映画『サタンタンゴ』本編映像
  • 5 年前
映画『サタンタンゴ』本編映像
『ニーチェの馬』、『ヴェルクマイスター・ハーモニー』などのハンガリーを代表する巨匠タル・ベーラ監督。彼が足かけ4年の歳月をかけて完成させた伝説の傑作『サタンタンゴ』(94年)本編映像が解禁となった。

救世主がやって来る。悪魔のささやきが聞こえる。ジム・ジャームッシュ、ガス・ヴァン・サントといった映画監督たちに大きな影響を与え、スーザン・ソンタグが「7時間すべての瞬間が圧倒的で心を奪われる。残りの人生で毎年観たい傑作」と激賞した7時間18分の傑作。35ミリフィルムにこだわり続けてきたタル・ベーラが初めて許可した4Kデジタル・レストア版で公開となる。さらに本作は、今年の第69回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に正式出品され、94年にフォーラム部門でワールドプレミア上映されてから25年振りのベルリン国際映画祭凱旋を果たした。

2015年に世界的権威のある英文学賞ブッカー国際賞を受賞したクラスナホルカイ・ラースローの同名小説が原作。ハンガリーのある村。降り続く雨と泥に覆われ、活気のないこの村に死んだはずの男イリミアーシュが帰ってくる。彼の帰還に惑わされ、さまよう村人たち。イリミアーシュは果たして救世主なのか?それとも?

この度解禁された動画は、約2分に渡り延々と町中を歩き続ける2人の男の姿をカメラが追い続けるワンシーン。強風吹き荒れる中、大量の枯葉や紙くず、ごみやごみ箱まで吹き飛んでいく中を動じない男二人。後を追うカメラも動じない、ただ歩く姿に惹かれるシーンである。さらに、予告にも使用されていないシーンも解禁。ある男の一人語りのこのシーンでは「私はあえて苦言を述べています」と始まり、聞いている側に対し、巧みな言葉でその罪深い臆病さ、愚かさ、弱さに少しずつ詰め寄り、漬け込み、懐柔していこうとする。この言葉は一体救世主の言葉なのか、悪魔のささやきか。本編でご確認を。ちなみにこの演説はまだまだ続く。魅惑のタル・ベーラワールド炸裂の『サタンタンゴ』はついに来週から公開される。

タイトル:サタンタンゴ
原題:Sátántangó
監督:タル・ベーラ
原作:クラスナホルカイ・ラースロー
出演:ヴィーグ・ミハーイ、ホルヴァート・プチ、ルゴシ・ラースロー、デルジ・ヤーノシュ

『サタンタンゴ』は9月13日よりシアター・イメージフォーラムほかにて公開となる。