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  • 6 年前
映画『水と砂糖のように』予告編
映画史上の功績を讃え「カルロ・ディ・パルマ賞」と命名されたヨーロッパ映画賞撮影賞。この類まれな撮影監督についての、知的な、深みのある、なによりも愛にあふれたドキュメンタリー『水と砂糖のように』。

光と色の達人であるディ・パルマのキャリアは、ルキノ・ヴィスコンティの最初の映画『郵便配達は二度ベルを鳴らす』に参加した15歳から始まり、第二次世界大戦後の映画を革新したネオレアリズモとともに開花。「光、光、光!」それが彼の決まり文句となった。モノクロからカラーに移行する中で、ミケランジェロ・アントニオーニと一緒に、色彩の革命ともいえる『欲望』『赤い砂漠』を生み出し、長きにわたるウディ・アレンの撮影監督として、『ハンナとその姉妹』などアレンが描くニューヨークの物語に、洗練されたヨーロッパ的なものをもたらした。

そして彼は、長いニューヨーク暮らしにもかかわらずどこまでもローマっ子、イタリア語でいうところの、職人と芸術家を包摂する言葉アルティジャーノそのものだった。アレンをはじめ、ヴィム・ヴェンダース、ベルナルド・ベルトリッチ、ケン・ローチ、ニキータ・ミハルコフ、フォルカー・シュレンドルフ、ミーラー・ナーイルなど、多くの優れた映画監督や関係者の豊かで温かい証言が彼の突出した才能とともに魅力あふれる人間性をあぶり出す。また、彼が生涯で撮影した101本の映画と40本のドキュメンタリー、特別プロジェクトの中から、ロッセリーニ、ヴィスコンティ、デ・シーカ、ジェルミ、アントニオーニ、スコラ、ベルトリッチ、アレンなどの25作品の一部も挿入。

本作のプロデューサーで、カルロ・ディ・パルマのパートナーでもあるアドリアナ・キエナは「『水と砂糖のように』は、映画への純粋な愛と強い情熱に振り回されるすべての若者たちにとって、そこから勇気やインスピレーションを得るだけではなく、レッスンとなるのです。犠牲、一貫した価値観、自らの芸術的な選択へ献身、技術の習得によってのみ到達できる、想像を超えた高みを見せられることになるのです。」と語る。

本作は、単に伝説的なひとりの撮影監督の伝記にとどまらぬ、映画黄金時代の核心に迫る感動的な旅となっている。
2019年11月30日公開

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