全米オープン2017 3日目 とことん松山英樹
  • 7 年前
全米オープン 3日目(17日)
◇エリンヒルズ(ウィスコンシン州)◇7845yd(パー72)

リーダーボードのToday欄に、
「-5」や「-7」、果ては「-9」まで並んだ大会3日目。
首位と2打差で出た松山英樹の1アンダー「71」は迫力に欠けた。
通算6アンダーの14位。その差は6打に広がった。

朝の練習場から不穏だった。
ショットは右へ右へと曲がり、
パッティンググリーンでは短いパットもするりとカップを避けていく。
「(パットの感触は)最初から悪かった。
ショットを立て直せないと、苦しいラウンドになるのは分かっていた」
と覚悟を決めてティオフした。

ショット後のリアクションを見ても、
クラブから手を離したり、うなだれたり、
あげくはクラブを手から落としたりと、
思い通りに打てていないことは明白だった。
前半、フェアウェイをとらえたのは7回中4回だけ。
それでも、2番、7番でチャンスを生かし、2バーディで折り返した。

10番の3パットでこの日初めてのボギーとしたが、
「いずれ、ああいうミスが来るだろうと思っていた」と予感はあった。
後半に入り、ショットは復調気配を見せたが、
逆にグリーン上でため息の続く展開。
11番、12番と続けて1ピンほどのチャンスを逃すと、
13番も同じような距離のパーパットを決めきれない。
14番(パー5)は2打でグリーン手前のバンカーまで運んでバーディ奪取。
もう1つ…その気持ちがミスを誘った。

ムービングデーの選手の心理を試すように、
ティグラウンドが前に出された15番。288ydに設定されたパー4は、
松山レベルの選手であれば1打で届く距離。3Wを振り抜いた松山の球は、
グリーンエッジの手前1、2ydにキャリーしたが、
砲台となった花道を転がり落ちて、右手前の深いバンカーへと吸い込まれた。

パットが入らない…。惜しいパットもありながら、
この日1アンダーにとどまった松山英樹
「ショットが良くなってきていたし、簡単に『3』
が獲れる方法がないかなと考えた。あとあと考えれば、
レイアップの方がリスクは絶対少なかったし、やっぱりそういう欲が…。
昨日までだったらレイアップしていたという感じはある」と、
この日最もやさしいホールとなった15番で、
罠にはまって『5』としたマネジメントを反省した。

開眼したかに思われたパッティングは、
「1日1日、フィーリングは変わるものだと思うけど、
ちょっと変わり過ぎている。
不安な部分がそのままカップから遠ざかって行っている結果
に表れているのかなと思います」と、口を結ぶ。

残りは18ホール。「だいぶ(首位との差が)開いてしまったけど、
ビッグスコアを出せれば、まだまだあきらめる位置ではない。
そのプレーができなかったら、下位で終わるというだけです」と、
心境に淀みはない。果敢にピンを攻めるだけ――。
グリーンを軟らかくする雨粒が、夕闇迫るコースに落ちてきた。

GDOニュース引用
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