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  • 12 年前
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉の工程で最初の節目となる4号機の使用済み燃料プールから核燃料を取り出す作業が18日午後3時すぎから始まりました。
福島第一原発4号機の燃料プールには、強い放射線を出す使用済み燃料1331体を含む合わせて1533体の核燃料が保管されています。
東京電力では18日午前から燃料を運ぶ「キャスク」と呼ばれる専用の容器を燃料プールに入れる作業を進め、午後3時18分からは燃料取扱機という設備を使ってキャスクに未使用の新しい燃料を移す作業を始めました。
未使用の燃料は使用済み燃料とは異なり、強い放射線や熱を出しておらず、作業に習熟するうえでも未使用の燃料から始めることにしていました。
福島第一原発の燃料プールから本格的な燃料の取り出しを始めるのは事故後初めてです。
最初の取り出しとなる22体の燃料をキャスクに入れる作業は18日から19日にかけて行われ、その後、キャスクごと大型クレーンで地上に降ろされておよそ100メートル離れた共用プールという別の施設に運ばれます。
燃料プールからの燃料取り出しの開始は、廃炉の工程表で最初のステップである第1期の完了と位置づけられ、40年かかるとされる廃炉の最初の大きな節目を迎えたことになります。
輸送専用容器「キャスク」
福島第一原発4号機の使用済み燃料プールにある1500体余りの核燃料は、輸送のために「キャスク」と呼ばれる専用の容器に移されます。
今回、使われるキャスクは、全長5.5メートル、直径2.1メートルの筒状の形をしています。
最大22体の燃料を収納でき、燃料を合わせた重さは91トンになります。
放射線を遮へいする炭素鋼やステンレス鋼などでできていて、使用済み燃料が出す熱をキャスクの中の水で抑えたり、キャスクの周りに使われているステンレス鋼に伝え、外に放出したりします。
燃料を一定の間隔を空けて常に水中に置くようにしてあり、核分裂が連鎖的に起きる臨界を防ぎます。
今回4号機の燃料プールから燃料を取り出す作業には2基のキャスクが使われます。
燃料取扱機という設備を使って燃料を入れたキャスクは、プールの水が入った状態でふたを閉めて密閉されたあと、クレーンで水中から取り出され、車両に乗せて共用プールという保管施設に運ばれます。
また、水素爆発やがれきの影響で損傷している燃料があった場合はその燃料の取り出しを先送りにし、燃料に合わせた別のキャスクを用意して、使用することも計画しているということです。
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