原発のゴミと大きな借金で未来の日本が苦しむことのないように
  • 11 年前
「みなさんこんにちは。脱原発の思いを胸にこの会場にお集まりいただいたみなさんに心より御礼を申し上げます。そして私の尊敬する大江健三郎さん、落合恵子さんと同じ舞台で私が脱原発の思いを申し上げることを私は一生の宝と思いました。本当にありがとうございます。
私は福島第一原発から25ロくらいのところに住んでいました。今は校5年生の私たち夫婦の3人で田村市内の西側に住んでいます。全国の皆さん、そして皆さんからご支援いただき心から御礼申し上げます。

 私は戦時中に生まれました。周りの大人たちが話す戦争の話は子供ごころにも大きな衝撃でした。その頃ヨーロッパのスイスが平和だったことも知りました。私の心は平和なスイスのことを考えることでいつも安らいでいました。

 私が子育て中の時に大熊町に福島第一原発がつくられました。周りの人たちがたくさん働きに行きました。私は広島に落とされたあの恐ろしい原爆のことが頭をよぎりました。しかし周りのほとんどの人たちが私が聞いてもいないのに絶対安全だ。事故は起きないんだ。ここには大きな自信は来ないんだと口々に言っていました。そして原発の陰で生活が豊かになったように思い込んでいました。

 あの3.11の大きな地震の後原発が4基も爆発して広島に落とされた何百倍もの放射能を飛び散らかしてしまいました。生まれ育った時から私たちを守ってくれた豊かな自然は放射能という死の灰で汚されてしまったのです。安心安全という真っ赤なウソと少しばかりの豊かさに踊らされていた自分を悔やみ、未来を生きる子供たちの空気を思い、自分の目から流れる涙を抑えられませんでした。

 国は始めから安心安全キャンペーンをやる一方で福島医大には膨大な予算が充てられました。復興予算、そして除染費用、毎日新聞やテレビのニュースでは福島県に充てられる予算の数字が大きな文字で映されていました。今県内各地に大手企業が入り除染が行われています。そして手抜き除染のことが取り上げられました。水で洗い土を剥ぎ草木を倒して袋に詰め込むだけで私たちの地域が元通りに戻るわけがありません。雨が降れば大地の放射能は川へそして海へ流れるのです。汚染水のタンクが汚染物の詰まった袋が所狭しと増えるばかりです。

 去年から帰ってよいとされる30キロ圏内の私たちの地域では山菜から高いレベルの1万何千ベクレルというセシウムが検出されました。しかし帰っている年配の人たちは知らずにそれを食べてしまうのです。福島で起きていることの真実を隠したいと考える人たちの強い力があるように思えてなりません。

 先日総理大臣が我が国の世界一の原発の技術を外国へ輸出するといっておられました。福島の原発が世界一の技術であるならば世界中の原発は今すぐ止めなければいけないでしょう(拍手)。それをなぜ世界中のどの国よりも放射能の恐ろしさを体験済みのはずの日本が外国に輸出されることが許されるのか、それはまるで日本は歴史認識がないと隣国から言われた昔の戦争と同じになるのではないか(拍手)。後に責任を問われるのではないかととても心配です。経済成長戦略にとらわれすぎて道を誤ってはいけないでしょう(拍手)。 

 今問われていることは日本の使命はあの穏やかに美しく凛と輝やく宇宙から見たこの地球をわれらの母なる星を知性と愛情と調和で守ることになると思うのです(拍手)。未来の日本が昔と同じ責任を問われないため原発のごみと国の大きな借金で未来の日本が苦しむことがないように今考えを新たにする時ではないでしょうか(拍手)。勇気をもって真実を明かし福島の真実を語り世界の英知を結集し福島を日本をそして母なる地球をも待っていきましょう」
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