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  • 12 年前
コンサート・フォー・ジョージ(Concert for George)は、2002年11月29日にロイヤル・アルバート・ホールで開催された、元ビートルズのメンバー、ジョージ・ハリスン(2001年11月29日死去)への追悼コンサートで、ジョージの一周忌を記念、そして祈念し、ジョージの死去日(2001年11月29日)から、ちょうど一年後に行われます。
このイベントは、ジョージの妻オリビアと息子ダーニ・ハリスン(通称ダニー)によって計画され、ジョージの親友であるエリック・クラプトン主催で行われ、エリックは、ホスト役も勤めています。
イベントの収益は、1973年にジョージによって設立された基金財団「The Material World Charitable Foundation」に寄贈されます。
ジョージの妻、オリビアが登場し、お香がたかれる中オリビアがステージ上のロウソクに火を灯し、エリックが「ジョージの魂に向けて開催した。今夜は彼がどれほど多くの人に愛されたかわかるだろう」と挨拶します。
ジョージのシタールの師であるラヴィ・シャンカルの娘アヌーシュカ・シャンカルによるインド音楽が演奏され....そして、ラヴィ・シャンカルの娘アヌーシュカ・シャンカルはシタールで「The Inner Light」のイントロを演奏します。
歌うはジェフ・リンで、この楽曲を聴かれてくれます。
その後、アヌーシュカ・シャンカル指揮者にまわり、インドの音楽がふんだんに演奏されます。
そして、エリック・クラプトンのアコースティック・ソロギターの演奏がインド音楽に合わせて行われます。
続いては、ジョージが生前大ファンだったイギリスのコメディグループであり、国民的アイドルモンティ・パイソンが登場し、マイケル・ペイリンの司会挨拶(Youtube)に始まり、彼等のヒット曲である「シット・オン・マイ・フェイス」と「木こりの歌」の合唱(木こりの歌では当日限りのパイソンズの特別メンバーとして迎えられた俳優のトム・ハンクスが森林警備隊として歌っている)します。 
モンティ・パイソンのメンバーは、テリー・ギリアム、エリック・アイドル、ニール・イネス、テリー・ジョーンズ、マイケル・ペイリン、キャロル・クリヴランドで、ジョージとモンティ・パイソンの関係と云えば1978年に遡ります。 
映画の製作中に突然EMIにバック・アップを打ち切られ途方に暮れるモンティ・パイソンに助け船を出したのはジョージでした。 
そして、作品『ライフ・オブ・ブライアン』(ジョージも出演)が出来上がり好評を得ると、ジョージはペインと「ハンド・メイド・フィルム」を立ち上げ、以後は『モンティ・パイソン・アット・ザ・ハリウッド・ボウル』など、数々のアダルト・ユーモアにあふれる作品を発表することとなります。 
トリービュートにお尻●出しとは何と云うことかと不謹慎に思う人もいるとは思いますが、これこそがジョージの愛したユーモアなのでしょう。
“I Want to Tell You” で始まるライブステージには、ジョージの息子ダーニ・ハリスン(通称ダニー)が、父のギターと共に参加します。
ダニーは、若いときのジョージにそっくりで、ギター演奏とバックコーラスで参加するダニーの姿はジョージの姿と重なります。
小柄な点を除いては、そう!正にジョージその人なのです。
この時、クラプトンの目に映ったのは誰の姿だったのでしょうか?
このダニーの姿が、各ミュージシャンのオリジナルに、忠実で丁寧な演奏と合わせて、幻想的であたたかい雰囲気を作りだします。
そして、ジョージと親交のあったメンバー達によるジョージ・ハリスンのナンバーが、次々と演奏されます。
ジョージにゆかりのあるアーティスト達のパフォーマンスの中、リンゴ・スター と ポール・マッカートニーの参加で、会場は盛り上がます。
ポールの選曲した「Something」・・・これには、逸話があります。
ジョージ「僕の曲で、ポールの演奏はひどいんだよ。あんなベースの弾き方をされると、歌いにくくて…」と、後年発言したとか。
まさか、ポールがその曲を、ジョージから貰ったウクレレで演奏するとは。
ポールの「僕は、ベースを弾かないからね!(ごめんね!)」というメッセージにも取れます。
クラプトンと前半後半で歌い分けたのは、ポールが「サムシング」を選んだら、クラプトンが「僕だって、あれを歌いたい!」と、発言をしたからという説があるのだとか...。
しかし、このコラボ演奏は、流石!の一言に尽きます。
また、「オール・シングス・マスト・パス」は、「ああ、こんなにいい曲だったんだ!」と思わせるほど、ポールは歌い上げます。
「コンサート・フォー・ジョージ」における、エリックとポールの「サムシング」は、2004年度グラミー賞ベスト・コラボレートにノミネートされますが、受賞は逃します。
しかし、「コンサート・フォー・ジョージ」自体は、みごと最優秀長編音楽映像作品賞を受賞することとなります。
圧巻は、クライマックスの “While My Guitar Gently Weeps”。
エリック・クラプトンをメインボーカルに、ポールマッカートニーのピアノとコーラスが絶妙に重なり、曲の後半のエリッククラプトンのギターソロが懐しさと物悲しさを呼び起こします。
また、「ジョージの曲は全て好きだ。驚くほど美しい。特に純粋さを歌った曲は、彼の心の声が聞こえる。」、そう語るクラプトンは、「コンサート・フォー・ジョージ」のステージ上で、全てを愛しむかのように、最高の演奏を聞かせてくれます。
これまでに無い、最高のパフォーマンスではないでしょうか。
コンサートは、総勢30名余りによる渾身の演奏後、ラストは、ジョージが敬愛する「ジョー・ブラウン」が、優しく“I’ll see you in my dreams(夢で逢いましょう)”を、ウクレレで奏で(歌い)、会場に花びらが舞うフィナーレを迎えます。
ギターを置き、舞い散る花びらを見つめるクラプトンは放心気味に…。
傍らのダニーが、そっとクラプトンに寄り添うと、クラプトンは泣きそうな顔で微笑み、ダニーの肩を強く抱きまます。
普通なら、父親を失ったダニーを、父親代わりのクラプトンが励ます立場にあるのですが、本当は、逆だったのかも知れません。
そう、一方のクラプトンは、未だ悲しみの中なのです。
ジョージの妻オリヴィアとダニーが励まし合い、ハグする姿を見ると、もう視線のやり場に困ってしまい、潤んだ眼を宙に彷徨わせるかのような…。
ジョージが死んで丁度1年が経ちこのコンサート。
ダニーは、悲しみの中、素人ながらも気丈にステージに立ち、ゲスト一人一人に礼を言い、回ります。
このコンサートに打ち込む事で悲しみを乗り越えようとしたクラプトンにとって、側に居たダニーの姿が救いになっていたに違いありません。 
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