NHK 歴史秘話ヒストリア 山城 戦国を動かす 大名と家臣は平等な関係だった 2019 01 30

  • 5 年前
全国に4~5万もあるという「山城」に今夜はスポットをあてました。山城が戦国時代を知る手がかりとなっていること、その戦国に山城は革命的に変わったこと、山の上のお城跡にもそうした事実が秘められていると知って、これまでヒストリアに関わらせていただく中で蓄積してきた知識が、さらに多角的になって深まるような思いでした。

さすが信長

 山城の歴史の中でもエポックメーキング的存在はやはりあの織田信長でした。それまでの「並立的」山城が、天下統一をめざす信長の革新にみちた「求心的」山城にやぶれていったのは、ある意味歴史の必然だったかもしれません。

 ヒストリアではいつも“おいしい”ところを持って行く信長ですが、信長の天才ぶりだけがそこにあったわけではなく、そこには領地や領民、「城」を守ろうとする戦国武将の知恵や必死の戦いがあり、そうしたすべての力で歴史がつむがれていくんだなと、あらためて思いました。

城はロマン

 現代の私たちが全国各地の山城にひかれ、訪ねるのも、そこにあった人の営みが感じられるからかもしれません。山登りは大変ですが、上に着けば景色は素晴らしいし、ただの頂上ではなく「お城」なので、ああかつてここに人が住んでたんだぁ…というロマンも感じます。発掘された石を確認されて千田嘉博先生がとても喜んでいらしたのを見ても、山城跡はただの古い遺跡というもの以上なのだろうなと思いました。

城という存在の重み

 また「一国一城のあるじ」「城を枕に…」といった言葉を時代劇や歴史小説などでよく聞きますが、この時の「城」とは、たんなる建物というより、強い責任感と矜持(きょうじ)のよりどころという意味なんだと、今回の内容を通じて、いっそう感じています。言葉を扱う職業である以上、このようなひとつひとつの言葉の意味や背景に思いをはせ、実際に口に出すときの表現をさらに深めていきたいと思います。その意味でもヒストリアに関わらせていただいていることをとても感謝しています。

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