不妊患者への着床前診断、長野の病院が実施
  • 12 年前
日本産科婦人科学会が禁止している不妊患者への着床前診断を、長野・下諏訪町の「諏訪マタニティークリニック」が実施していたことが明らかになった。

 23日に会見を開いた諏訪マタニティークリニック・根津八紘医師は「体外受精でやっと妊娠した患者が高齢ゆえに染色体異常となり、流産してしまう人がいる。そういう人を少しでもなくしていこうと」と話し、着床前診断の実施を認めた。

 着床前診断は、体外受精の後に受精卵の染色体の数の異常を調べ、正常な受精卵のみを子宮に戻す方法。病院は、06年から12年5月にかけ、染色体の数の異常によって流産を繰り返していた20組の夫婦に実施していた。そのうち7組が出産、1組は妊娠中という。特に高齢妊娠の場合は、染色体の異常が多く見られ、それが流産を繰り返す原因につながっているという。

 日本産科婦人科学会は、「染色体を選ぶことは男女の産み分けにつながる」として、筋ジストロフィーなど重い遺伝病の場合を除いて認めていない。