこれを関西させたいという声が上がります
29:01けれどもジェット機の着艦は危険を伴うために 日常的に着艦できる工夫ができるまでには10年を要しました
29:10そしてそれを可能にしたのがアメリカ空母 フォレスタル8万1000トンです
29:221945年11月 初めてジェット機が試験的に空母に着艦しました
29:31脅威の離れ技をやってのけたのはイギリス海軍のトップテストパイロット エリックウィンクルブラウンです
29:41この機体は海軍の歴史で記念碑的なものです
29:471945年にウィンクルブラウンがジェット機として初めて 空母の着艦に成功した機体なのです
29:55そしてこの成功でさらなる一連の問題が漏停します
30:02最大のネックは速度です 速いジェット機ではアプローチの際に正しい角度を取る時間が短いのです
30:11もし角度がありすぎた場合は機体が甲板に強く打ち付けられてしまいます
30:20逆に角度が浅すぎると完備に引っかかってしまう可能性があります
30:27試行錯誤の末に見つけた理想的な角度は3度です
30:37けれどもこの角度で常に侵入するのは不可能です
30:42速度が出ないヘルキャットなどでしたら時間的に余裕があります
30:52パイロットはフライトデッキから誘導するパドルを頼りにアプローチできます
31:01元イギリス海軍パイロットのニック・グッドハートにこの誘導法を聞きました
31:08旋回して着艦態勢に入ると看板から着艦信号が送られます
31:15もし機体が高すぎるという合図が送られたらパイロットはスロットルを絞って調整します
31:24そこで低くなりすぎたらまた合図が送られパイロットはスロットルを開きます
31:31そして理想的な角度でランディングトラックにアプローチしていき ギアがつく手前でカットの合図が送られます
31:38それを受けてパイロットはスロットルを切ります こうすることで無事に着艦できるのです
31:46これが着艦誘導の基本原則です
31:56グッドハートは着艦に潜む危険を知っています
32:01実際に戦場で亡くなったパイロットよりも遥かに多くが着艦の失敗で命を落としています
32:10この犠牲者の数の多さからグッドハートはパイロットだけで正しい侵入角度が把握できる 仕組みを考え出しました
32:22ここに 当時を再現した実験装置を用意しました
32:27鏡です 実際のものは当時上官の執務室で秘書が使っていたものです
32:35私は実験用にそれを借りて口紅で真ん中に線を引き空母の看板に置いてみました そしてトーチで鏡に光を当てるようにしておきました
32:46こんな感じです 看板でトーチの光をこのように当てておきました
32:53それから上官の秘書を呼んでこう言ったのです 君に頼みがあるんだ
33:00パイロットの気分になってくれ 鏡に当たったトーチの光と口紅の線が重なるようにゆっくりたどりながら
33:10進んでみてくれないか その秘書は光を口紅の線と重ねながら自分がパイロットであるかのように正確な角度で進みました
33:24この実験を実際のものに当てはめてみましょう トーチは看板上の4つのライトに置き換わりました
33:35その奥には鏡が置かれ 口紅の線は横に並べたライトになっています
33:42アプローチしてきたパイロットは看板から反射された光を捉えます これが理想の進入角度3度です
33:53パイロットはこの光の中心をたどっていけば理想的な着観ができるというわけです
34:02けれどもそう単純にはいきません 海の上に浮かぶ船は波に揺られますそのため走った光も揺らいでしまう
34:13光を安定させるため鏡にジャイロスコープ機能を持たせました こうして海が荒れていても光は安定するようになったのです
34:43グッドハートの生み出した着観誘導システムが 飛行機の大きさや速度に依存しない画期的なアイデアです
34:57そして新世代の超温速戦闘機や核爆弾搭載の機体も空母に搭載可能となりました
35:07こうして世界初の超大型空母 ホレスタルが誕生したのです
35:182、3つの着観誘導システムはさらに進化しています
35:24並んだランプの中央のものには特殊なレンズがはめられています これはパイロットからミートボールと呼ばれ
35:32この光だけに合わせれば正確な着観角度が得られるのです
35:41鏡による着観誘導システムは空母ホレスタルに世界最大級かつ 最速クラスの爆撃機の搬載を可能にしました
35:50その一方で軍艦として致命的な限界がありました 3日の航行で燃料が切れるのです
35:58そのため新しい推進システムを開発しますが大規模なシステムのため さらに船体を大きくしなくてはなりません
36:06こうしてアメリカ空母エンタープライズ9万1000トンが誕生します
36:15これから海軍でトップクラスの危険な作業が始まります 洋上での給油です
36:29これまでの化石燃料を用いた空母では3日で燃料を使い果たしてしまいます その都度停船させて給油しなくてはなりませんがこれがひと苦労です
36:42クルーたちはガイドロープで給油パイプを手繰り寄せます
36:49ん
36:52パイプが接続されると200万リットル以上の燃料が送り込まれますがそれも72時間の 航行でなくなってしまいます
37:05給油作業中は船足の遅いタンカーに合わせなくてはなりません この間は敵の飛行機や潜水艦から狙われやすくなるため解決策を見つける必要が
37:16あります
37:24解決策の一つが原子力です 原子核反応で発生する膨大なエネルギーを動力とするものです
37:34ウランの原子核に中性子を当てると核分裂を起こし 新たに中性子を放出し連鎖反応します
37:45この核分裂を起こす原子炉を船内に設けてその膨大な熱エネルギーを動力とするのです
37:55この熱で水蒸気を発生させます
38:04圧力のかかった水蒸気をブレードに当てるとタービンが高速回転します
38:11ギアをかませた後120メートルのシャフトで動力が伝えられ スクリューを回転させます
38:25合計4枚のスクリューを回転させることで9万1000トンの金属の船を時速55キロで推進させ られます
38:36ん
38:39けれども危険な原子力を扱うので放射能漏れ対策が必要です 何百トンもの鉛で原子炉をシールドしなくてはなりません
38:53超大型空母には原子炉が8機必要です その重さが船の中央に加われば船体は波の力でたわんでしまいます
39:06ん
39:09そこでハニカム構造の鋼鉄で船体を補強することで重くならず かつ原子炉と鉛のシールドを十分支えられる構造にしました
39:21me
39:28空母エンタープライズは1961年11月に初女公開をしました 8機の原子炉を持つこの船体は世界最大の原子力機関となりました
39:4150万人都市の電力を賄えるほどです さらに軍事的な長所として3年間燃料棒を交換しなくても航行できるという点があります
39:55me
40:01今日に3つ級の超大型空母では20年ごとの燃料棒の交換で済みます さらにたった2機の原子炉でエンタープライズと同じ出力が得られます
40:15このことでさらなるスペースが確保でき 武器庫や機体の格納庫に活用できるようになったのです
40:25ん
40:30さらにに3つの原子炉は総延長2万4000キロのケーブルを介して この海に浮かぶ都市に電力を供給しています
40:42乗組員の数は6000ですから枕カバーの数はその倍以上 シーツの数は4倍にもなります
40:50食事も日に1万8000食用意しなくてはなりません 卵は2万個ポテトは15と
40:58肉は11キロ以上が毎日費やされます これほど大勢いても乗組員には寂しさがよぎります
41:08ここで一番辛いのは家族と離れていることです家が恋しい 毎日が同じ日です
41:15いつも毎日が月曜日だと言ってますここで生きていくのに必要なのは ファイロット同士の友情というも
41:22それと強い気持ちです 過去30年にわたりに3つはその持てる力を余すところなく世界中の実践の場で見せつけ
41:32てきました
41:35ん
41:39に3つ級の名のもとになった空母に3つは75年から任務につき これ以降に3つ級は旧席建造されました
41:51に3つ級の第1号は建造に7年を要しました 建造は国内のドック一箇所で行われ
42:00ここは99,000トンまでのに3つ級空母が扱える広さを持っています この後はより早く建造することが要求されます
42:171981年まで 空母は昔ながらの方法で建造されてきました
42:24ビルと同じように下から上に向かって組み上げていくのです 一席に必要なワイヤーの長さはニューヨークからダラスまでの距離になり
42:345000トンの鋼鉄と5000人の労働力を要します
42:40各分野から人が集められます ボイラーの専門家溶接工電気関係など多岐に渡ります
42:48そのため作業はスローペースになりドックでの建造期間が長くなるのです 電気技師の作業が配管口の妨げになったり
42:57配管口の作業が溶接の邪魔になったりしているのです そのため空母の建造には延べ3300万万アワーの工数がかかってしまうのです
43:11me 今日に3つ級の空母の建造はドック脇でモジュールごとに作業が行われた後に溶接され
43:20ます
43:23ん
43:29各分野の専門家が交代でモジュールで作業していきます こうして電子制御システムや隔壁通路などが作られます
43:41こうすればお互いの作業を妨げないのでスピーディーに行えます
43:48ん
43:52これまで3時間かかっていた作業がモジュール広報とすることで1時間で済みます
44:05コンピューターで設計する技術が進歩したので モジュールごとに作業してくっつけることが可能となりました
44:14これは効率面で大きく貢献しています 西半球で最大級のクレーンが組み上がったモジュールを所定の位置まで運びます
44:25合計161のモジュールで空母1隻が構成されています
44:33モジュールの重さは最大850トンです
44:38ん
44:40この橋型クレーンは限界に近い重さのモジュールを移動させます
44:482006年7月8日 クレーンが最後となるモジュールを運びました
44:58重さ700トンのこのモジュールは空母の中枢部 アイランドです
45:093年の建造期間の後ドックに注水されます 建造は見事に短縮されました
45:2023級空母の最新艦アメリカ空母 ジョージ hw ブッシュがいよいよ浸水します
45:29me 空母ジョージ hw ブッシュは空母の歴史100年の技術の集大成です
45:38甲板は最新のステルス戦闘機にも対応でき
45:45丸みを帯びた船体は水の抵抗を大きく減らします
45:52複合素材によりアイランドの重量が軽減されています
45:59自動化を図ったシステムで乗組員の数も削減されました
46:07建造費用60億ドルを費やした空母ジョージ hw ブッシュはまさに無敵の軍艦です
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46:2623級空母は最新テクノロジーを搭載し現役では世界最大の軍艦です
46:37けれどもアメリカ海軍ではすでに次世代空母の建造計画が進んでいます その第1号艦の収益は2014年以降です
46:48それまでは23級空母が頂点に君臨します
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