先天風疹 乳幼児の死亡相次ぐ 2016年06月27日

  • 8 年前
先天風疹 乳幼児の死亡相次ぐ

2016年06月27日 19時33分

平成24年から25年にかけて流行した風疹のため、心臓などに障害を負って生まれた「先天性風疹症候群」の子ども、45人のうち11人が1歳3か月までに死亡したことが国立感染症研究所などの調査で明らかになりました。
専門家は「風疹がもたらす影響は甚大で、ワクチンの接種を徹底して流行をなくすことが重要だ」と指摘しています。
風疹は、妊娠20週くらいまでの女性が感染すると、生まれてくる子どもが耳や目、心臓などに障害が出る「先天性風疹症候群」になるおそれがあります。
平成24年から25年にかけて大人の間で流行した際には、全国で45人の赤ちゃんが先天性風疹症候群と診断されました。
国立感染症研究所などの研究グループは、その後の状況を把握するため、医療機関などの協力を得て追跡調査したところ、このうち11人が心臓の疾患や肺炎、呼吸不全などが原因で、生後1歳3か月までに死亡していたことが分かりました。
また、先天性風疹症候群と診断された時の症状は、難聴が30人、心臓の疾患が26人、白内障が7人にみられたほか、肝臓や脳の障害など、さまざまな症状が出ていることも分かりました。
調査にあたった国立感染症研究所の砂川富正室長は「風疹がもたらす影響は甚大で、ワクチンの接種を徹底して、風疹の流行をなくすことが重要だ」と話しています。
おととし、生後4か月だった娘を亡くした母親は、妊娠の初期に、職場の同僚が相次いで風疹を発症しました。
女性は妊娠中、風疹の症状は出ませんでしたが、娘は生まれた直後、全身に出血斑があり、のどから風疹ウイルスの遺伝子が検出されて、先天性風疹症候群と診断されました。
女性は、子どもの頃に風疹のワクチンを1回接種していましたが、身近で風疹が流行したことで知らないうちに感染し、胎盤を介して娘にも感染したとみられています。
両耳が聞こえにくい重度の難聴であることが分かり、ミルクの飲みも悪く、体重は、なかなか増えませんでした。
そして、生後2か月の時には、高熱を出して入院。
その後、肺炎が急激に悪化し、生後4か月で亡くなりました。
母親は「風疹さえはやらなければ娘と、いまも一緒に生活していたはずで、ほかの人には同じ思いをしてほしくない。風疹は注射1本で防げるものなので、男性も含めてワクチンを接種してほしい」と話しています。

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