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  • 2014/3/22
1912年(明治45年)出版のピアノ楽譜による『扶桑歌~分列式行進曲~』
陸軍分列行進曲

拔刀隊
  丶山仙士

我は官軍我(わが)敵は  天地容れざる朝敵ぞ
敵の大將たる者は  古今無雙(双)の英雄で
之に從ふ兵(つわもの)は  共に慓悍(ひょうかん)決死の士
鬼神(きしん)に恥(はじ)ぬ勇あるも  天の許さぬ叛逆を
起しゝ者は昔より  榮えし例(ためし)あらざるぞ
敵の亡ぶる夫迄(それまで)は  進めや進め諸共に
玉ちる劔(つるぎ)拔き連れて  死ぬる覺悟で進むべし

皇國(みくに)の風(ふう)と武士(もののふ)の  其身(そのみ)を護る靈(たましい)の
維新このかた廢(すた)れたる  日本刀(やまとがたな)の今更に
又(また)世に出づる身の譽(ほまれ)  敵も身方も諸共に
刄(やいば)の下に死ぬべきぞ  大和魂ある者の
死ぬべき時は今なるぞ  人に後(おく)れて恥かくな
敵の亡ぶる夫迄は  進めや進め諸共に
玉ちる劔拔き連れて  死ぬる覺悟で進むべし

前を望めば劔なり  右も左(ひだ)りも皆(みな)劔
劔の山に登らんは  未來(来)の事と聞きつるに
此世(このよ)に於(おい)てまのあたり  劔の山に登るのも
我身(わがみ)のなせる罪業(ざいごう)を  滅(ほろぼ)す爲にあらずして
賊を征伐するが爲  劔の山もなんのその
敵の亡ぶる夫迄は  進めや進め諸共に
玉ちる劔拔き連れて  死ぬる覺悟で進むべし

劔の光ひらめくは  雲間に見ゆる稻(稲)妻か
四方(よも)に打出(うちだ)す砲聲(声)は  天に轟く雷(いかずち)か
敵の刄に伏す者や  丸(たま)に碎(砕)けて玉の緒の
絶えて墓なく失(う)する身の  屍(かばね)は積みて山をなし
其血(そのち)は流れて川をなす  死地に入(い)るのも君が爲
敵の亡ぶる夫迄は  進めや進め諸共に
玉ちる劔拔き連れて  死ぬる覺悟で進むべし

彈丸雨飛(だんがんうひ)の間にも  二つなき身を惜(おし)まずに
進む我身は野嵐に  吹かれて消ゆる白露の
墓なき最後とぐるとも  忠義の爲に死ぬる身の
死(しに)て甲斐あるものならば  死ぬるも更に怨(うらみ)なし
我と思はん人たちは  一歩も後へ引くなかれ
敵の亡ぶる夫迄は  進めや進め諸共に
玉ちる劔拔き連れて  死ぬる覺悟で進むべし

我今茲(ここ)に死(しな)ん身は  君の爲なり國の爲
捨つべきものは命なり  假令(たと)ひ屍は朽ちぬとも
忠義の爲に捨(すつ)る身の  名は芳(かんば)しく後の世に
永く傳(伝)へて殘るらん  武士と生れた甲斐もなく
義もなき犬と云(い)はるゝな  卑怯者(ひきょうもの)となそしられそ
敵の亡ぶる夫迄は  進めや進め諸共に
玉ちる劔拔き連れて  死ぬる覺悟で進むべし

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